切手×スポーツの奥深い世界。

数cmの世界で時代が反映される切手の世界。切手の博物館では初の“スポーツを”テーマにした展示を開催中。

取材・文/神津文人 撮影/園山友基

初出『Tarzan』No.890・2024年10月24日発売

切手とスポーツの奥深い世界

切手に刻まれるスポーツの歴史。

スポーツ好きなら時間を忘れて見入ってしまう。そんな切手の展示会が開催中だ。

「今回の展示は約800点。競技の数は300種類以上になります。夏季・冬季のオリンピック種目はもちろん、相撲やプロレス、ダーツやビリヤードなどの切手も取り上げています」と、切手の博物館・主任学芸員の田辺龍太さん。

博物館では3か月ごとにテーマを変えて展示を行っているが、スポーツをテーマにしたのは初めてとのこと。

「時代が反映されるのも切手の面白いところの一つ。スポーツに関して言えば、スケートボードやスノーボード、スカイダイビングやラフティングなどのエクストリームスポーツと呼ばれるもの、eスポーツ、パラスポーツを題材にしたものが増えています」

切手からスポーツの歴史を感じることもできる。

スポーツ切手 

たとえば、1964年と2021年の東京五輪の切手。前者には旧国立競技場が、後者には新国立競技場がデザインされている。今では当たり前のように観ているが、柔道の試合で白と青の柔道着が使用されるようになったのは1997年から。それ以前に発行された切手には、両者が白の道着で闘う様子が描かれている。

オリンピックやサッカーワールドカップの様子を描いた切手が多いのは、外貨獲得のチャンスでもあるからだという。うーん面白い!

スポーツ切手 

1992年のバルセロナ五輪のときはユーゴスラビアが解体前だった、といったことがわかるのも切手の面白いところ(ヨシザワセレクト)。1982年W杯、開催国のスペインが発行した切手上の対戦相手に選んだのは、ユニフォームのデザイン的にフランスかな、などと想像しながら展示を観ていくのも楽しい。

 

スポーツ切手 

左・編集担当のお気に入り。右・ライターのお気に入り。

切手の博物館「よりどりスポーツ」展

メジャースポーツから、エクストリームスポーツ、eスポーツまで、古今東西のスポーツに関係する切手が展示されている。12月28日まで開催。東京都豊島区目白1-4-23。◯10:30〜17:00、月曜休。入館料:大人200円、小・中学生100円。WEBサイト

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