できたマメにはラップを巻く!? 適切ケアでランニングの「痛い!」を回避しよう
ランニングにはトラブルが付きものだけど、事前の準備と知識で回避は可能。膝や足裏の痛みや、皮膚の擦れ、マメなど。現役ランナー・佐藤悠基さん直伝の対策でしっかり予防をして、明日も痛みのないカラダで気持ちよく走り出そう!
取材・文/酒井政人 撮影/谷 尚樹 イラストレーション/コルシカ
(初出『Tarzan』No.751・2018年10月11日発売)
脚が攣るんだけど、どうすればいい?
ふくらはぎにビクンという痛み。レース中にこむら返りを起こすランナーは少なくない。人によっては大腿四頭筋、ハムストリングスが攣るという人も。そして突然やってくるのが足の指だ。「原因は筋肉疲労、体温の低下、ミネラル不足などです」(佐藤悠基さん)。
攣りそうになったら、負担がかからないように他の筋肉でカバーして進もう。攣ってしまったら無理は禁物。立ち止まってストレッチなどで伸ばすこと。筋肉をゆっくりほぐせば動かせるようになってくる。
攣りやすい人は気になる部位の筋肉を普段から強化しておきたい。レースでは給水時に伸ばすなど、凝り固まらないように注意するといい。また汗と一緒にミネラルも体外に出てしまうため、対策としては、カリウムなどのミネラル補給が有効になる。
果物はカリウムが豊富! バナナを食べて準備万全。
膝や足底の痛みは、筋膜リリースで予防
膝の痛みはランナーに最も多いトラブルだ。周囲の筋肉に引っ張られ、膝まわりのテンションが高まることで発生する。大腿四頭筋など膝周辺の筋肉をほぐすことで、痛みがなくなることが多い。筋力不足も原因なので、予防にはランジ、スクワットなどが効果的。サポートタイツでカバーできる部分もある。
また足底の痛みに悩まされているランナーも少なくない。アーチ(土踏まず部分)が落ちてくると、それが痛みになるだけでなく、アキレス腱、ふくらはぎ、膝への衝撃も強くなる。「ストレッチやマッサージなどで筋膜リリースして、疲労を蓄積させないことが予防につながります」。
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意外な部分も擦れて痛くなる
普段はまったく気にならないのに、ランニングをすると、意外なところが擦れて痛くなる。よくあるのは脇、股あたり。対策としては、ワセリンを塗って、皮膚を保護しておくといいだろう。インナー付きのパンツで下着を穿くと蒸れの原因になるので注意したい。
また男性に意外に多いのが乳首ずれだ。シャツと乳首が擦れることで、徐々に痛みが発生する。ワセリンで対応できない場合は、ニップレスや絆創膏などでカバーしておこう。
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マメができても慌てない
シューズ内が蒸れたり、足やソックスがシューズに合っていないとマメができることがある。そんな時もデキるランナーは慌てない。トレーニング中なら無理をせずに切り上げよう。レース中なら我慢して走るしかないが、ゴール後、落ち着いてから対応すべし。病院など専門家に処置してもらうのが一番だが、自分で行う場合は消毒した針で穴を開けて、中の水分を抜く。
モイストヒーリング用の絆創膏がない場合は、食品用ラップフィルムを巻くといい。ジュクジュクした滲出液は早く治る成分なので、拭き取らないように。「調子が悪いときやフォームが崩れているときは、蹴る意識が強くなるためマメができやすい。要注意です」。
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教えてくれた人
佐藤悠基さん
さとうゆうき/1986年生まれ。日清食品グループに所属する日本長距離界のエース。箱根駅伝で3年連続の区間新記録、日本選手権1万mで4連覇など数々の記録を持つ。現在はマラソンに本格参戦。9月のベルリンでは6位に入った。
※製品情報は掲載当時のものです。