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近年、盛り上がりを見せるデジタルスポーツ。その分野で注目を集めている「SASSEN/サッセン」は、侍の刀を模したセンサー付きの光る刀(サッセン刀)を使い、1対1で戦う競技。全日本サッセン協会の会長の本村隆馬さんにサッセンの魅力を解説してもらった。
本村隆馬さん
もとむら・りゅうま。全日本サッセン協会会長。風林火山武術道場の師範である本村隆昌(もとむら・りゅうしょう)氏を父に持ち、3歳から武術を習う。
サッセンは、2016年に福岡県北九州市で生まれた競技。センサー付きのサッセン刀を使って戦うという内容で、デジタルスポーツの一種として徐々に人気を高めている。
サッセンは父である風林火山武術道場の師範、本村隆昌さんの長年の構想を基に生まれた競技で、息子・隆馬さんと二人三脚で広めている。
「サッセンの名前の由来は、颯爽と風を切るさまという意味である“颯然”と宮本武蔵の二天一流剣術“指先(さっせん)”という言葉をヒントに考えたものです。動きの基本は、護身術が基になっています。人を傷つけず、怪我をさせない武術を追求した結果生まれたのがこの競技です」(隆馬さん)
競技に使用されるサッセン刀は、度重なる開発を経て生まれたもの。これまでにさまざまな素材を試し、センサーによる当たり判定が可能になった。
「当たった時の音や感触がいいものを探して100本以上試作を作り、ポリエチレン素材に辿り着きました。そして、一番の課題は、当たり判定の正確さでした。人の目には限界があるので、これが難題だったんです。偶然にも理工系の優秀な友人がいたので、機械判定の仕組みを相談しました。それで生まれたのがセンサー付きのサッセン刀なんです」(隆馬さん)
対戦は、1対1で一礼から始まる。1分間で、相手の頭部以外にサッセン刀を当て、2本先取した方が勝ちとなる。舞台は5×7mのスペースで、場外に出た場合は相手にポイント(1本)が入る。
「最大の特徴は、攻撃回数が5打と制限されていることなんです。空振りすると加速度センサーが反応して刀が緑色になり、かつ両サイドの審判がカウントしています。サッセン刀の空振りや相手の刀に当たった場合も一打にカウントされます。この制限がないとやみくもな叩き合いになってしまうんです(笑)」(隆馬さん)
サッセンの試合では、この5打をどのタイミングで使うかが重要になる。
「例えば、相手に攻撃させといて攻撃回数が減った時にカウンターを狙うというような戦術も取れますね。そしてサッセンの魅力は、センサーによる極めて公平な当たり判定です。スマホやタブレットがサッセン刀のセンサーに連動しているので、当たり判定が即座に分かります。0.025秒以内の相打ちは、鍔迫り合いの“キーン”という音がして両者共にポイントが入らない仕組みです」(隆馬さん)
サッセンは、サッセン刀、プレイヤー2人、そしてスマホさえあればどこでもできる。当たり判定はスマホがやってくれるので、公平にジャッジできるのも魅力だ。
「サッセンは、子供たちにも安全に楽しめますし、大人でも集中力や瞬発力が養えます。現在は月1ペースで大会を開いていますが、意外と子供が強かったり、年配者の方が勝ったりするんです。競技者はさまざまで、例えば、剣道、フェンシング、総合格闘技など、幅広いスポーツ経験者たち同士の対決は興味深いですね」(隆馬さん)
サッセンは、競技としての魅力もさることながら、実はサッセン刀のセンサーを活かした別のレクリエーションも楽しむことができる。センサーを使ったスイカ割りやイライラ棒など、センサー技術を活用したレクリエーションが考案されている。
公式サイトでは、大会情報や体験会の予約のほか、サッセン刀の予約販売・レンタル・リースも行っている。また、イベントや出張の体験会も随時募集中。人を傷つけず、怪我をさせないデジタルを活かした剣術。楽しくカラダを動かしたいときの選択肢として覚えておきたい。
取材・文/菅野茂雄 写真/伊藤大作