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フィットネスの習慣化を助ける新感覚ライト《ライフコンディショニングシリーズ》を体験
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普段使っているトレーニング器具がどこで作られているか知っているだろうか?
中国などの外国製が多いが、なかには日本製もある。今年、〈TEDDYWORKS〉から発売された2商品もそうだ。《KOMBOバーベル》は、ウェイトプレートの代わりに手持ちのダンベルを取り付けて使う画期的なバーベル。
《KENSUI》は、一本のポールで突っ張る独自の設計で、省スペースを実現した懸垂マシンだ。どちらもユニークな構造だが、使用時の安定感は格別。秘密は下町の職人技にあるらしい。一体どんな技術? と訪れたのは、東京・大田区の工場、〈玉川パイプ〉だ。
「両商品とも主な素材は鉄製のパイプ。シンプルなパイプから、商品に適した太さや長さに加工するのがうちの仕事です」
そう語るのは代表取締役の玉川大輔さん。今回は特別に《KENSUI》の製造工程を見せてくれた。
まずはパイプの先端を熱し、加工しやすい形に変形させる「頭付け」から。最高1080度の専用の炉で金属を熱するため、工場内はサウナさながらの暑さだ。
頭付けで出たススを洗い流した後に行うのが「引き抜き」。約10トンの力をかけてパイプの口径に狭めていく技術だ。国内でも数社しか持たない特別な技術という。
次に見せてくれたのは《KENSUI》の支柱パーツ。4枚目の写真でスライドする、2本1セットのパイプだ。
「2本とも口径が違いますが、実は同じパイプから作りました。塗料の厚さも含め計算して、ミリ単位の“引き抜き”で加工しています」
綿密な計算と繊細な技術を必要とする、まさに匠の仕事。2商品を企画立案したTEDDYWORKSの代表取締役・小熊將太さんは語る。
「企画段階から、頼むなら技術力の高い大田区の工場にしようと思っていました。そんななか、玉川さんに出会って。しかも、アメフトを20年以上続けているとおっしゃるので、この人だ!と(笑)。今後も大田区を軸に商品を作りたいです」
下町のマッチョな挑戦はまだまだ始まったばかり。これからの展開に、目が離せない。
取材・文/山梨幸輝 撮影/石原敦志 イラストレーション/高橋潤
初出『Tarzan』No.815・2021年7月21日発売