糖質オフって何が違うの? ダイエットマニアの素朴な疑問を解決します

「糖質オフって、低炭水化物やグルテンフリーとは違うの?」「間食を止められないけれどどうすればいい?」。糖質オフビギナーのA太に続き、ダイエットマニア・B子の糖質オフについての3つの疑問に答えます。

(初出『Tarzan』No.697・2016年6月9日発売)

素朴な疑問1「低糖質、低炭水化物、低インスリン、グルテンフリー…。どう違いますか?」

ご飯やパンのような糖質に気をつけるという点はいずれも同じだが、厳密には違いがある。

炭水化物=糖質+食物繊維。定義上、低炭水化物では食物繊維まで減らすが、食物繊維は血糖値の上昇を抑えて腸内環境を整える善玉だから、低糖質では減らさない。

低インスリンは、血糖値を急に上げてインスリン分泌を促す糖質を減らす方法。血糖値の上がりやすさを示すGI値の低い糖質を選ぶ。しかし、同じ食品でも血糖値の上がりやすさには個人差が大きく、食べるタイミングでも上昇具合は変わる。

「GI値のような糖質の質ではなく、低糖質のように糖質の量にこだわった方がダイエット効果は高い。加えて糖質を食事の終盤に食べる“カーボラスト”を心がけると血糖値は上がりにくい」(食・楽・健康協会の山田悟理事)

最後のグルテンフリーは、小麦粉に含まれるタンパク質の一種、グルテンをカットする食事。パンや麺類をパスするので低糖質になるが、本来グルテンに対する自己免疫疾患であるセリアック病の治療目的で行うもの。減量向きではない。

素朴な疑問2「オヤツだけはやめられません。どんなオヤツなら食べてもいい?」

チョコレート、クッキー、煎餅…。仕事中に小腹を満たすオヤツは、総じて糖質たっぷり。今回の糖質オフでは、間食で1日10gの糖質を摂ることを想定しているが、油断するとあっという間に10gなんてオーバーする。3食でオフにしても、間食で糖質を摂りすぎたらダイエット効果は皆無。糖質オフのオヤツを準備しておこう。

三種の神器にしたいのはナッツ、チーズ、乾き物。いずれも糖質が少なく、コンビニで手軽に買える。ナッツではとくにクルミとカボチャの種は糖質が少なめ。チーズはプロセスチーズでもカマンベールでも好きなタイプを選んでOK。

「ナッツとチーズは脂質が多く、食べすぎるとカロリー過多になりやすい。ナッツなら10粒、チーズは2〜3片が目安」(管理栄養士の美才治真澄さん)

チーズは要冷蔵だから、買い置きは避けて。乾き物では小魚やさきいか、ビーフジャーキーのようにタンパク質が多く嚙み応えがあるものを選ぶべし。臭いが気になるので、会議や商談前などは、うがいか歯磨きで口臭予防を。

素朴な疑問3「冷たい炭水化物 (=レジスタントスターチ)は 吸収率が低いから、 摂っても大丈夫でしょ」

グルテンフリー同様、最近よく耳にするのが、レジスタントスターチという言葉。スターチとは、ご飯やパンなどに含まれる糖質であるデンプンのこと。レジスタントは「抵抗する」という意味であり、合わせて、消化されにくいデンプン(難消化性デンプン)を指す。

レジスタントスターチは食物繊維の一種。温めたデンプンを冷ましたり、保存したりするプロセスで、その一部が再結晶するなどして生じる。消化酵素の影響を受けにくく、分解されないまま大腸まで届くことから、血糖値を上げにくい糖質としてにわかに脚光を浴びている。

ゆえにB子のように「おにぎりやポテトサラダみたいに冷たい糖質なら、糖質オフでも食べてOKでしょ」と勝手に思い込む人も多いが、大腸内の腸内細菌で分解されるとカロリーになるし、そもそもおにぎりやポテトサラダに含まれるレジスタントスターチはわずか1%程度。調子に乗って食べすぎたら、その他99%の糖質の作用で血糖値は上がるし、太ります。

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温かいおにぎりをわざわざ冷蔵庫で冷やして食べても、残念ながらダイエットにならない。