ただカラダが柔らかいだけではダメ。機能柔軟力トレーニング|『ターザン』からの挑戦状(7)
ターザンのような、偏りのない身体能力を備えるため、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]を手に入れよう。今回は、機能柔軟力のトレーニング課題に挑戦だ。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/齊藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 トレーニング監修/清水 忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.808・2021年4月22日発売
どこまでしなやかに動けるか?
挑戦状への応え方
挑戦状の種目と条件がクリアできたら、合格。クリアできなかったら、負荷を落として合格水準クリアを目指してトレーニングを重ねる。バーベルがないなど挑戦状の種目が行えない場合、「挑戦状に応えるための自宅トレ(後述)」の2種目で研鑽を重ねる。
「(4)体幹力」と「(7)機能的柔軟力」は、挑戦状の種目と「挑戦状に応えるためのトレーニング」をどちらも行う。
ターザンからの挑戦状(6)スタンディングリーチ・スタンディングリーチ(身長×46%以上)
- 右手で500mLサイズのペットボトルのキャップを持ち、肩の真下に下げる。
- 左脚を後ろに伸ばして浮かし、右脚で片脚立ちになる。
- 右膝を軽く曲げ、上体を少し前傾させて、右足の踵に体重を乗せる。
- 左腕は体側で下げる。
- 左脚をさらに後ろに伸ばしてバランスを取りながら、上体を深く前傾させて、右手でペットボトルをできるだけ遠くに置く。右足の爪先からペットボトルまでの距離を測る。身長170cmの場合、46%とはおよそ78cm。
- 左右を変えて同様に行う。
カラダは硬いよりも柔らかい方がいい。動きが大きくなるし、体調も良くなる。でも、ただ柔らかいだけではダメ。床で180度の開脚ができても、その姿勢で柔軟性が求められる機会は、実生活でもスポーツでもない。
欲しいのは、実践的で役立つ柔軟性。それが「機能的柔軟力」だ。評価基準は、片脚立ちでどのくらい遠くまで手が伸ばせるか。重要な股関節と肩甲骨の機能的柔軟力を上げる運動もプラス。
『ターザン』が考える理想のボディとは?
理想のボディの持ち主=アスリートというイメージは、実は正しくない。アスリートは競技に特化した練習を重ねるため、スペックには偏りがある。水泳選手の大半は走るのは不得手だし、長距離ランナーの多くは重たいウェイトを上げるのが苦手なのだ。
お手本にしたいのは、本誌のアイコンである、まさにターザンのようなボディ。彼は“ジャングルの王者”の異名を持ち、どんな状況でも自らと愛する存在を守る実力を備える。これからの不透明な時代を力強くサバイブするには、同じように偏りのない身体能力を備えたいもの。それが、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]だ。
それぞれに定めたトレーニング課題をオールクリア、がベスト。達成できないなら、負荷を抑えながらトレーニングを続けてフィジカルを磨き、合格を目指したい。
挑戦状に応えるための自宅トレ。
評価に必要なバーベルなどのギアが手元にない場合は、自体重で行えるエクササイズを試そう。設定された回数&セット数をこなすことを目標にしたい。いずれも週2〜3回ペースで行うのが定石だ。
1エクスターナル&インターナル・ローテーション(左右各10回×1〜2セット)
- 両手を床についてしゃがみ、右脚を大きく後ろに伸ばす。
- 左膝を90度曲げる。
- 左膝と左踵の外側を左側の床につけ、股関節を外旋させる。
- 一度2に戻ってから、左膝と左踵の内側を右側の床につけ、股関節を内旋させる。
- 左右を変えて同様に行う。
2タオルロール(10回×1〜2セット。手幅を狭めるほど難度アップ)
- 肩幅より広めにバスタオルを持ち、両肘を伸ばして下げる。
- 両足を腰幅で開く。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 両肘を伸ばしたまま、タオルを頭上に引き上げる。
- 頭を越えてお尻までタオルを下ろしたら、元に戻る。
- 両肩を下げたままで行う。