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意外と多い? 1時間くらい走るランナーの「糖質摂取量」はこのくらい

糖質の適切な摂取量はその人の体型、運動習慣で大きく変わる。ではよく走るランナーなど、「有酸素運動好きの人」はどれほどの炭水化物量を摂れるのか。ここで一例を見てみよう。

体重70kgなら、490g。

筋肉には速筋と遅筋がある。ランなどのエアロ(有酸素運動)で活躍するのは遅筋。酸素を介して体脂肪を運動のエネルギー源として燃やす。その意味ではエアロは脂質メインの運動だが、体脂肪が燃えるときは糖質も必ず一緒に代謝される。ゆえに糖質の摂取も大切で、筋肉内に貯蔵されている糖質(グリコーゲン)の量はパフォーマンスを左右する。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)は体重と強度に応じて1日の糖質摂取のガイドラインを定める。1日1時間以内の中強度のトレーニングなら体重1kg当たり5〜7g、1日1〜3時間の中・高強度のエアロなら体重1kg当たり6〜10g。仮に体重70kgで7gなら、1日490gだ。

P=タンパク質、F=脂質、C=炭水化物のバランスはこんな感じ。

エアロマニアと糖質

大会前は増やしてもいい。

マラソンなどのレースに出る前に、カーボローディングを行う人もいる。その狙いは、筋肉に蓄積するグリコーゲン量の上乗せ。筋グリコーゲンが十分多いと、糖質の涸渇によるレース後半の失速が避けられる。

ローディングにはいろいろなやり方があるけれど、ACSMは90分以上続くレース本番の36〜48時間前に、1日に体重1kg当たり10〜12gの糖質を摂ることを推奨する。

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トレーニング日に摂取する糖質量の基準

エアロマニアと糖質
  • 1日1時間以内の中強度の有酸素トレ:体重(kg)×5~7g
  • 1日1~3時間の中強度から高強度の有酸素トレ:体重(kg)×6~10g

カーボローディングで摂取する糖質量の基準

エアロマニアと糖質

1日の糖質摂取量(36~48時間前):体重(kg)×10~12g

体重70kgで12gなら、1日840g。レース前夜に付け焼き刃で大盛りのパスタを食べるくらいでは、グリコーゲンは思ったように増えてくれないのだ。

取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 イラストレーション/松本セイジ 監修・料理製作/河村玲子

初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売

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