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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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自分の健康は「日々の己の選択」からの回答の一つ。自ら健やかさを獲得しに行く術を知っておこう。さまざまな最先端検査を解説する当連載『最先端検査ってナンだ!? シリーズ』。今回は「遅延型フードアレルギー検査」について。
今回からの最先端検査の舞台はアンチエイジングクリニック。水先案内人は〈銀座上符メディカルクリニック〉院長の上符正志さんだ。
まず最初に挑むのは、血液を検体とした「遅延型フードアレルギー検査」なるもの。これは蕎麦を食べて即じんましんが出るとかキウイを食べて即息苦しくなるという「即時型アレルギー」ではなく、ものを食べて約半日後に不調が表れるタイプのアレルギー検査だ。
乳製品、魚介類、卵、肉類、野菜、穀物、豆、ナッツ、フルーツ、その他のジャンルから48項目〜208項目が選べる
「原因はほぼ過剰摂取によるものです。小腸の腸管に食べ物が詰まってしまい、カラダが異物と判断してIgGという抗体を作ります。その抗体が炎症を起こし、活性酸素を発生させ、さまざまなアレルギー症状を引き起こします」
有名どころではテニスプレイヤー・ジョコビッチのグルテンアレルギー、あれもまた遅延型アレルギーの典型。
「症状は人によって全然違います。一番多いのは肌荒れ、次に腹痛、頭痛、めまい、耳鳴り、疲れ、うつ、たかが食べ物と侮れないさまざまな症状が表れます」
たとえば卵。分子量の大きい卵はそのままではカラダに吸収されない。唾液や消化液、腸内細菌などによってアミノ酸の状態まで分解されて初めて体内に取り入れることができる。アミノ酸まで十分に分解しきれない量を摂取することでアレルギー反応が起こるという仕組みだ。
「IgG抗体は約半年働いて脾臓という臓器に運ばれてアミノ酸に分解されます。なので卵なら卵を半年間食べなければ、アレルギー反応は改善されます。こうした食事指導の指標になるのが遅延型フードアレルギー検査なんです」
そうとは知らずにアレルギーの抗原をせっせと食べているかもしれない。ならば怖いけど知っておいて損はない。さあ、ライターうらん、出動せよ!
48項目の食品に対する抗体をひとつずつチェック。毎日のように食べる好物のリスクが必ずしも高いわけではなく、過去にハマった食品に反応が出ることも。摂取制限がかかるのは、果たしてどんな食品なのか?
上符 うらんさんは今回48項目の検査を行いました。48の食品に対するアレルギーのリスクを5つのクラスで判定しています。
うらん う、うわ〜、ドキドキします〜。
上符 原因のほとんどは過剰摂取ですから好物のリスクが高い可能性があります。まずは、乳製品の項目で牛乳がそろそろクラスⅡにかかりそうですね。
うらん えっ、牛乳? ほとんど飲まないです。コーヒーもブラック派だし。
上符 もともと乳糖不耐症かもしれません。牛乳を飲むとお腹が痛くなったり下痢をしませんか? 僕はするんですけど。
うらん いや〜、しょっちゅう下痢っぽい感じですけど。
上符 牛乳が材料のバターやチーズなども食べませんか?
うらん あっ、チーズはやたら食べます! そっちか〜。
上符 次は魚介類。サーモンがそろそろクラスⅡにかかりそうです。あとはカニ。
うらん カニ? カニってあのハサミのあるヤツですか。
ワタベ うらんさん、そんなにしょっちゅうカニ食べてるんですか? うらやましい。
上符 北海道に行って思い切りカニを食べて抗体ができるということもあるんですよ。
うらん うう、10年くらい前、知人のおごりだからと毛ガニとタラバを食べまくりました。
上符 Ⅱに達すると3か月の食事制限がかかります。
うらん つまり、今から3か月間はカニ厳禁なんですね。いいです、どうせ自腹じゃ食べないし。
上符 でもエビやマグロは大丈夫ですね。
うらん わー意外! マグロは大好物で週2は食べてるのに!
ワタベ いいなぁ、今回検査したのはうらんさんだけだけど、僕もマグロ好きなので制限がかかったら悲しい。
上符 よかったですね。でもそれよりよかったのは卵にはまったくアレルギーがないことですよ。これは珍しい。
うらん 卵も大好きで毎日目玉焼き食べてます。
ワタベ なのに大丈夫なのって珍しいことなんですか?
上符 みなさん卵と乳製品にアレルギーが出るのが一般的。そうなるとケーキは食べられません。うらんさんは今の卵の量がちょうどいいんでしょうね。その代わり、野菜ではアスパラガスとニンニクとトマトがⅡに入ってます。イタリアン系ですね。
うらん あー、全部よく食べるヤツだ! しかもアスパラとトマトは家庭菜園でもうバカバカ食べ放題、あれがまずかったかも…。
上符 トマトってリコピンが豊富でカラダにいいというイメージがありますが、結構抗体ができるんです。ソースやケチャップ、いろんなものに入ってますし。
ワタベ 確かに〜。僕、学生時代イタリアンの店でバイトしてて、よくまかない食べてたからヤバいかもしれない。
上符 穀物系では小麦粉の強力粉、グルテンとグリアシンに抗体がありますね。もちもちのうどんやピザは残念ですができるだけ控えましょう。
うらん おかしいなあ、ピザもうどんもほとんど食べないのに。逆に毎日食べてる蕎麦は全然大丈夫なんですね。大豆も問題なし。豆腐と油揚げと納豆は冷蔵庫の常備品なのに。不思議〜。
ワタベ ちゃんと栄養素に分解されて消化吸収できてるってことですね。うらんさんはほぼ蕎麦と大豆でできてるわけですね。
うらん それ、なんかカチンとくる言い方。
上符 そして48項目の中で一番抗体の量が多かったのがバナナです。Ⅲにかかっているので6か月摂取禁止です。
うらん バ、バナナ? ですか? まったくといっていいほど食べないな〜。
上符 過去にすごく食べていた時期はなかったですか?
うらん そういえば学生時代、バナナジュースにハマって毎日ミキサーで回してました。
上符 もしかしたらそのときカラダが“もうやめろ”という反応をして、いまだに抗体が残ってるのかもしれないですね。
うらん バナナ責めに遭ったカラダの恨み度深し、ってことですか〜。気をつけます。
上符 それでこれが検査会社が発行した証明書です。海外に行くとき、飛行機の機内食とかホテルのレストランで提示するためのものでして。
うらん あ〜、私にバナナを出さないでっていう。どこかでバナナを叩き売られそうになったときに提示します。
上符 48項目の検査でいろいろ分かりましたね。トマトやニンニクを控えると疲れが取れると思いますよ。
うらん ハイ。庭でたわわに実ってるトマト、ワタベにあげる。
病気の治療ではなく最高の健康状態を保つ医療を目指し、銀座の一等地に開設して10年以上。アンチエイジングドック、サプリメント処方、ホルモン補充、キレーション点滴など総合的なアンチエイジング医療が受けられる。
TEL:03-5524-5588
取材・文/飯田橋うらん イラストレーション/上田よう 取材協力/上符正志(銀座上符メディカルクリニック院長)
初出『Tarzan』No.816・2021年8月5日発売