走る頻度は? 信号待ちは止まってOK? ラン初心者の素朴な疑問4つ
誰しも走り始めれば、壁にぶつかるもの。“ランの壁”を乗り越える方法を、東京オリンピックに出場した新谷仁美も指導する横田コーチに聞いた。今回は素朴に気になる「日々の走り方」について。
取材・文/鈴木一朗 撮影/山本嵩
初出『Tarzan』No.820・2021年10月7日発売
横田真人さん
教えてくれた人
よこた・まさと/男子800m元日本記録保持者。2012年のロンドン・オリンピックに出場。現在は陸上クラブであるTWOLAPS TRACK CLUBを主宰、新谷仁美、卜部蘭などを指導。
疑問①|理想的な走り頻度は?
A. 最初は1日おき、慣れたらご自由に。
階段を上がっただけで息が切れる、そんな人はまずは歩いたり、息が上がらない程度のジョグから始めよう。そして、前後1日は休養日に。少しずつ力がついたら、徐々に距離を延ばしたりペースを上げていく。
時間がないなら速く短く。辛いのがイヤならゆっくり長く。好きなように走ればいい。ただトレーニング効果でいえば、緩急をつけて走るのが一番。そしてハードに走った翌日は休んでほしい。
疑問②|どれくらいで走り終えるのがいい?
A. 疲れてきたら、少しだけ頑張る。
初めは自由に楽しくムリのない範囲で走れるだけ走ればいい。切り上げる距離も時間も気分次第。そして、慣れてきたら少しだけ頑張る。
疲れ始めたと感じたら、それまで走ってきた時間の20~30%、頑張るのである。たとえば10分で疲れたら、そこからもう2~3分。こうすることで心肺機能や筋力が高まる。それに伴って、走る距離や時間も延びていくはず。これがモチベーションに繫がる。
疑問③| ロードとマシンの違いはある?
A. 違いは推進力の有無。運動効果はほぼ同じ。
ロード(外の舗装路)とマシン(トレッドミル)は大きく違う点がある。道を走るときは、地面の反力を受け取って進む力を得なくてはいけない。一方、マシンでは推進力は必要としない。だから異なった運動なのだが、効果の優劣はほとんどない。
毎日、同じ環境で走りたいならマシンでいいし、四季を楽しみたいならロードもいい。ただ、いつかはレースに出たいという人は、外を走りたい。効率よく前に進むことを覚えられるからだ。
疑問④|信号待ちは止まってOK?
A. 信号は運動効果を高めてくれる場合も。
実は、信号は走りのアクセントになる。赤で止まれば心拍数が下がり、走り出せば上がる。これ、インターバルトレーニングだ。青に変わったらダッシュにすることに決めれば、運動効果はさらに高くなる。
それでも止まりたくないなら、信号が変わったら左右に曲がればいい。自然にいろんなコースを走れるから、これまた楽しい。ただし、どの場合もまずは交通ルールを守り、安全に行うことが大切だ。