減量目的で走るならトレッドミルを活用しよう! 最大限に活用するためのテクニック集
データやペースを把握できるトレッドミルはビギナーの強い味方。ダイエット目的でランニングを始めたいなら、これをに活かさない手はない。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/内山弘隆 監修/浅野友亮(テクノジム ジャパン ウェルネスインスティテュート) 取材協力/テクノジム ジャパン
(初出『Tarzan』No.712・2017年2月9日発売)
寒いから暑いから雨降ってるから風吹いてるから。せっかくのランニングの決意が天気のせいでどんどん削がれていく…てなことは、トレッドミルではありえない。だって空調の効いた一定の環境でその気になればいつでも走れてしまうのだから。
というわけで、続ける自信がイマイチ持てないという人はトレッドミルでのランニング実施がおすすめだ。
とくに学生時代以降、ろくろく走っていないという人ならなおさらのこと。なにせ段差の多いアウトドアと違って走行ベルトはあくまでフラット。膝や腰への負担も少ない。トレーニングに不慣れでも心配ご無用、心拍数や速度、継続時間などの数字を随時お知らせしてくれる。
結果的に正しいフォームが身について、ビギナーが陥りがちなケガのリスクもぐっと軽減。つまり超ウルトラビギナーでも、効率的なランが可能になるというわけ。だまされたと思ってまずはジムの門を叩くべし。走ることが楽しくなってきたら、春先にアウトドアへレッツゴーといきましょう。
トレッドミルのメリット
- 天候などの自然現象に左右されない
- 膝、腰への負担が軽減される
- 心拍数、速度、時間などのデータがチェックできる
- 正しい姿勢を保ちやすい
- ケガを予防できる
【基本】正しいフォームを身につけ、30分動き続けることが目標
まずトレッドミルの基本のハウツーを身につける。むやみにドカドカ走るだけでは、せっかくのトレッドミルの効用を生かせないからだ。
最初は必ずウォーキングからスタートして5分間ほどウォーミングアップ。カラダがほぐれ、心拍数がそこそこ上がってきたらおもむろにジョグに移行しよう。
目標走行時間は30分。最初はウォーキングを多めに設定してもよし。とにかく30分動き続けることを目指そう。スピードの上限は時速7km程度。
慣れてきたらやみくもにスピードアップするより傾斜をつけて負荷アップするのがコツ。ケガも防げる。
基本の歩き方(ウォーキング)
いついかなるときも最初はウォーキングからスタートする。速度は時速にして3〜5km程度。傾斜を1%つけることがマスト。これで屋外での平地歩行と同等の負荷になる。
基本のジョギング
カラダがほぐれてきたら、徐々にスピードを上げ、時速7km程度のジョギングにスイッチ。手すりを持たずに腕をしっかり振って走ろう。体幹はひねらずまっすぐキープ。
基本のジョギング(後ろから)
トレッドミルの長所のひとつは、正しいフォームが維持でき、ケガのリスクが低いこと。フラットなベルト上では着地時にプロネーションが生じにくく、足首も痛めにくい。
トレッドミルでのNGフォーム
せっかく正しい姿勢がとりやすいトレッドミルで走っているのに、自ら悪姿勢に陥っては元も子もない。とくにモニターのガン見は禁物。猫背や腰が落ちた姿勢につながりやすい。
【応用】30分走に慣れてきたら、バリエーション走に挑戦
痩せるためにランニングに取り組もうという人の中には、はっきり言って走るのキライという人もいるだろう。痩せたいからしぶしぶ走ってますという人も少なからずいるかもしれない。最初のうちはとくに、走ること自体に愛が持てないうえに、しかもトレッドミルでは風景もずっと一緒で変化に乏しい。で、30分も経たないうちに飽きてしまいがち。
そこで、動きに変化をつけるひと工夫を。ただ漫然と走るのではなく、上半身の動きをつけたり、傾斜をキツく設定したり、ときにはバイクマシンを利用したり。いずれもただ走るよりは消費エネルギーが上乗せされるので一石二鳥。慣れてきたらぜひ挑戦を。
① 万歳の繰り返しで上半身を大きく動かす
変化のある屋外を走るには体幹の力がそれなりに必要。それに比べ、トレッドミルでは上半身の動きは最小限。そこで、ときには上半身の動きをプラス。スピードを時速5km程度に落とし、両手を頭上に上げ下ろし。
② 腕を開いて閉じて、肩甲骨を開閉させる
トレッドミルでは足を浮かせさえすればそれなりに走れてしまう。意識的な腕振りをおろそかにすると、たちまち肩甲骨の動きが固まりがち。両手を前から真横に開いて肩甲骨を開閉することで固まった肩甲骨をほぐそう。こちらもスピードは時速5km程度。
③ 上級者向けの気分転換、サイドステップで進む
さらにスピードを落とし時速4.5km程度で、カラダの向きを変えてサイドステップ。走行の方向が正面から真横になり、風景もガラリと変わるので気分転換になりやすい。片方を数分行ったら、逆側でも同様に行うべし。バーをしっかり摑むこと。
④ その場スキップで、地面反力を得る練習
ランニングでは地面を蹴って、その反力を推進力につなげることが大事なポイント。蹴りのタイミングを摑むために、スピードをちょっぴり上げて(時速5.5km程度)その場スキップを取り入れてみよう。いずれ屋外で走るときに役に立つはず。
⑤ スピードアップより速度を落としてウォーキング
30分走が軽々できるようになったら、傾斜を10%に設定して30分ウォーキングに挑戦。スピードは時速3km程度。傾斜がつくことで足で地面を押す動作が加わり、大臀筋、大腿四頭筋、ハム、体幹の筋肉が稼働する。筋トレ要素が加わり、引き締め効果も大。
⑥ バイクマシンで目標心拍数へ。その後即ラン
30分なら30分、まるまる脂肪燃焼のためのランニングに費やしたい。そんな場合は、走る前にバイクマシンを活用。5〜10分、バイクを漕いで最大心拍数の60%程度の目標心拍数まで持っていき、速やかにトレッドミルへ。