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元プロレスラー・松永光弘が営む、自身のニックネームを冠したステーキハウス
デスマッチの開拓者が焼く徹底的に手をかけた極上肉。
有刺鉄線バットで相手を殴打し、ホールの2階からダイブ敢行。奇想天外なデスマッチで一世を風靡した松永光弘さん。引退しても数年後に復帰する選手が多いマット界で「絶対に復帰はない」と断言し、おいしいステーキを出すことに命を懸ける。

「ある店で食べたステーキが安くておいしく、自分もこんなお店をやりたいと修業しました。現役時代の97年に開店。ファイヤーデスマッチで血まみれになった翌朝も店で仕込む。当時はそれが当たり前でしたね」
松永さんが一品勝負する《デンジャーステーキ》はサガリという部位。ハラミの一部で味はいいが、脂と筋が多く仕入れ値は安い。これを毎日30kg分徹底的に叩き、丁寧に筋と脂を取り除いて立派なステーキ肉に仕立てる。体力自慢の元プロレスラーだからこそなせるワザだ。

「個人店でここまで徹底的に仕込むのはウチぐらい。一人一人のお客さんを大切にするよう心がけています。一度来てくれた人は忘れませんよ。お会計でうっかり多く貰いすぎてしまったお客さんが10年後に再度食べに来てくれたことがあったのですが、その時の分のお金をお返ししたらすごく驚かれて(笑)。でもそれって、自分の目が行き届くお店だからできることなんですよね」
INFORMATION

ステーキ MR.デンジャー
- 東京都墨田区立花3-2-12
- 電話番号/03-3614-8929
- 営業時間/17時~23時L.O.
- 定休日/水曜
取材・文/黒田創 撮影/北尾渉
初出『Tarzan』No.785・2020年4月9日発売