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芥川賞候補作の「筋トレ小説」作者が語る、ボディビル愛

第166回芥川賞候補作 『我が友、スミス』 石田夏穂

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トレーニーがコンテストに“合わせに行く”様子を描いてみたかった

第166回芥川賞候補作に異彩を放つ“筋トレ小説”があったのをご存じだろうか。タイトルは『我が友、スミス』。そう、“スミス”とはスミスマシンのこと。本作の主人公はボディビルに初挑戦する女性。

『我が友、スミス』石田夏穂著(集英社)

第166回芥川賞候補作 『我が友、スミス』 石田夏穂

「別の生き物になりたい」と筋トレに励む会社員のU野は、Gジムで自己流で鍛えるトレーニー。ある日ボディビル大会出場を勧められて意を決するが、あらゆる壁に直面することに。1,540円、集英社。

私にとりスミスは一匹狼のトレーニーのために存在するマシンということだ

人間は、とりもなおさず優れた見てくれを愛するものだ。(中略)ふと、ボディ・ビルダーは太古の昔から、そのことを知っていたのだろうと思う

作中にはトレーニーの心を揺さぶる言葉があふれる。生みの親である石田夏穂さんに執筆に至った経緯や本作への想いをインタビューした。

第166回芥川賞候補作 『我が友、スミス』 石田夏穂

石田夏穂さん(いしだ・かほ)/1991年生まれ、埼玉県出身。東京工業大学工学部卒業。20歳の頃に髙村薫さんの著書に感銘を受けてから、小説を断続的に書き続ける。昨年『我が友、スミス』が第45回すばる文学賞佳作となった。

今まで『ターザン』に出た方の中で一番筋量が少ないかも…」と謙遜する石田さんだが、背すじが伸び姿勢がよく、タックインしたスタイルをさらりと着こなす姿からトレーニーであることは一目瞭然!

ジム通いを始めたのは2年前です。特別な目的はなく単に運動不足が気になったので。でも昔から走るのは苦手で、以前ホットヨガに通った時はなかなかコツをつかめず。自宅トレも検討しましたが、家で運動する気になれず、ジムに入会することに。『ターザン』もよく読みます。記事を読み込んでは“早く筋トレ始めろよ!”と自分に喝を入れることも

『我が友、スミス』はボディビルが舞台だが、もしや競技の経験が?

実はありません(笑)。ジム通いに慣れた頃に“出てみようかな”と一瞬考えましたが、鍛えるだけでなく減量やポージングの練習なども必要ですし、自分は途中で投げ出しそうだなあと。

でも筋トレをテーマに書くと面白そうだと思い始めたのが2020年の冬頃。競技観戦をした時に、ハイヒール着用など身なりの規定があるカテゴリーの大会に、トレーニーがどうやって“合わせに行く”のか書いてみたいと感じたことがきっかけです

筋トレは奥が深い。スクワットだけでも種類が豊富で、目的も違う

本作は、主人公のU野がトレーニーから競技者へと変わる、意識の根本的な変化が鋭い観察眼で描かれる。

特に書きたいと思っていたのはU野が慣れないハイヒールで歩く練習を重ねる場面。U野はある時から通勤中にハイヒールを履きますが、会社に着くと“キャラじゃないから”とスニーカーに履き替える。

このような、男性競技者は経験しないであろう調整もありそうな気が。私もU野のようにカラダを鍛えることにストイックになれたらいいのですが、そこも競技者の資質でしょうね

石田さんが書いて一番楽しかったのは、U野が多様な種目に励む場面。

スクワットと言ってもブルガリアンスクワットやワイドスクワットなど種類豊富で、行う目的も違う。本当に筋トレは奥が深いと感じます。ジムにいる時に隣でパーソナル指導を受けている人がいると、ついトレーナーの解説に耳を傾けてしまう。“サイドレイズはここを意識しないといけないのか”と興味深いです

会社員と作家の二足の草鞋を履き、週5回はジムに行くという石田さん。もしや、第2作のテーマも筋トレ?

筋トレ作家…もかっこいいですが(笑)、テーマを限定せず書きたいと思ってます! 第2弾の筋トレ小説はまた閃いた時に!

取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央

初出『Tarzan』No.828・2022年2月24日発売

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