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〈アディダス TERREX(テレックス)〉は“アディダス”の アウトドアスポーツに特化したレーベルだ。世界トップレベルのアスリートをサポートしており、その機能は初心者から上級者まで、山での競技やアクティビティをより楽しませてくれる。トレイルランニングに興味津々だというタレント・井上咲楽さんにそのアイテムを体験してもらった。
目次
アスレティックブランドとしてのイメージが強い〈アディダス〉だが、実は近年アウトドア界でも注目を集めているのをご存知だろうか。
〈アディダス テレックス〉はアウトドアスポーツに特化したレーベルで、2022年に世界的なトレランレースUTMBで3位に入賞したトム・エヴァンスや、ソチ冬季五輪のアルペンスキー女子回転で金メダルを獲得したミカエラ・シフリンなどもサポートしている。
〈アディダス テレックス〉の特徴は〈アディダス〉がこれまで蓄積してきた独自の技術に、過酷なアウトドアシーンでアスリートのパフォーマンスを最大限に引き出す技術を持つパートナー企業のテクノロジーをどちらも搭載している点。
2013年のデビューから進化を続ける「BOOSTフォーム」もトレッキングシューズやトレイルランニングシューズに採用していることから、ランナーたちが山あそびを始める際の最初の一足として選ばれることも多い。
今回はそんな〈アディダス テレックス〉のプロダクトを、最近トレイルランニングデビューをしたというタレント・井上咲楽さんに体感してもらった。
「実家があるのは、イノシシが出るような山の中なんです」と話すのは、栃木県・益子町出身のタレント井上咲楽さん。
山を切り開いたような場所にある家から学校までの登下校は、ちょっとしたハイキング。子供のころからシャトルランが好きで、中学時代には持久走や駅伝にも参加していたという生粋の運動好きだ。
「今は週3〜4回でランニングをしています。今年は参加する大会も多かったので、ペース走、LSD(距離走)、ポイント練など、さまざまな練習を取り入れています。先々週は30km、先週は20km、一昨日も15kmをキロ4分40秒で走りました」
走り込みの甲斐あって、5月に放送された『ナスD大冒険TV』(テレビ朝日系列)の企画では、プロトレイルランナー・宮﨑喜美乃選手指導のもと箱根外輪山のトレイルラン50kmに挑戦して見事走破。
さらに収録の翌週に出場した東京マラソンでは、3時間34分40秒の自己ベスト(当時)で完走。山での走り込みがロードの結果に現れたこと、そしてなにより山そのものに魅了された井上さんは、来年から本格的にトレイルランニングに挑戦したいと考えている。
「はじめてのトレランは、とにかくずっと楽しかったです。景色の“顔が変わる”というか、同じ表情の景色はないので飽きずに走り続けられました。路面もロードとは全然違って、未舗装路の土の道ってこんなに柔らかいんだ、と。
もちろん柔らかい道だけでなく、滑りやすい石畳や木の根っこなどの凹凸もあるけど、緊張感とスリル感を楽しめる。究極のアスレチックという感じがします。
私は普段ロードを走る時、走ることとまったく関係ないことを考えていることが多くて。でもトレランだと、どこで足を着こうとか、枝を避けなきゃとか、コースをどう取ろうかとか、考えなきゃいけないことがたくさんある。イマココに集中することで無心になれて、なんだか脳がリフレッシュするんです」
「ロケでは山を走ったり、無人島で生活したりしているのに、なかなかプライベートでは山に出かけられていなくて」と残念がる井上さんを、秋晴れのとある日、思い切って山に連れ出してみた。
山での服装はレイヤリング、つまり重ね着が基本。
『ベースレイヤー』『ミドルレイヤー』『アウターレイヤー』の3層を重ね、気温に合わせて脱ぎ着することで体温調整を図る。井上さんもはじめてトレイルランニングに挑戦した際に、時間帯によって温度変化の激しい山の中で、細かく重ね着するレイヤリングの重要性を体感したという。
この日〈アディダス テレックス〉のウエアで揃えたレイヤリングは、優れた保湿性を発揮するメリノウールと通気性の高い再生繊維(リヨセル)を採用した《XPERIOR メリノ 150ベースレイヤー 長袖Tシャツ》がベース。
そこにドライで快適な着心地をキープしてくれる《テレックス マルチ ハーフジップ 長袖Tシャツ》、90%以上のリサイクルポリエステルを使用したシリーズ最軽量のミッドレイヤー《テレックス XPERIOR ライトフリース フード付きジャケット》を重ねる。
「このベースレイヤーは肌触りがよくてチクチクせず、優しいですね。伸縮性もあって、重ね着しているけど、動作が重くならずにスムーズに動ける」
今回訪れた湖付近の山では、天気の良い日でも木枯らしが吹くと体感温度が急降下する。そこでアウターは防水の《テレックス XPLORIC RAIN. RDY ハイキングジャケット》を着用。
雨や風の侵入を防ぎ、衣服内を常にドライな状態に保つことができるため天候を気にせずアウトドアを楽しめる。
「腕を挙げる動作がしやすくて、肩まわりの動きを邪魔しないのでストレスフリーですね。胸ポケットと両サイドにポケットもあって、スマホやカメラ、おやつなど、ちょっとしたものを入れておけるのも嬉しい」(井上さん)
左から《XPERIOR メリノ 150ベースレイヤー 長袖Tシャツ》、《テレックス マルチ ハーフジップ 長袖Tシャツ》、《テレックス XPERIOR ライトフリース フード付きジャケット》、《テレックス XPLORIC RAIN. RDY ハイキングジャケット》。
大きめの岩をよじ登る時や歩幅を広げたときに体感するのが、4方向に伸縮する《テレックス XPERIOR イヤーラウンド ソフトシェルパンツ》のストレッチ性だ。
「ストレッチが効いていて、股関節や膝周りの動作がとにかくスムーズ。2層構造になっている内側は肌触りがよくて、汗を吸ってくれそう。それでいて透湿機能も備わっているから、しっかり汗を蒸発して冷えを防げるのがいいですね。
あとは取り外しができるゲイターがついているので、雨や路面のコンディションが悪い日など、必要に応じて取り付けることができるのも嬉しいポイント」
登山シューズは、足元の凹凸や岩などから足を守るという最大のミッションを課せられていることから、ソールは固く、がっしりと足首まで包み込むタイプが多い。
岩場の多い標高の高い山でそういった靴は安定感があり、力を入れずに歩くことができるというメリットがある。
しかし、カジュアルに楽しむハイキングとなると話は別だ。安定感はありつつも、ある程度軽い履き心地であるほうが軽快に足が進む。《テレックス フリーハイカー 2.0 ロー GORE-TEX ハイキング》は、まさにその「安定感」と「軽さ」を両立させたハイキングシューズとなっている。
最大の特徴ともいえるのが、ドイツのタイヤメーカー『コンチネンタル社』が開発した、グリップ性の高い「Continental™ラバーアウトソール」の採用。
使用していない同社モデルと比べて、濡れた路面で約39%、乾いた路面で約32%向上させたグリップ力は濡れた路面でその実力を発揮する。
「少しヒールの部分が高めで、足を守ってくれている感じがするのはトレッキングシューズならでは。クッション性もあるので、不安定なトレイルを長時間歩いても疲れにくかったです。
ソールの屈曲性がいいのか、足を着地したときに、動作に合わせてソールがついてくるような一体感がありますね。あとはGORE-TEXなので、水たまりにバシャンと足が入ってしまっても安心。不快感なく過ごせました」
穏やかに晴れ渡ったこの日は絶好のアウトドア日和り。
井上さんも走りたくてうずうずしている様子だったので、着替えてトレイルランニングをすることに。履き替えたシューズは、ウルトラランナーとのコラボレーションで生まれたトレイルシューズ《テレックス アグラヴィック ウルトラトレイルランニング》。
ウルトラランニングと聞くと少々ハードルが高く聞こえるかも知れないが、軽さと耐久性、安定感のちょうど良いバランスが取れた初心者にも優しいトレイルランニングシューズ。
衝撃を吸収する「クッション性」と、足が地面に着くと同時に蹴り出す力をサポートする「反発力」は本来、相反する特性だが、それらを両立させたのが〈アディダス〉が誇る『BOOSTフォーム』。
このミッドソールを取り入れたことで、険しいルートも効率のいいフットワークで進める仕様になっている。また、アウトソールには《テレックス フリーハイカー 2.0 ロー GORE-TEX ハイキング》同様に「Continental™ラバーアウトソール」が使用され、高いグリップ力を発揮する。
「アッパーが薄くて軽いという印象。薄いけれど素材は丈夫で、ヒール部分の足を守ってくれている安心感は《テレックス フリーハイカー 2.0 ロー GORE-TEX ハイキング》同様にありました。
オレンジのカラーも山に映えてていい。アウトソールはグリップが効き、路面を踏み込んでも、滑らずに体重をしっかりとかけられました」(井上さん)
「地元・益子町で開催されるレースにも出場してみたい!」と、井上さんがトレイルランニングへの意気込みを見せるのは、山の澄んだ空気と、〈アディダス テレックス〉ギアの後押しがあったからだろうか。
各地のレースで颯爽と駆け抜ける井上さんの姿を見るのが、今から楽しみだ。
四方をぐるりと山に囲まれる秩父盆地で、幻想的な“雲海”の発生率がピークを迎える11月半ば。西武秩父駅東側の高台に位置する羊山公園には、〈アディダス テレックス〉がオフィシャルパートナーを努める『FunTrails Round 秩父&奥武蔵100K/30K』に出場するランナー約1500人が全国各地から集結していた。
〈アディダス テッレクス〉のシューズやウエアの使用感を実際のフィールドで試すことができるトライオンが行われたのは、大会前日である11月17日。
午前中はあいにくの雨、午後は路面が濡れているという状況ではあったが、大会主催者でありトレイルランナー奥宮俊祐選手は冒頭の挨拶で「シューズのグリップ力やウエアの防水性が体感できる素晴らしいコンディションですね」と、笑顔。
参加者は(メディアやバイヤーなど)午前の部と午後の部、それぞれ約20名。そしてアディダスアスリートのトレイルランナーである近江竜之介選手と、青木純選手・莉楠選手夫妻がゲストとして登場した。
試走を終えた3選手に、《テレックス フリーハイカー 2.0 GORE-TEX ハイキング》と《テレックス アグラヴィック ウルトラトレイルランニング》それぞれのシューズの使用感について聞いてみた。
近江竜之介選手
どちらのシューズにも使用されているコンチネンタルラバーは、〈テレックス〉最大の武器だと感じています。ラグ(ソールの突起)も高いので、石や岩からの突き上げがあるゴツゴツとした場所でも安定感があり、滑りにくく、頼もしい。
《テレックス フリーハイカー 2.0 GORE-TEX ハイキング》はその安定感を保持しつつ、アッパーはしなやかで軽いのでとても歩きやすかったです。登山靴は脱ぎ履きしにくいというイメージがあったのですが、足入れもしやすく、雨や雪の日などの普段履きとしても活躍しそうですね。
《テレックス アグラヴィック ウルトラトレイルランニング》は前足部とかかと部分に入っていて、蹴り出したときにうまく自分の力が地面に伝わって前に進む感覚がありました。シューレースの穴の部分が細かいので、締め付けを微調整できるのがよかったです。
青木純選手
《テレックス フリーハイカー 2.0 GORE-TEX ハイキング》は、想像していた登山靴よりも軽いと感じました。そして防水性の高さ。この大雨のなか歩いても靴下が濡れていないのはストレスフリー。
くるぶしまでホールドされているので砂利が入るなどの不快感もなく、暖かかったです。デザインもオールブラックでシックなので普段の移動中も履きたいですね。
《テレックス アグラヴィック ウルトラトレイルランニング》は安定感があり、長距離を走るウルトラランナー向き。僕は普段、同じコンチネンタルソールを使用した《テレックス スピード ULT》と《テレックス スピード PRO》を履いているのですが、岩場を走ってもラグが削られにくく耐久性が高いことがわかっているので、このシューズも信頼できそうです。
青木莉楠選手
普段はトレッキングをする機会がほとんどなく、登山靴といえば重くて硬いイメージだったのですが《テレックス フリーハイカー 2.0 GORE-TEX ハイキング》を履いた瞬間、柔らかい!と驚きました。
マラソンなどのロードランニングで、ブーストフォームの入った〈アディダス〉のシューズを履くこともあるのですが、その履き心地に近いものがありました。
《テレックス アグラヴィック ウルトラトレイルランニング》は他の選手も言うように、コンチネンタルソールのおかげで尖った石を踏んでも痛くない安心感があります。それでいて程よい柔らかさとクッション性があるので、足によく馴染み、ロードから移行した私でも違和感なく走ることができました。
迎えた大会当日は、前日の雨が嘘のような好天気に恵まれ、100kmを走るランナーたちが日の出とともにスタートを切った。
「山の天気は変わりやすい」と言われるとおり、晴れていたかと思えば、突然の雨や雪など予想外の出来事に見舞われることもある。長い時間をかけて歩く山行で、高いグリップ力を発揮するコンチネンタルソールや、水の侵入を防ぐGORE-TEXといった機能を備えたシューズを選んでいれば安心感にも繋がるだろう。
選手たちが声を揃える「安定感」と「耐久性」を、〈アディダス テレックス〉のシューズでぜひ体感してほしい。
秩父盆地を起点に、秩父と奥武蔵の山々を1周するトレイルランニングレース。9箇所あるエイドでは、“すいとん”や“饅頭”など、地元の名物が味わえる。アルプス級の高い山はないが、累積標高は6,831mと細かいアップダウンが多いのが特徴。
大会主催者であるトレイルランナー奥宮俊祐選手によれば、UTMBワールドシリーズの中でも過酷と呼ばれるスイスの大会『アイガーウルトラトレイル』よりもキツイという声があったりなかったり!? 100kmと30kmのコースがあるため、レベルに合わせてエントリー可能。
アディダス・ジャパン
取材・文/黒澤祐美 撮影/藤巻翔 ヘアメイク/栗原里美 (Three PEACE)