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正月の漢方「お屠蘇(とそ)」のルーツと飲み方(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)

「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回はお正月におなじみの「お屠蘇(とそ)」の成り立ちと活用方法をご紹介!

漢方医学的視点からカラダづくりを応援する「漢方薬店kampo’s(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。

元日にいただく「お屠蘇」のルーツ

お屠蘇

元日の朝に家族でいただくお屠蘇ですが、召し上がったことはありますか? 無病息災と長寿を願って、年少者から順に飲むのがお作法です。

屠蘇(とそ)」は「鬼をやっつける」という意味で、始まりは中国の古い時代です。屠蘇の始まりを文献でたどると、当時は作用の激しい生薬も組み合わされており、いかにも「悪い鬼を成敗してやる」と言わんばかり(笑)ですが、こんにちドラッグストアなどで手に入る屠蘇散はそうした生薬を抜き去り、より飲みやすいようにブレンドされています。

生薬量も一般的な煎じ漢方薬の1/10程度で、かつての文献にあったお薬というよりは手軽なお茶に近い印象です。

余った「屠蘇散」はスパイスにも

もちろん、お茶ではなく清酒や本みりんで漬け込みますから、アルコールに弱い方や未成年者はNGです! その場合は盃に口をつけるだけの真似事で十分です。

余談ですが我が家では余った屠蘇散(漢方薬に携わる職業柄、方々からからいただきます。ありがとうございます!)はミルクティーのスパイスとして使ったり、ホットワインに入れたりして楽しみます。

アルコールが飲めない方、ミルクティーおすすめですよ。邪道と呼ばれても鉄メンタルでいただきます!

さらに余談ですが、江戸の庶民にお屠蘇が広がったのは、ツケの治療費を回収する医者が手ぶらだと門戸を叩きにくいので「健康を願う縁起物のお屠蘇」を配りながら患者からお代をいただいたからだそうです。

お金を取り立てるのも取り立てられるのもあまりいい気分がしませんが、お屠蘇で気持ちを和ませて、というのはいかにも江戸らしい心持ちです。

今年のツケは今年のうちに!

お屠蘇の作り方

さて、正式には大晦日の晩に清酒本みりん(料理用ではなく本みりんを使います)、またはそれらを混ぜ合わせたものに屠蘇散を一晩漬け込みます

清酒、本みりんの分量は、ひと家族がいただくのにトータル100ccほどで十分だと思いますが、添付の説明書きを参考に調整してください。清酒が多ければキリリとしたお屠蘇に、みりんが多ければ甘口のお屠蘇に仕上がります。

翌、元旦の朝に屠蘇散の生薬を取り除きます。
はじめからティーバッグになっていればティーバッグごと、そうでなければ茶漉しなどを使って除いてください。

正式には屠蘇器と呼ばれる道具を使いますが、もちろんご家庭にあるもので代用できます。ティーポットや急須に出来上がったお屠蘇を用意して、盃やお猪口でいただきましょう。

飲む順は年少者から。あふれる若いエネルギーを年長者へと順々に伝えていきます。厄年の方がいらっしゃれば、その方が最後にいただきましょう。もちろん、盃は銘々のものを使って大丈夫です。

健康をより意識する今の時代、お屠蘇で無病息災と長寿をお祈りして、新年のスタートはいかがでしょうか。

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