若鷹ジェット信介の名で活躍した元プロレスラーが営む、東京の「博多式天ぷら店」
かつて若鷹ジェット信介の名で活躍した元プロレスラー・炭谷信介さんが営む、「博多式」のカジュアルな天ぷらのお店とは?
取材・文/黒田創 撮影/北尾渉
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売
東京では希少な「博多式」。ファストフードな天ぷら。
「正直、僕はプロレス界で名を残したわけではありません。ただ、来場したお客さんには目いっぱい楽しんでもらおうといつも考えてました」
かつて若鷹ジェット信介の名で活躍し、現在東京・戸越で〈天ぷら若鷹〉を営む炭谷信介さんはそう謙遜する。しかし炭谷さんは故・橋本真也の弟子であり、その後一世を風靡した団体〈ハッスル〉に参戦。元横綱・曙と対戦したこともある人だ。
この元選手の店
炭谷信介(すみたに・しんすけ)/1977年生まれ。故・橋本真也が立ち上げたZERO-ONEでデビュー。その後ハッスル、ハッスルMAN’Sワールドに携わり、若鷹ジェット信介の名で活躍した。
「僕たち若手からすると、橋本さんはとにかく怖い人でした(笑)。でも今思うと新日本を出て団体のトップに立ったばかりで、橋本さんがピリピリしていたのもわかります」
当時はプロレス冬の時代。その後いくつかの団体を渡り歩いた後「生きるために」飲食業に軸足を移す。
「地元の福岡には揚げたての天ぷらをカウンターでカジュアルに提供する形の店が多いのですが、東京にはない。なら自分でやってみようと」
揚げたての天ぷらは軽くてサックサク。定食のラストはご飯に半熟卵の天ぷらを乗せ、濃いめのタレをかけて搔っ込む。これが美味なのだ。
「コロナで先行き不安でしたけど、天ぷらをアテに一人飲みするお客さんが増えて何とか乗り越えました。もっとたくさんの人に博多スタイルの天ぷらを味わってほしいです!」
INFORMATION
天ぷら 若鷹
東京都品川区平塚1-12-5、tel. 03-6421-5921。
営業時間は11時半〜14時(日祝15時まで)、18時半(日祝17時半)〜23時、火休(祝日の場合翌日)。天ぷらは単品追加オーダー可。