手足に装着! “不安定”でカラダを鍛える球状ギア《GRIT BALL》

いつでも誰に対しても、確かな効果が期待できるトレーニングギアを探すため、パーソナルトレーナーが試してレビュー。今回パーソナルトレーナー・寺田大一さんが試したのは、ヨガとピラティスを組み合わせたトレーニングをできるように開発した《GRIT BALL》。接地面が小さい球状で、さまざまなトレーニングの可能性がある。

取材・文/本田賢一朗 撮影/逢坂聡

試した人
寺田大一さん
寺田大一(てらだ・だいいち)/大人のためのプライベートジム「MIO STILE GINZA」「MMM(トリプルエム)」を運営する(株)MMM代表取締役。パーソナルトレーナーのみならずフィットネスジムの出店やプログラム開発などフィットネスコンサルティング事業も手がける。全米エクササイズ&トレーニング協会認定パーソナルトレーナー。

今回試したギア:《GRIT BALL》

GRIT BALL
アメリカでは10万個を超える販売数。寺田さんも指摘しているように(後述)腹部に効かせるには膝をつけて行うのが良い。ストラップは調節可能。プラスチック製。約13.5×15.5×13cm 耐荷重135kg 21,780円 (税込) 公式サイト

元NFL選手がヨガとピラティスを組み合わせたトレーニングをできるように開発したのがこの「GRIT BALL(グリットボール)」。360度回転する2個のボールを手や足に装着し不安定な状態で運動をすることで、より効果的な自重トレーニングができるというものだ。

大手ジムのファンクショナルトレーニングやヨガのトレーニングプログラムも開発してきた寺田大一さんは「トレーニングの負荷を増やす要素は4つ。重さ、回数、速度そして不安定性です。不安定な状況でカラダのバランスを取ろうとすることでより高い負荷がかけられる」と説明した上で…

「グリットボールは回転するボールで不安定な状況にし、普段使えていない細かな筋肉を使ってカラダを支えるので全身の筋肉にくまなく刺激が入るのがわかりますね」と言う。

“グリット=成し遂げる”シリーズとしてエクササイズ器具を販売するJadeの酒林さんによると「手はもちろん足に装着してハムストリングスを鍛えたり、ひとつの商品で全身を丁寧に鍛えられることが重要であると考えます」。

接地面が小さい“球状”がポイント。

腹筋のみならず腸腰筋や大腿直筋といった全身を鍛えられるものとして腹筋ローラーをイメージする方も多いだろうが、多少カラダの動きがブレたとしてもバランスが安定する腹筋ローラーと違い、グリッドボールは接地面が小さく球状ゆえの不安定さでバランスを保つだけでも難しい。

「前方向に身体をスライドさせるアブホイールとして使うと腹筋だけでなく、特に広背筋や上腕三頭筋に刺激が入っているのを実感できますよ」(寺田さん)

おすすめのエクササイズとして挙げてくれたのは片足に装着してのサイドランジ。

「部屋トレとしてはスライディングディスクでできることですが、グリッドボールの方が滑りがよいので、内転筋の収縮幅はより大きくなります」(寺田さん)

GRIT BALLを使う寺田大一さん

もうひとつはプッシュアップ&フライ。

「大胸筋はもちろん広背筋をしっかりと使うことができます。膝を床につけないでやるのは、相当なトレーニーでしかできないと思うので膝をつけて」(寺田さん)

1/20
GRIT BALLを使う寺田大一さん
GRIT BALLを使う寺田大一さん

これがかなり難易度高い!

足に装着して腹筋運動にも。

「考えてみれば足に重りをつけられるものってあまりないので、そこも大きなメリット。床に座った状態で両脚を伸ばし浮かせた状態で上下にクロスしたり、バタ足のように上下させる腹筋運動にいいですね」(寺田さん)

1/20
GRIT BALLを使う寺田大一さん
20210318rm_DSC0083GRIT BALLを使う寺田大一さん

寺田さん、一通りのメニューを試しただけで自身が経営するジムに導入しようと前向きに検討し出している。「ただ、1個1.8kgはキツイ。500gくらいの軽量バージョンも発売してもらえたらウチのジムの女性のお客様にも提案しやすいなぁ」(寺田さん)

バランスボールにメディシンボール、部屋トレのキーワードは「玉乗り」になりそうだ。

今回のギアを使ってみて…
  • アンバランスな状態により全身をくまなく鍛えられる。
  • 足に装着してのトレーニングメニューが効果的。
  • 1個1.8kgは少々重く、トレーニング初心者には向かない。