漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
今や国民病とも呼ばれる花粉症。出歩くのが億劫になったり、仕事に集中できなかったりすることで日本の経済にも大きな影響を与えるようです。
花粉症による経済的損失額は調査方法によって幅がありますが、多いものですとピーク時の60日間で10兆円を軽く超えると見積もられています。と、そんなネガティブな情報を突きつけられると悲しくなってしまいますが、ここは前向きに解決方法を見出したいところ!
食生活の改善が花粉症克服の近道!?
自他ともに認める重度の花粉症を克服してしまった人って、意外といるものです。根掘り葉掘りどうやったのか聞いてみると、花粉症を克服した方の多くが大事にしたことの1位は食事の見直しでした。
「あれを食べて良くなった」の“あれ”は何かと質問すると、そんな単純なものではなく、以前とは全く違った食べ物の選び方をするようになったというのです。掘り下げて伺うといくつかのポイントが見えてきました。
① 動物性たんぱく質は魚から摂る
「牛、豚、鶏、これらをメインに選びがちだったのを、魚にシフトした。」魚には暴走気味の免疫機能を整える効果があると言われています。
②プロバイオティクスもプレバイオティクスも両方やる。
「腸内環境改善のために、いい菌が含まれた味噌、ぬか漬けなどを摂る(プロバイオティクス)一方で、食物繊維やオリゴ糖を取って(プレバイオティクス)いい菌の増殖を促す。」いい菌もそのエサになるものも、両方とるのが大事。両方とることをシンバイオティクスなんて言い方もしますね。
③ アルコール、脂っこいもの、甘いものを減らす、避ける。
「当たり前に毎日食べてたけど、一旦すっぱりやめてみた。」なかなかの決意! かっこいい!! 漢方的な視点でまとめると、アルコールも脂っこいものも甘いものも「カラダの中の淀んだ水分、痰湿(たんしつ)を作るもの」です。
花粉症は水分代謝の異常と捉えますから、この対策は漢方的にも理にかなっています。
また、リーキーガットの原因と指摘されている小麦を減らしたという方も。麺やパン、お菓子などに含まれますので確かに無意識に多量摂取になりがちなものでもあります。これもまた漢方では痰湿のもとですし、腸活にも繋がっています。
もともとの習慣が皆さん違いますから、力を入れるべきポイントも、効果の表れ方も、人それぞれです。
しかし多くの人が陥りやすい習慣であることは花粉症に悩む人の数を見れば明らかです。「白米を玄米に変えたけど花粉症は変わらない」「〇〇菌が入っている商品を買い続けてるけど変化なし」とお嘆きの方、その方向は間違ってません!
でもあと一押し二押し、ご自身の体質改善には足りないのかもしれません。花粉症改善に本気でしたら「ここまでやれば何かしらの変化が見えるはず!!」くらいの新習慣を。応援しています!
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