今、注目のオルトプロテイン(代替タンパク質)は縁起が良い食べ物か?
オーガニック、ベジタリアン、サステナブルな食品の輸入・販売を手がける〈アリサン〉が、プラントベースミートを使った冷凍食品《もちもち皮のジャンボ餃子》を発売。
カナダを拠点とするフードテック企業〈OmniFoods(オムニフーズ)〉が開発した《オムニミート》を使い、 餃子の聖地・宇都宮の老舗餃子メーカー〈栄久食品〉と共同開発した冷凍餃子だ。
オムニミートとはえんどう豆と非遺伝子組み替えの大豆、椎茸と米の植物性タンパク質を独自にブレンドした代替肉。
うま味調味料として知られるグルタミン酸ナトリウムや抗生物質は不使用、コレステロールゼロ、飽和脂肪酸が96%減、カロリーは70%減とし、カルシウムは267%アップ、鉄分が14%アップ(※1)と栄養価のみならず期待値も高いタンパク源だ。
どんな食文化や食習慣をもっている人も安心して美味しく、簡単に調理でき食べられるものを目指したオムニミートのジューシーな食感が餃子のあんにぴったりと考えた。
アリサンの創業者のジャックさんは元々、環境汚染の研究者。研究のなかで動物実験が繰り返されることに疑問を抱いたところから食べ物、環境への意識が高まったという。
1980年代に埼玉県に移住し、世界中を旅するなかで手に入れたオーガニックやベジタリアンの食品を持ち帰り、近くに住む友人たちに「おすそわけ」したことが同社のはじまり。家族や身の回りの人に食べさせたいと思うものだけを、自らの目で選んで届けている。
「カラダも地球もよろこぶ、休肉日を。」をコンセプトにし栄養価が高く環境にやさしい、植物由来100%のオムニミートは、そのおめがねにかなったというわけだ(※2)。アリサンの経営する〈阿里山カフェ〉ではこのオムニミートを使ったメニューのオムニ麻婆豆腐もある。
ジャックさんはオーガニックとは食べる人、生産者、そして地球環境の「win-win-win」の関係と言う。オーガニックとは、つまり縁起が良いこととも言える。
古来より縁起の良い食べ物とされてきた餃子。日本兵が戦後故郷の宇都宮に戻り、満洲で食べていたものを再現したことで日本で餃子が本格に食べられるようになり、宇都宮が餃子の聖地と言われるようになった(諸説あり)。
アリサンがオムニミートと宇都宮の縁を取り持った餃子は、持続性のある社会づくりにもつながるが、問題は食欲も持続してしまうところか。
INFORMATION
アリサン
※1 推定値と未調理のひき肉比の比較。※ひき肉比は84%赤身、16%脂身。USDA ARS FoodData Central for Standard Referenceを参照。
※2 アリサンはオムニミートの日本輸入代理店。