風呂場トレッドミルで家トレを工夫! プロトレイルランナー・石川弘樹さんの「おこもり太り」対策

限られたことしかできないからこそ生まれた、プロたちの創意工夫はすごかった!

取材・文/黒田創 撮影/北尾渉 イラストレーション/森拓馬

(初出『Tarzan』No.792・2020年7月22日発売)

プロトレイルランナー・石川弘樹さん

【体重】65kg(4月)→ 65kg(6月)

石川弘樹さん
いしかわ・ひろき/1975年生まれ。日本にトレイルランニングというスポーツを広めた第一人者。国内外のレースに参戦するほか、レースプロデュースも数多く行っている。

石川弘樹さんのおこもりスケジュール

石川弘樹さんのおこもりスケジュール
「今までは時間を充てられなかったインプットの時間もたっぷり作れました。ずっとあちこち飛び回る生活だったので、家で過ごすのが新鮮でしたね」と石川さん。

今日から即できる、滑り抜群な風呂場ドレッドミル。

「自粛が騒がれる前の3月、キッチンに洗剤と水を撒き、ツルツル滑る床をトレッドミルのように走っている動画を見て、もし自粛生活になったらやってみようと思ったんです。マシンと同じように自分のペースで足を動かせるし、これは家でのトレーニングに最適だなと(笑)」

そう話すのは石川弘樹さん。でも洗剤だと肌が荒れるし泡だらけになる可能性が。そこでオリーブオイルを使うことを思いついた。肌にやさしく、泡になることもない。

「思った以上に滑りがいいし、足運びもスムーズ。トレッドミルと違い機械のアシストがないのでカロリー消費量も多いはずですし、15分ほどで汗をかける。家の中で有酸素運動するのにもってこいなんです」

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床がタイルだとオイルを垂らしても走りにくいが、薄いアクリル板を敷けばよく滑る。ポイントは平らな場所にアクリル板を敷きテープで固定すること。こうすればオリーブオイルが流れにくい。転倒予防のために、壁面に装着できるタイプのグリップを2個取り付け、安全性を確保している。アクリル板と合わせてホームセンターで2,000〜3,000円。格安トレッドミルの完成だ。

リハビリのため家でも筋力を維持。

2年前に股関節を痛め、地道にリハビリを行う石川さん。自粛生活中も筋力を落とさずにカラダの機能を維持するべく、このほか部屋でのバイク漕ぎや階段トレーニング、ストレッチなども行っている。

後輪固定タイプの台なら省スペース。

後輪固定タイプの台なら省スペース

ロードバイクをローラー台に固定して室内バイクトレーニング。1時間ほど。股関節のリハビリも兼ねてゆっくり漕ぐ。家の中でも心肺機能を維持すべく欠かせないトレーニング。

階段の上り下りでオールアウト!

階段の上り下りでオールアウト!

登山用リュックに30kgの荷物を入れ(ウォーターバッグがベター)、家の階段を上り下り。さすがの石川さんも30分続けるとかなり疲れるとか。山歩きと一緒で下りに注意が必要。

家にいるなら食事少なめ、が基本。

家にいるなら食事少なめ、が基本

体重はあまり気にしないという石川さんだが、普段に比べれば活動量が減っている分、食事量は少なめに、野菜の割合を増やしたという。アスリートはこうして体重を維持するのだ。

「主催するレースが中止になるなどいろいろありましたが、家でやれることはこんなにあるんだなと気づかされましたね。運動以外でも音楽をじっくり聴いたり新しい試みを考えるなど普段できないことができたり。今後の糧になる期間でした」