達成感溢れるランニング後は、即座にシャワーを浴びたくなる。が、疲労を明日へ残さないためにも、使った筋肉はその場でリセットしておこう。
走り終えた後はすぐに立ち止まらず、まずは5〜10分のジョギングもしくはウォーキングで呼吸を整える。心拍数を静めて気持ちを落ち着かせるほか、適度に動くことでカラダに疲労を溜めにくくする効果もある。
続いてストレッチ。ダメージを受けて硬くなった筋肉は、毛細血管が圧迫されて血流が滞り、血流不足になりやすい。すると全身に酸素が行き渡らず、だるさや疲労を招く原因に。そんな固まった筋肉を和らげるのに効果的なのが、止まった状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチだ。
「ストレッチを行うタイミングは、まだ筋温が高い運動直後がベスト。どうしてもその場でできなかった場合は、お風呂上がりなどカラダが温まっているときに行うのもいいでしょう。それぞれの体勢になり、息を吐きながらストレッチを深め、痛みを感じる手前でストップします。ゆっくり深呼吸をしながら行いましょう」(しらとりスポーツサポートの白取秀司さん)
クールダウン中は自分のカラダと向き合い、その日の走りを振り返る時間にしよう。記録を形として残しておくと、次回へのモチベーション維持にも繫がりやすい。
使った全身の筋肉を、バランスよく伸ばしていく
1. 足裏
地面に正座をして、爪先を立てる。両手は腰に置く。両足の指の付け根に均等に体重がかかるように、重心をやや後ろに移動する。足の指が反り、足裏の筋肉がじんわり伸びていればOK。15〜20秒。
2. 前脛骨筋
地面に正座をして、両手を片膝に回す。足の甲が前後に動かないように固定をしながら、両手で膝を引き上げ脛の筋肉を伸ばす。上体は床と垂直にキープしておくこと。硬い人は正座をするだけでもOK。左右各15〜20秒。
3. ふくらはぎ
片膝立ちになり、両手を立てた膝の上に置く。踵をつけたまま前の膝をさらに深く曲げ、逆脚は外に開きながら腰を落とす。立てた膝と爪先の方向を揃えて体重をかけ、ふくらはぎを伸ばす。左右各15〜20秒。
4. ハムストリングス
脚を伸ばして地面に座り、膝を軽く曲げる。左脚を深く曲げ、右膝の下に入れる。背すじを伸ばし、猫背にならないよう意識しながら上体を前傾。両手で右足の爪先を持って15〜20秒キープし、腿裏をストレッチ。逆も。
5. 大腿四頭筋
横向きに寝そべり、肘をついて上体を支える。上側の脚の膝を曲げ、同じ側の手で摑む。そのまま手で脚を引き、腿の前側を伸ばす。このときカラダが前後に傾かないよう、頭から脚は一直線にキープ。左右各15〜20秒。
6. 大腿筋膜張筋
足を腰幅に開いて立ち、片手を腰に置く。そのまま手で腰を真横に押し、押している側の脚を一歩前に出し逆脚にクロスする。後ろ脚のお尻と腿の横の筋肉のストレッチ。上体が前後傾しないよう注意。左右各15〜20秒。
ガチなランナー向けの、しっかりストレッチ
7. 腓腹筋
両手両足を地面につけたままお尻を真上に引き上げる。片足を床から離し、逆脚のアキレス腱の上に乗せて、地面についた軸脚の膝を伸ばす。ふくらはぎの伸びを感じながら15〜20秒。逆脚も同様。
8. 大臀筋
膝を立てて床に座り、背中側の地面に両手をついてカラダを支える。片方の脚を逆脚の腿の上に乗せ、立てた脚を手前に引く。骨盤を立てて背すじを伸ばし、腿とへそを近づけるようにお尻を伸ばす。左右各15〜20秒。
9. 中臀筋
片膝を立てて座り、逆側の脚は前に伸ばす。立てた足を逆脚の腿の外側に置き、伸ばした脚は内側に畳む。両腕で立てた膝を抱え、胸側に引き、お尻を伸ばす。地面についたお尻は浮かないように注意。左右各15〜20秒。
10. 内転筋
両脚を左右に大きく開く。両膝と股関節を曲げて腰を落とし、両手で膝を外に押し出して内腿をストレッチ。上体が前かがみになりすぎないように胸を張り、お尻は真下に落とすこと。15〜20秒。
11. 腸腰筋
脚を前後に大きく開き、爪先と膝の向きを揃える。爪先から膝が出ないように前膝を曲げて腰を深く落とし、後ろ脚と同じ側の腕を真上に上げる。腕をさらに高く伸ばして脚の付け根を伸ばす。左右各15〜20秒。