問1. より多くの筋肉を動員するのはどっち?
胸の筋肉を鍛える代表的なトレーニング「ダンベルプレス」と「ダンベルフライ」。どちらもターゲットとなる筋肉は同じだが、種目の性質として違いがある。
まず、ベンチの上に仰向けになり、肘を床に対して垂直に立ててダンベルを押し上げるダンベルプレス。これは肩関節と肘関節の2つが関与しており、このように複数の関節が動く種目を「多関節運動(コンパウンド種目)」という。
一方、ベンチに仰向けの状態で両腕を胸の高さで真横に開き、左右のダンベルを近づけるように持ち上げるダンベルフライ。こちらは1つの関節(この種目では肩関節)だけが単独で動く「単関節運動(アイソレーション種目)」に分けられる。
では次に、多関節運動と単関節運動、それぞれの特徴とメリットについて詳しく見ていこう。
2つ以上の関節が同時に動く多関節運動は、1つの動作のなかで複数の筋肉を刺激することができるのが特徴だ。そのため高重量を扱えて、効率的に筋力アップを狙うことが可能となる。さらに力をダンベルに伝える際に連動性が養われ、スポーツパフォーマンスが向上するというメリットも期待できる。
続いて単独の関節のみが動く単関節運動は、狙った筋肉を集中的に鍛えられる特徴がある。小さな負荷でターゲットとなる部位に集中的に刺激を入れることができるため、ケガのリスクも少ない。一つ一つの筋肉をくっきりと浮かび上がらせたいときに取り入れたい種目だ。
以上を踏まえると、多くの筋肉を動員するのは、①のダンベルプレスが正解。
問2. 以下のうち、多関節運動に属するものをすべて選べ。
多関節運動とは、複数の関節が関与した運動。よって股関節・膝関節・足関節と3つの関節動作が入る①のスクワット、そしてスクワット同様に股関節伸展、膝関節の屈曲動作が入る④のデッドリフトが問いの正解だ。
アームカールとレッグエクステンションは、それぞれ肘関節と膝関節のみが動く単関節運動となる。多関節運動と単関節運動、これらはどのように使い分けるべきか。目的別の2パターンに分けて考えてみよう。
まず、全身を絞る、つまり基礎代謝向上を目的としたケースは、多くの筋肉を動員する多関節運動が望ましい。脚、背中、尻、胸といった大筋群が関与することでエネルギー消費量が上がるためだ。一方ボディコンテスト出場などが目的で、いわゆる“魅せる”筋肉を作りたい場合は、1つの筋肉を集中的に鍛え、確実に筋成長を狙う単関節運動も欠かせない。
さらに、多関節運動と単関節運動を行う順番も目標達成の大きな鍵となる。たとえば、代謝を上げるために下半身を鍛える場合、単関節運動であるレッグカールやレッグエクステンションを先に行うと、スクワットやランジなど効率のいい多関節運動を行うときに疲労感から思うようなパワーが出せない。
よってボディメイクの場合は多関節運動→単関節運動の順で行うのがオーソドックスなメニューの組み方となる。一方で、あえて単関節運動で狙いたい筋肉を疲労させて、多関節運動に移ったときに意識しやすくする「事前疲労法」という方法もある。
目的に応じて順番を入れ替えよう。