ブレない軸があるか? 体幹トレーニング|『ターザン』からの挑戦状(4)
ターザンのような、偏りのない身体能力を備えるため、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]を手に入れよう。今回は、体幹のトレーニング課題に挑戦だ。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/齊藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 トレーニング監修/清水 忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.808・2021年4月22日発売
ブレない軸があるか?
挑戦状への応え方
挑戦状の種目と条件がクリアできたら、合格。クリアできなかったら、負荷を落として合格水準クリアを目指してトレーニングを重ねる。バーベルがないなど挑戦状の種目が行えない場合、「挑戦状に応えるための自宅トレ(後述)」の2種目で研鑽を重ねる。
「(4)体幹力」と「(7)機能的柔軟力」は、挑戦状の種目と「挑戦状に応えるためのトレーニング」をどちらも行う。
ターザンからの挑戦状(4)プランク(2分間キープ)
- 両肘を肩の真下について床でうつ伏せになる。
- 前腕を床につけて拳を軽く握る。
- 両脚を揃えてまっすぐ伸ばし、爪先を立てる。
- お尻を上げず、腰を反らさず、頭から踵まで一枚板のように保つ。
- 頭は背骨の延長線上に保ち、目線を床に向ける。
- 自然に呼吸を続けながら、2分間キープする。
お腹がいい感じに割れていても、体幹力があるとは限らない。体幹力とは、体幹を安定させて、手足を自在に動かす能力。それには、体幹の深部を走るインナーマッスルが機能することも大切なのである。見かけ倒しで終わらないようにしよう。
トライしたいのは、プランク。体幹を固定する種目で、体幹力のベースが備わっているかが確認できる。30秒を超える頃から全身がプルプル震えて姿勢が崩れそうになるが、肘と爪先で床を強く押し、2分間正しいフォームを保とう。
あわせて紹介した自体重トレ2種(後述)は、体幹を固めて下半身と上半身を動かす種目。プランクが2分間キープできたうえに、この2種もこなせるようになったら、体幹力は底上げできたと期待していい。
『ターザン』が考える理想のボディとは?
理想のボディの持ち主=アスリートというイメージは、実は正しくない。アスリートは競技に特化した練習を重ねるため、スペックには偏りがある。水泳選手の大半は走るのは不得手だし、長距離ランナーの多くは重たいウェイトを上げるのが苦手なのだ。
お手本にしたいのは、本誌のアイコンである、まさにターザンのようなボディ。彼は“ジャングルの王者”の異名を持ち、どんな状況でも自らと愛する存在を守る実力を備える。これからの不透明な時代を力強くサバイブするには、同じように偏りのない身体能力を備えたいもの。それが、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]だ。
それぞれに定めたトレーニング課題をオールクリア、がベスト。達成できないなら、負荷を抑えながらトレーニングを続けてフィジカルを磨き、合格を目指したい。
挑戦状に応えるための自宅トレ。
評価に必要なバーベルなどのギアが手元にない場合は、自体重で行えるエクササイズを試そう。設定された回数&セット数をこなすことを目標にしたい。いずれも週2〜3回ペースで行うのが定石だ。
1. ホバー・ニーレイズ(15回×3セット)
- 椅子2脚を並べ、その間に立ち、両手で座面の端を摑む。
- 両肘を肩の真下で伸ばす。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張り、上体を床と垂直にする。
- 両脚を揃えてまっすぐ伸ばし、踵を床から少しだけ浮かせる。
- 両膝をできるだけ高く引き上げて胸に近づける。
- 膝を伸ばし、踵をできるだけ低く下ろす。
2. ニー・トゥー・エルボー(15回×3セット)
- 床で仰向けになり、股関節と膝を90度曲げ、ふくらはぎを床と平行にする。
- 反対の肩に両手を添え、両腕を胸でクロスさせる。
- 背中を丸めて上体を起こし、膝のできるだけ高いところに両肘をタッチ。背骨を下から1個ずつ床につけるように戻す。
- 膝の位置を、股関節の真上から動かさないようにする。