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【この競技がスゴイ】自転車×サッカー「サイクルサッカー」の意外なルーツ

サイクルサッカー

自転車を使ってサッカーをする。聞いただけでも難易度が高そうなこのスポーツが、「サイクルサッカー」だ。日本での知名度はまだまだ低いが、想像以上に歴史があり、奥が深い。自転車とサッカーという二つのスポーツが合わさったサイクルサッカーの魅力を紹介する。

意外と(?)歴史の古い競技。

サイクルサッカー」をご存知だろうか? 読んで字のごとく、自転車を使ってサッカーをするこのスポーツは、イギリス発祥とされる。英語では「サイクルボール」ドイツ語では「ラドバル」とも呼ばれている。

イメージ的に“最近のスポーツ”と思いきや、意外にもその歴史は古い。このスポーツの元になっているのは、馬とラケットを使いボールをゴールに入れる「ポロ競技」。1891年頃に馬を自転車に変えサイクルサッカーが誕生した。

1927年には第1回ヨーロッパ選手権大会がドイツのケルンで開催され、1930年には国際自転車競技連合の公式競技に認定されている。そして、第二次世界大戦による中断などを経て、1957年には日本学生自転車競技連盟によって国内普及が図られている。

実際の試合の様子はこちら!

試合まで1年間の練習。競技人口が増えない“難しい競技”。

サイクルサッカー

そんなサイクルサッカーについて、お話を伺ったのは、元日本代表の時倉宗大さん藤田洋介さん。二人は、現役を退き現在は、国内での競技のさらなる普及を目指し活動に励んでいるそう。

まずは、簡単なルールを説明していただいた。

「サッカーと同様に2チームによる競技で、1チーム2人。前後半7分ずつの計14分間の試合時間で、途中2分の休憩を挟んで行われます。

車体を使ってボールをコントロールし、ゴールを決める。ハンドルから手が離れたり、ペダルから足が離れて床に着くと落車とみなされて反則です。プレイヤーは、フォワードキーパーにポジショニングされ、キーパーだけが手を使ってボールを止められます」(藤田さん)

サイクルサッカー

自転車は、競技用に作られた特注品。鹿の角のような上向きのハンドルで、サドルの位置が後輪側に設計されている。ブレーキはなく固定ギア。自転車同士の接触が多いので、修理しながら使うのが一般的。1台約20〜30万円。競技コートは、14m×11mの長方形で、床面には専用のベニヤ板を敷き詰めている。

ルールは、シンプルだが、いざ競技ができるようになるまでは、相当な練習が必要だという。初心者が最初に行うのは、乗車したまま足をつかずにバランスを保つ練習だ。

「バランスが保てるようになるには、平均して約1〜2週間かかりますね。そこから、実践的な練習をスタートさせて、試合ができるようになるまでに約1年。そのぐらい難しいので、なかなか競技人口が増えないんです」(藤田さん)

サイクルサッカーのボール

使用する布製ボールは直径17〜18cmで、中にパンヤ(綿毛状の繊維)が入っている。重さは500〜600gであまり弾まない。

さまざまなスポーツのなかでも、別格に難しい競技と言われる所以が垣間見られる。しかし、ボディバランスを整えながら自転車を器用に操り、ボールをゴールする姿には曲芸的な魅力がある。また自転車同士が激しくぶつかる場面もあり、その衝撃と音はさながら格闘技のような激しさだ。

日本勢の活躍は…、これからに期待。

現在日本では、主に大学の部活動が中心となり、全国に約200チーム約500名が活動。1972年に初めて日本は世界選手権大会へ選手を派遣し、以後は毎年選手団を派遣している。

「サイクルサッカーの世界選手権大会は、ドイツを中心とした上位国(スイス、チェコ、ベルギー、オーストリア、フランス)によるAグループと、日本が属するBグループに分かれて行われます。毎年Aグループの下位チームと、Bグループの上位チームの入れ替え戦が行われる仕組みです。

ドイツが強豪国なので、どうしても隣接する国々が強いんです。地理的にも陸続きですから、練習試合もしやすいですからね。日本の場合は、ドイツのU19を招待して練習するのが精一杯です」(時倉さん)

先日、10月29日〜31日にドイツ・シュツットガルトで開催された世界選手権大会でも日本代表が参加した。「室内自転車競技連盟」のサイトでは、世界大会の情報も確認できるので、ぜひチェックしてみてほしい。

取材・文/菅野茂雄

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