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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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普段、何も意識せずにしている呼吸は浅くなりがち。このときに腹はほとんど動員せず、横隔膜も大して動かない。安静なら酸素の必要量も少なめだから、浅い胸式呼吸でも間に合ってしまう。
一方、腹式呼吸はへその下10cmあたりの丹田に力を入れ、腹圧を増減させるから、つられて横隔膜はしっかり機能する。その分、肺は押し広げられて、たっぷりの空気が流れ込む。では、どちらの呼吸法がお勧めなのか?
「どちらでも構わないと思います。呼吸を支える呼吸筋群がしっかり伸縮して、胸郭いっぱいに肺を使えれば、ちゃんと吸えるでしょう」とは呼吸法を研究してきた田中幸夫教授(東京農工大学)。
ただし、たくさん吸おうと全力で取り組むと過呼吸に陥ったり、疲労や緊張から続けにくくなる。
「7〜8割ぐらいの深呼吸にとどめておけば続けやすいでしょう。これに慣れてくると、普段の呼吸が深くなりますから、緊張した際などに呼吸が浅くなると、その変化を自覚できるようになります」
自分はいま緊張しているなと分かれば、呼吸を操作することで自律神経にアプローチできるから、溜まったストレスも逃がしやすくなる。
「呼吸法の後は立ったまま、でんでん太鼓の要領で、カラダを左右に軽く回転させる、気功でいうスワイショウをお勧めします。これをやるとカラダがほぐれ、自律神経のバランスを整えやすくなるはずです」
緊急事態に即応できるよう、人は緊張しやすく、弛緩しにくくできている。頭でイメージするだけでリラックスするのは、やってみると難しいから、呼吸と気持ちのいい動きでリラックスへと誘導するのがいい。
取材・文/廣松正浩 イラストレーション/加納徳博 取材協力/田中幸夫(東京農工大学大学院工学研究院先端健康科学部門教授)
(初出『Tarzan』No.752・2018年10月25日発売)