20個あるので毎日1個くらいはできる「歩数の稼ぎ方」
アイデアを駆使して、歩数を稼げ! 身の回りのちょっとしたアイデアで歩数は獲得可能。『ターザン』パーティがその足で歩数稼ぎの旅に出る! ※ 記事の歩数およびカロリーの測定はスマートフォンアプリ『Walkmetrix』を用いて行いました。
取材・文/門上奈央 イラストレーション/naotte
初出『Tarzan』No.828・2022年2月24日発売
目次
- コツコツ歩くのが健康の鍵
- 1 エレベーターはないものとする
- 2 道路横断は(あれば)歩道橋一択
- 3 通勤は一本の路線しか使わない
- 4 階段で颯爽と地下鉄駅へ
- 5 席を探すフリで、10両編成行脚
- 6 出前アプリで配達させない
- 7 たまには手のかかった料理をしてみる
- 8 在宅勤務中、30分に一回部屋をうろつく
- 9 学生時代以来に雑巾を手に取る
- 10 ドリンクバーのフル活用
- 11 野良猫を見つけるまで帰れま10⁈
- 12 ランニングコースをせっせと歩く
- 13 川沿いを果てまで進む
- 14 街中でゴミ箱を求め彷徨う
- 15 ラジオひと番組分、そぞろ歩き
- 16 美術館でアートのなかを放浪する
- 17 スーパーではなく専門店で食料品を揃える
- 18 勝手に新商品パトロール@コンビニ
- 19 大型書店で店員にも検索機にも頼らず、自力で本を探す
- 20 番地だけを頼りに目的地まで
コツコツ歩くのが健康の鍵
アメリカスポーツ医学協会による計算式に基づけば、体重60kgの人が分速70m、歩幅0.7mで10分間歩いた場合、消費カロリーは約30kcal。
今より1日1時間歩く時間を増やせば1週間の総消費カロリーは約1260kcal増え、肥満や生活習慣病のリスクが低下。“ローマは一日にして成らず”、これは歩きにも言える。
ホスウクエスト挑戦者
アイデアを駆使して、歩数を稼ぐ「ホスウクエスト」。挑戦者は勇者マスダと魔法使いカドカミの『ターザン』パーティ。果たして彼らはどのくらい歩数を稼ぐことができるのか⁉︎
1 エレベーターはないものとする
エレベーターで移動する分を歩きに置き換えたらどれだけの歩数になるか?『ターザン』編集部はビル5階にあるから期待大。とある日カドカミは11時〜19時、エレベーターを使わず階段だけを利用した。昼と夜に別の棟にある社員食堂まで行ったほか、出勤と退勤、会社近くのコンビニへ2度、合計5往復。
すると同条件で階段を一度も使わなかった日の総歩数が1527歩だったのに対し、この日は総歩数が2735歩。階段にして、1208歩余分に獲得! なかなか地道だったけど、やっぱり使えるな。
2 道路横断は(あれば)歩道橋一択
運動が億劫な時、天高くそびえ立つ歩道橋を目にすると「げげっ」と思うのが人の性。しかし歩きたい人には“儲けもん”である。カドカミの住む街には環八通り(4車線)があり、駅に行くためには手前の歩道橋を渡るか、その少し先にある横断歩道を渡るかで運命が分かれる。どれだけ差が出るか?
結果、横断歩道は20歩で渡れたが、歩道橋を使うと総歩数は119歩に。階段昇降だけで99歩ゲット。歩道橋しか勝たん!
3 通勤は一本の路線しか使わない
目的の駅までのルートで乗り換えがあると、たまに歩いた方が手っ取り早いような気分になる。(『ターザン』編集部がある)マガジンハウスの最寄り駅は都営浅草線/東京メトロ日比谷線東銀座駅。会社までの距離は140m程度。
だがある日、有楽町線沿線で取材を終えたマスダは、東銀座駅に着く路線への乗り換えをパスして有楽町線銀座一丁目駅で降り、歩いて帰社。その距離は約550m。総歩数は765歩。東銀座から歩いた時は213歩で歩数はその3.5倍!
4 階段で颯爽と地下鉄駅へ
地下鉄に乗る時、地上から駅まで下りると途方もない深さに驚くことがある。これはいいターゲットだ。そこで、地上から42.3m、国内の地下鉄駅で最も深いと噂の都営大江戸線六本木駅の1番線ホームに狙いを定めた。1番線から改札まではエスカレーターなら3回乗り継ぐ必要が。
では、階段で行く場合、地上からは果たして何歩に? エスカレーターを横目に挑むと地上から改札までで109歩、改札から1番線までは278歩だった。計387歩、潜った潜った。
5 席を探すフリで、10両編成行脚
電車に乗る時、ホームに降りたらそこから最も近い車両で席を探す人が多数派だろう。だが、歩数に飢えたマスダは席を探すフリをしながら車両の端から端まで練り歩き、電車の移動中も歩数稼ぎに費やす。
この日は乗客が少ない日中に、10両はある東京メトロ銀座線全車両の端から端まで歩いた。席に座る乗客の好奇に満ちた視線を浴びながらも、10両を一方向に歩き切ったら総歩数は102歩。忙しくて歩く時間を確保できない人には、電車の移動中の、こんなアラ技もアリかもね!?
6 出前アプリで配達させない
食べたいものをポチれば家まで届けてくれる出前アプリはインドア人間の味方。徒歩圏内の店のメニューもつい注文しちゃう今日この頃。だが、配達員に甘えていては歩数が一向に増えない!
そこでマスダはピザを“お持ち帰り”で注文。重い腰を上げて、家から約500m先にある店舗まで歩いて取りに行く。その結果、往復で1220歩獲得。1km歩くのは想像以上にたやすく、時間は10分程度だが1000歩以上歩けたことに驚き。「運動した」という達成感で、ピザも罪悪感なく楽しめましたとさ。
7 たまには手のかかった料理をしてみる
健康の基本は一汁三菜。でも自分のためだけに毎食そこまで頑張れない。ズボラなカドカミは一人の時は一品料理、それにサラダか納豆を添えるだけ。ただ一汁三菜を用意する過程では冷蔵庫から食材を取り出し、鍋を次々に洗い、調味料をあれこれと使うなかで台所を動き回る。結構な歩数になるんでは!?
そんな企みから米を炊き、味噌汁を作り、主菜と副菜2品を用意した。作り終えた時点で173歩。一方、丼ものだけ作った時は20歩。一汁三菜、やっぱり大切。
8 在宅勤務中、30分に一回部屋をうろつく
長時間の座業は姿勢の乱れに直結する。その対策として30分に1回立ち上がるよう推奨する識者は多い。書き仕事が多く、一度集中すると何時間もその場から動かないこともよくあるカドカミには耳が痛い話。歩数も0歩。これはさすがにあかん。
というわけで在宅勤務のある日、30分に1回は立ち上がり部屋を歩き回ることに。時間はせいぜい1回3分くらいながら、10〜17時の間はそのルールを忠実に守ると総歩数392歩と、雀の涙。でも座りっぱなしよりマシ。
9 学生時代以来に雑巾を手に取る
在宅中心になり部屋掃除が趣味となったカドカミ。だが今住むワンルーム(約31㎡)の部屋は、掃除機をかけると一瞬で終わるし、歩数もたった53歩。その時急にひらめいた。こんな狭い部屋も雑巾がけならもっと歩数を稼げるかも?
で、嬉々として雑巾がけを決行。こんな全力拭き掃除、学生時代以来。観葉植物を定位置からどけて拭き、ソファ下の隙間も拭き…と床一面を拭き、125歩獲得。消費カロリーも掃除機なら8kcalのところ、雑巾がけは17kcal。床もぴかぴか。身も心も爽快っ。
10 ドリンクバーのフル活用
パソコン作業を行うためにファミレスに行ったら頼みがちなドリンクバー。お茶する目的じゃなかったのに、いつしかいろんなものを飲みたくなり、席とドリンクゾーンを何往復も。今回カドカミが案内されたのはドリンクゾーンから6席分離れた席。
結局、1時間半の滞在時間中にドリンクゾーンとの間をいやしくも5往復、歩数211歩。飲み過ぎ。しかもお茶やコーヒーなど0kcalのものだけ堪能した。いやしいわぁ。
11 野良猫を見つけるまで帰れま10⁈
たくさん歩きたい時、目標があるとモチベーションが上がる。ふいにマスダの脳裏によぎったのは野良猫。どこにいるか予測もつかない猫を歩いて探す…ゲーム感覚で楽しめそう!
舞台に選んだのは“猫の街”、東京・谷中。「すぐ見つかっちゃうかもな〜」とのんきに歩き始めたものの、猫がいる気配が皆無。街を周練り歩くも1匹も見つからず、諦め半分で谷中銀座商店街にとぼとぼ歩いて戻ると、入り口付近で野良猫に遭遇。かかった時間は1時間。期待以上の歩数にゼエゼエ。猫に感謝。
12 ランニングコースをせっせと歩く
ランニングコースは信号がなく、一定の距離をマイペースに進めるという点で歩きにも絶好。よって聖地・皇居外周をあえて歩くことに。出発地点は皇居南東側にある日比谷駅。
走るのに比べたら1周5km歩くくらい平気、とナメてたカドカミ。途中、長い上り坂もあるからか北西側の千鳥ヶ淵に着く頃には滝汗。途中で上着も脱ぎ(この日は1月、気温も1桁!)、ロンT一枚でゴール。納得の総歩数6735歩。脂肪、燃えたかも。
13 川沿いを果てまで進む
川から海までひたすら歩けば何歩になるか。チャレンジの地にマスダが選んだのは、東京湾まで延びる全長23.5kmの隅田川。浅草の南にある蔵前から東京湾が見えるまで南下するコース。
その道は平坦でランナーや自転車乗りも多いが、マスダは一人、粛々と歩を進める。歩きながら東京スカイツリーや東京タワー、〈隅田川テラス〉の浮世絵のレプリカを眺め、気づけば東京湾に面した勝どきに到着。8000歩なんて朝メシ前。
14 街中でゴミ箱を求め彷徨う
ここ数年で街のゴミ箱が激減した(カドカミ調べ)。街歩きのお供に買ったコーヒーを飲み終えたあとの空き容器の捨て場がなく、家まで持ち帰ることもしばしば。よって新宿でゴミ箱を捜索。
都庁のある西新宿の路地や公園を探す。ない。次に歌舞伎町や商業施設が軒を連ねる東新宿へ行く。ない。自販機横のガラ入れ以外、ない。結局、新宿駅から約2km先の四谷の公園で発見。でも家庭用ゴミの廃棄は禁止。そら、そうか。この日もゴミは家まで持ち帰り。
15 ラジオひと番組分、そぞろ歩き
ランニング中のBGMは音楽に限るが、ウォーキング中はラジオがテンポ的にハマる。これ、マスダの持論。通勤中も社員食堂での食事中も、隙あらば聞くというラジオ好き。
そこで1時間の番組の尺は歩数にすれば何歩に相当するか気になり、平日の仕事終わりに検証。会社をスタート地点に家のある方角へ向かって歩き始める。この日のお供はTBSラジオ『空気階段の踊り場』。番組が終わり歩数を見ると4427歩。結構な歩数になったけど、面白くてあっという間。
16 美術館でアートのなかを放浪する
空間全体にアートが飾られる美術館。鑑賞しつつ歩くので歩行速度は遅いが、作品を多角的に見ようと周りをうろちょろしたり、気に入った作品を見返そうとあちこち行き来するから、意外と歩けるのでは!
そこでカドカミは渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで行われた北欧のデザイン展へ。見る角度により光のきらめきが変わるガラス作品や木の曲線美がたまらんアアルトの家具など名作で溢れ、約45分間、館内を何度も往復。結果、入り口から出口までの総歩数は356歩。結構歩けたな。
17 スーパーではなく専門店で食料品を揃える
食材はスーパーに行けば一通り買える。でもたまにはその街ならではの魅力に触れられる個人営業の専門店に足を運ぼう。店主こだわりの食材を揃えると食卓が豊かになりそうだし、歩数増も期待できる!
そこで家の近くにある豆腐店と青果店と鮮魚店をはしご。ラッキーなことに今回巡る3軒は、散らばっていて、距離にすれば片道2kmくらい。いろいろ買い込んで家に戻ると総歩数は3331歩。141kcalも消費できて案外いい運動になったし、住む街のことをより深く知るきっかけにも。満足。
18 勝手に新商品パトロール@コンビニ
新商品や季節のキャンペーンが常に見られるコンビニは、棚を見るだけで世間の流行りや街のニーズが窺えて楽しい。よって新しもの好きのカドカミは、誰に頼まれたわけでもないのに近所のコンビニで陳列棚パトロールを決行!
店内にある棚の全列・全段を、背伸びしたりしゃがんだりでくまなく。はたから見ればアヤしい人、そんな視線も気にせず商品を吟味。結果。1店舗で64歩、11kcal消費。2Lの水と新発売のプロテインバーもちゃっかり獲得。
19 大型書店で店員にも検索機にも頼らず、自力で本を探す
大型書店では書棚を見るだけでも結構歩く。都内某所の売り場面積1000坪超の書店に行くと楽しくて棚の間をウロウロ。今回は、格闘技好きのマスダからのクエスト、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を探すために来訪。
書店員にも聞かず検索機も使わず、自力で探してみる。一番に“スポーツ”の書棚へ!ない。次に“ノンフィクション”へ…ない。“趣味”“芸術”“新書”、ないないっ。やけくそで“文庫”に行ってみると、そこにまさかの木村政彦(涙)。苦難に満ちた1167歩。
20 番地だけを頼りに目的地まで
今や初めて行く目的地はネットで検索、地図アプリを見ながら最短ルートで向かう人が大半だろう。だがマスダ、あえて地図アプリは閉じようと決意。住所からルートを予測して向かうのはいかにも冒険っぽい!
昼食時に、気になっていたトンカツ店まで、“銀座5丁目”との情報だけを頼りに向かう。会社が銀座3丁目であることから方角の見当をつけたところ、見事当たり。結果的に最短ルートと100歩しか変わらず。土地勘のトレーニングにもよさそう!?