新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至です。『Tarzan』本誌で書かせていただいていたこのコラムを、今回からWEBにお引っ越し。大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラムを書いていきます。引き続きよろしくお願いします。
WEB版の第1回のテーマは、そもそもなぜカラダを鍛えるのか? ということで「筋肉のメリット」です。
筋トレは「目的」に応えてくれる。
トレーニングの1番難しいところは、始めるきっかけです。なぜなら、カラダを鍛えなくても生きていけるからです。それでも、ジムが増え、トレーニングを始める方も増えているのはなぜでしょうか? それは「よりよく生きるため」とでもまずは言っておきましょう。
トレーニングを「さぁ始めよう!」と考えたとき、1番大事なのは目的です。漠然と始めても「トレーニングに身が入らない」「今日はやめておこうか」となってしまいます。
そう! 目的はモチベーションであり、1番効果のあるサプリメントとも言えます。僕の目的はもちろんプロレスでチャンピオンになること。観に来ていただいたお客様に最高のパフォーマンスを見せ、楽しんでもらうことです。
なので、皆さんも、まずは目的を決めましょう。筋肉をつけたい。痩せたい。部活で活躍したい。姿勢を良くしたい。カッコよく服を着こなしたい。などでしょうか? このコラムのタイトルでもある「モテたい!」も、もちろん可です。トレーニングは、これらすべての目的に応えてくれます。なので、そのメリットをご紹介して、まずは皆さんのモチベーションを上げていきたいと思います。
筋肉の根本的な役目は、もちろんカラダを動かすこと。そして、それ以外にも、エネルギーを使い体温を保つことなどが挙げられますが、それ以外の付加価値が異常です(笑)。
パッと思いついた事を挙げていくと…
- 姿勢が良くなる。
- 立ち姿が美しくなる。
- 体脂肪が燃えやすくなる。
- 服が似合うようになる。
- 気持ちが明るくなり、前向きになる。
- 自分に自信がつく。
- 社交的になる。
- 人間関係が広がる(+モテる)。
- 毎日が充実する。
- 人生が豊かになる。
こうした順番で並べてみましたが、実は上から下へフローチャートのようになっています。人生のベクトルがどんどん良い方向に行くイメージができるんじゃないでしょうか?
なぜ筋肉は大きくなるのか?
しかし、まだ皆さんは筋肉に対して懐疑的なところもあるでしょう。そうです。デメリットです。しかし、デメリットは…ないのです(キッパリ)。
少し話のスケールが大きくなりますが、人類の歴史を振り返ってみましょう。今でこそ、生活も豊かになりましたが、人類の歴史は飢餓の歴史とも言えます。食べられなくて死ぬのです。なかなか現実味がないかもしれませんが、生きるために狩る時代があったのです。
そんな生きるために食べていた時代に、筋肉はエネルギーを使ってしまうので最小限あれば良かったのです。しかし、神様は筋肉に「肥大する余地」を残してくれました。筋肥大とは鍛えれば筋肉は大きくなるということです。生きるために必要な筋肉。でも筋肉が大きくなれば、その分、エネルギーもたくさん必要となる。
排気量の多い車はたくさんガソリンを使うといえば、イメージをしやすいでしょうか? それでもなぜ? 神様は筋肉に肥大する余地を残したのか?
そこで、僕はこう考えました。「筋肉とは神様からのギフト」であると。鍛えなくても生きていける。けど鍛えたら進化できる。その選択は君たちに任せるよ、と。地球上で意識してカラダを鍛える動物は人間だけなのです。
そこで、浮かんでくるのが冒頭の「よく生きる」という言葉です。筋肉は皆さんの人生を良い方向に導いてくれます。歳を重ねても、筋肉をしっかりつけていれば、躓いて寝たきりになったりする可能性も減るのではないでしょうか? 人生を最後まで楽しむために、筋肉はあるのです。
「筋肉は神様からのギフト」
どうですか? カラダを動かしたくなって来たのではないでしょうか? これからも、このコラムで皆さんのお力になれればと思います。読んでいただいた諸兄には、もれなく棚橋のような「モテ」もプレゼントしたい!…ところですが、そこは各自頑張って下さい(笑)。
棚橋弘至
たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。
本連載『モテ筋肉でいいじゃないか』は毎月・第2金曜日に公開予定。次回は、2021年5月14日に公開予定です。