大人のための「かけっこ」必勝マニュアル(2)〜実践その1:準備運動
全3回でお届けする、大人のための「かけっこ」必勝マニュアル、第2回。走るときに意識すべき4つのポイントを紹介した第1回に続き、今回は無駄な動きを省いたフォームを習得し、適切な筋力を発揮するための6つの準備運動をマスターしよう!
取材・文/黒澤祐美 イラストレーション/藤原なおこ 監修/里 大輔(SATO SPEED代表)
(初出『Tarzan』No.716・2017年4月6日発売)
大人はなにより準備運動から
走るために必要な筋肉に刺激を入れるウォーミングアップ。1秒でもタイムを縮めたい短距離は、無駄な動きを省いたフォームの習得や、適切な筋力の発揮といったスキルが必要になる。
これらを効率的に行うには、こちらの記事で紹介した4つのポイント「勝ちポジション」「勝ちライン」「膝通し」「腕振り空地面」を意識しながら、まず走るための準備をしよう。
ここで紹介するウォーミングアップは、可動域を広げる、体温と筋温を上げる、怪我の予防といったストレッチの意味合いもあるが、一番の目的はランニングに必要な筋肉にスイッチを入れることにある。
1. スタッグ
足は肩幅。お尻を突き出すようにお辞儀し、膝を軽く曲げて腿裏をストレッチ。両腕を前に伸ばし、掌を内側に向ける。腕の位置は耳のやや後ろにセット。ここから腕を引いて肩甲骨を寄せ、肩の可動域を広げる。10回。
意識すべきポイント:勝ちポジション、勝ちライン
2. レッグスイング
腰幅で立ち両手を腰に添える。片脚を後ろに引いて股関節を伸ばし、大きく前にスイングする。脚を後ろに引いたときは軸脚が負けポジション、前に振ったときは勝ちポジションになるよう意識を。左右10回ずつ。
意識すべきポイント:勝ちポジション、勝ちライン
3. アームスイング
腰幅で立ち、両手を真上に伸ばす。その状態から指先が空、前方、地面を向く軌道で腕を振り下ろし、カラダの後ろを通って元へ。腕がカラダの横を通るときは勢いをつけてスピードアップ。10回。後ろ回しも同様に行う。
意識すべきポイント:勝ちライン
4. スプリットスクワット
脚を前後に開いて立ち、勝ちラインを作って股関節を伸ばす。次に両膝を同時に曲げて素早く腰を落とす。後ろ脚の膝と前脚の足首を近づけ、両脚の大腿四頭筋に刺激を入れる。これを10回。脚を入れ替え逆も同様に。
意識すべきポイント:勝ちポジション、勝ちライン
5. クロススクワット
脚を前後に大きく開き、前脚を一歩内側にズラしてクロス。おへそと顔は正面に向けて、勝ちラインを作る。この状態から両膝を曲げ、後ろの膝が床に近づくまで腰を落とす。後ろ脚のお尻を意識。10回。脚を入れ替え同様に。
意識すべきポイント:勝ちライン
6. ランジ
脚を前後に開いて腰を落とす。一瞬深く沈み、前脚に重心を乗せると同時に後ろ足を引き上げ、一歩前に出し、腰を落とす。これを10歩繰り返す。ポイントは、踏み込んで軸脚を伸ばすタイミングで素早く膝通しを行うこと。
意識すべきポイント:勝ちポジション、膝通し、腕振り