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午前中の“やる気”は交感神経へのスイッチで決まる! 毎朝の習慣にすべきことベスト10

朝は交感神経にスイッチを入れる時。スイッチングが上手くいかないと、起き抜けにボーっとしたり、午前中のやる気が上がらないのだ。ではそのスイッチを入れるには、どんなことを習慣にすればいい? ランキング形式で、“ちなみソング”とともにお届けしましょう。

交感神経は日中の活動を支えるための自律神経。積極的に仕事をこなしたり、スポーツを楽しんだりできるのも、この神経によるところが大きい。人間は睡眠状態に入ると体温が低下するのだが、明け方になると徐々に上がっていく。

そして、それに伴って交感神経のスイッチが入り「今日もがんばるぞ」という状態になる。これが、本来のカラダのシステムなのである。ところが、現代ではそのシステムが狂ってしまう傾向にある。

朝、起きたときにボーッとしてしまい、午前中はなかなかやる気が起きないとか、何か疲れが残っているとか。もちろん、睡眠不足もあるのだろうが、交感神経へのスイッチングが上手くいっていない場合もある。

そこで、ここでは交感神経を優位にするために、レトロ歌謡の調べに乗りながら、朝できることを軽快にご紹介しよう。簡単にできることばかりだから、実践してみてほしい。これまでとは違う、快適でさわやかな朝を迎えられるはずだ。

10位 大きな声で「おはよう」、で一日が始まる

「おはようございまーす」。校門のところで立っている先生に向かって、大きな声で挨拶する生徒たち。どこででも見ることができる風景だし、自分が子供のときはその風景の一部であったことだろう。

ところが、大人になったら、ボソッと小さな声で「おはよっ」って感じになっていない? 実は、この挨拶だと、前向きになって一日を過ごそうという気には、なかなかなれないのである。

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まず、大きな声を出すことが刺激となって、交感神経の働きを促すことができる。そしてもうひとつ。日本人にとって「おはよう」は、これから物事が始まっていく、という合図でもあるのだ。

まったく意識はしていなくても、大きな声で、この挨拶をすれば、ここからがスタートなのだという気持ちになれる。脳にきっちりと刻み込まれているのだ。

芸能界の人たちは、夜の現場でも「おはよう」って言うらしいけど、これも今から始まるという気持ちの表れかもしれない。何で英語か知らないけど、とにかく僕の朝、そしてきみの朝は、大きな声で挨拶しよう。

9位 毎日の歯磨きは、しっかり口角を上げて

人間のカラダというのは、非常に精緻にできているということは、多くの人が知っている。だって、タンパク質ひとつで、髪の毛やら、筋肉やら、爪やらといったパーツを作り上げてしまうぐらいなのだ。

しかし、脳に関して言えば、ごくたまに勘違いをしてしまうようなのである。

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その代表的なひとつが、表情筋にあると考えられている。表情筋とは、顔面を覆う筋肉を総称した名だが、これが脳を迷わせる。

というのも、この筋肉がどう動くかで、脳の感じ取り方が変わってくるのだ。口角が下がっていれば、あまりいい状態ではないなと感じるし、口角が上がっていれば、楽しいんだと思ってしまう。だから、作り笑顔だって脳にはいい刺激になるのである。

で、歯磨きをするとき。口角をしっかり上げてハブラシを使おう。すると、脳はだまされて、高揚した気分になることができる。毎日の習慣にすれば、それだけでも朝の気分は変わる。歯ブラシ一本で、もう恋なんてしなくても……?

8位 アロマオイルを使って、やる気を増幅させる

嗅覚は人間の五感のなかでも、もっとも古くから存在する感覚。それだけに、匂いに対してココロとカラダは凄い速度で反応する。

ということで、朝にやる気を出すために、アロマオイルを使ってみるのもひとつの手だ。ハーブをはじめとする植物の香りを使った、いわゆるアロマセラピーは、自律神経の乱れを整えることが期待でき、今や生活に広く取り入れられるようになっているのだ。

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具体的には、まず植物の香り成分を抽出したエッセンシャルオイルを用意する。それを市販のポットなどを使って温め、部屋に香りを拡散させればよい。すると、鼻だけでなく、口や皮膚からも、香りを吸収できる。

やる気を誘う香りは、レモングラス、ローズマリーあたりがいいだろう。これらには、血行を促したり、発汗作用があり、これが交感神経を刺激してくれる。といっても、自分の好きな香りをチョイスしても、もちろんかまわない。

専門店に行けば、いろいろ試すことができるはず。檸檬の香りで、日溜まりの感触。

7位 アップテンポの曲を選んで部屋に流そう

誰でも、アップテンポの曲を聴いて、気分が上がったことはあるだろう。スポーツの現場でも、ウォーミングアップの時間にこういう曲を流して、選手のやる気を引き出すということはよくあることなのだ。

これを朝のちょっとした時間に利用してやろう。自分の好きな曲を集めておいて、朝にかけてやるのである。聴覚からの刺激によって、交感神経を優位な状態にすることができる。

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もうひとつ。これは、交感神経とは少し外れるが、リズムというのは脳の中の小脳を刺激することがわかっている。小脳は人間の知覚と運動機能を統括する場所であり、つまり、人間の巧緻性や動きの良さを作り出してくれるのだ。

だから、テンポのよい音楽を聴いて動いていくうちに、動きがこれまで以上にスマートになったり、手先が器用になれる可能性もある。日常生活をより快適に送れるという期待も持てる。

自分の好きな、前向きな気持ちになれる曲をかけて、朝を過ごそう。ピンク・タイフーンのようにやっちゃいな。

6位 朝は新聞を読んで、大脳をしっかり刺激

我が日本の精鋭ビジネスマンにとっては、もはや当たり前のことであろう。何がって、朝の新聞である。視覚から入ってくる情報を、受け取るのが大脳。

大脳は、大脳皮質、大脳基底核、大脳辺縁系などの総称。その役割は、人間を作り出すこと、といっても過言ではない。ヒトが物事を考えたり、いろんなことを感じたり、言葉を話したり、記憶したりできるのは、この大脳のおかげだ。

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新聞を読むことで、外からの情報によって大脳が刺激を受けて、日中にしっかりと働ける状態になる。また、それに連動するように、交感神経の働きも良くなっていく。

最初から最後まで、じっくりと読むに越したことはないが、時間のない朝のことだから、せめて見出しだけでも読んでみてほしい。それだけでも頭はシャキッとしてくれるはずだ。

そして、毎日読み続けていけば、すんなりと日常の当たり前の行為にすることができるはず。社会の出来事をおさらいするのは朝。傘がなくても、都会では新聞は読むのだ。

5位 今日のスケジュールを、もう一度確認しよう

朝、起きたあとに、少しの時間でいいから、今日の自分のスケジュールを再確認しておこう。これも、新聞を読むのと同じように、大脳に刺激を与えることができる。のだが、ふたつの行為は微妙に違っているのである。

まず、新聞を読むことは、主に外部からの情報を脳で処理していく作業だ。かたや、スケジュールの再確認は、自分の中で物事を構築していかなくてはならないのだ。

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何時から会議が始まり、何時に終了するか。今日のデスクワークはどれぐらいかかりそうか。会わなくてはならない客は何人いるか。それをもう一回考えて、どのような流れで一日を過ごすのがベストかをシミュレートしてみるのだ。

そうすれば、無駄な時間があることがわかるかもしれないし、もっと効率よい時間の使い方があることを発見できるかもしれない。

そして、その間に大脳は活性化していくのである。こうして一日を過ごすためのベースができあがる。朝一番に、今日一日の素敵な時間旅行はいかが?

4位 積極的にカラダを動かし、心拍数を上げる

カラダを動かして心拍数と体温を上げ、血流を盛んにさせる。コレ、交感神経を活発にさせるには最適。と言うとジョギングやウォーキングを想像する人も多いだろう(イラストもジョグだし)。

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もちろん、それができるならやっていただきたい。でも、運動ってそれだけじゃないでしょ。ここでひとつの提案をしよう。

それが家事である。たとえば、夕食を摂ったあとに、皿は洗わずにシンクに置いておく。そして翌朝、洗うようにするのだ。こうすれば、皿洗いという運動ができる。洗濯物を朝干すようにするのもよい方法。また、ベッドメイクや布団の上げ下げなどは、なかなかの運動量である。

ただし、これらを行うときには、ちょっと注意してもらいたいことがある。それは、常にキビキビと動くようにすることだ。だらだらやっていては、心拍数がなかなか上がってくれないのである。

朝の家事こそが、覚醒に繫がると思っていただきたい。心臓がドキッ、ドキッとすれば、その日の気分は晴れやかになっていく。

3位 朝には絶対熱いシャワー、気分を変える

朝は熱いシャワーがいい。温度は42度ほどで5分ほど浴びればOKだ。皮膚への刺激によって交感神経が活性化するし、末梢の血管が開いて、血流が促進される。シャワーのいいところは即効性。

たとえば、朝のコーヒーで眠気を覚ますという人は多いだろう。しかし、カフェインがカラダに作用するのには、30分はかかる。ところがシャワーは浴びたときに、すでにカラダが反応を見せ始める。そして、浴び終わった瞬間にはリフレッシュ効果を得られるのだ。

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実は冷たいシャワーでも、同様の効果がある。なぜなら、熱い、あるいは冷たいことに対してカラダの防御システムが働いた結果、起きる現象だからだ。とはいえ、冷たいシャワーはオススメできない。体温との温度差が大きいからだ。

体温を36度として、熱いシャワーの42度は6度差である。ところが25度の冷たいシャワーだと11度の差。これが、心臓に負担をかけることがある。だから、これからの夏のシャワー、熱めでお願いよ!

2位 タンパク質を摂ることが朝食のコツなのだ

まずは朝のリズムを作り、それを習慣にしよう。起きたら1杯の水を飲む。これは、腸の運動を促すためだ。そして、トイレに行って便座に座る。便意があってもなくても、一度は座る。そして食事という手順だ。毎日の習慣にすれば、カラダもそれに反応するようになり、一定のリズムができあがっていくのだ。

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そして朝食だが、トーストとコーヒーだけという人もいるかもしれない。だが、タンパク質は絶対に摂取してもらいたい。食事を摂ると代謝が一時的に上がり、それに合わせて体温も上昇する。これが食事誘発性熱産生だが、体温が上昇することで、交感神経に刺激が入るのである。

糖質は摂取エネルギーの約6%、脂質は約4%が熱に変わる。ところが、タンパク質は、なんと30%が熱に変換されるのだ。つまり、体温上昇で交感神経へ刺激を与えたいなら、朝食のタンパク質は必須。

トーストにヨーグルトでもいいが、1品は加えてほしい。朝食はしっかり食べる、でも日本人だからブーツは脱ごう。

1位 朝の光が最重要、しっかりと浴びよう

いよいよベストワンだ。交感神経を刺激する最強アイテム、それは朝日である。朝日を浴びると、体内にセロトニンという物質が分泌される。そして、この物質こそ、交感神経のスイッチングに欠かせないものなのだ。だから、たっぷり分泌されるように十分に太陽の光を浴びたい。

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いい方法がある。これまで枕元に置いていた目覚まし時計を、窓際へと移動させるのである。そうすれば、目覚ましが鳴ったときに、窓のそばに行かなくてはならなくなる。

そのときに、カーテンを開けて、部屋に光を取り込むのである。それで、まだ眠かったら二度寝もいいことにしよう。セロトニンは太陽の光があれば、寝ていても分泌されるのだ。

ただ、起床時間は常に同じ時間のほうがいいのは確か。人間には体内時計があり、不規則な生活を続けると狂いが生じる。すると、太陽の動きに連動する生体リズムも乱れてしまう。

同じ時間に起きることで、体内時計をリセットできるのである。朝陽の中で微笑んで、今日も楽しい一日を!

取材・文/鈴木一朗 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/高松由佳(スチーム) イラストレーション/川崎タカオ 監修/福永伴子(ともクリニック浜松町院長)

(初出『Tarzan』No.698・2016年6月23日発売)

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