こんにちは! 漢方薬店「kampo’s(カンポーズ)」、薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。「教科書の知識を使える知識へ!」をモットーに、一見難しそうな漢方の知識を現代の生活にフィットするようにアレンジして実践(実験?)中です。
漢方視点で考える筋肉疲労とは。
記念すべき第1回目は直球、筋肉ネタでいきます。みなさまお好きでしょ? そういうの(笑)さて筋肉! ずばり筋肉!! もう一度言います筋肉!!!
熱心な『Tarzan』読者でしたら筋肉はしごいてナンボ、筋肉疲労なんてむしろウェルカムと考える方もいらっしゃるかもしれません。が、その筋肉疲労、放っておいていいことはありませんよね。この筋肉疲労に漢方の視点からアプローチしてみます。
キーは栄養を運ぶ「血(けつ)」にあり。
まず、筋肉と血(けつ)の関係です。血は「ち」ではなく「けつ」と読みます。栄養を運び、潤すはたらきがあるもので、筋肉を充実させたり関節の動きを滑らかにしてくれるものです。単純に血液を意味する「ち」とはちょっと違いますね。
さらに血(けつ)は陰の性質を持っています。陰の性質とは「静か、冷ややか、暗い」などで、反対に陽の性質は「活発、温かい、明るい」などです。陰と陽はバランスが取れていることが最も大事で、「陰はネガティブなものだから排除して陽でカラダを満たそう」と考えるのは誤りです。
トレーニングの後でカラダが温まっているのは陽にカラダが傾いている状態です。これを上手に陰陽のバランスの取れた状態に持ってきてあげるのが、後々まで疲労を残さないポイントと言えます。そのために重要なのが血(けつ)です。
血(けつ)の流れを整えよう。
筋肉や関節を上手に動かして、さらに陰の性質でカラダを整えようとしますから、血(けつ)はめちゃめちゃ使われます。消耗しすぎてカラダに血(けつ)が足りなくなると、こむら返りや貧血症状が出てしまうことも。
また、血(けつ)は意識・意欲・感覚などの精神活動の源でもあります。ぼんやりしてデスクワークが捗らないとか、変に冴えて眠れないなどで困った経験がある人も多いのでは。漢方的に見て、血(けつ)の充実は筋肉疲労の回復に欠かせないということ、お分かりいただけましたでしょうか?
次回、血(けつ)を充実させる方法・食材をご紹介したいと思います。