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より速く、より長く。ブルックス初のカーボンプレート搭載モデル《HYPERION ELITE》の秘密に迫る!
2020年2月29日、〈BROOKS(ブルックス)〉から最速レースモデル《HYPERION ELITE》(ハイペリオン エリート)が限定発売された。一体、どんなシューズなのか。先日行われたローンチイベントを振り返りながら、その魅力を紹介する。
取材・文/黒田創 撮影/北尾渉
満を持して登場した最新モデル。
アメリカにおけるランニングシューズのトップブランドである〈ブルックス〉は、1914年の創業以来、数々の革新的技術を搭載したランニングシューズを次々と世に送り出し、ビギナーから一流アスリートまで多くのランナーをサポートしてきた。
今回のイベントに先立ち、〈ブルックス〉の国内総輸入代理店であるアキレス株式会社の津端裕さんが登場。
「ミッドソール材が生む反発力と、可変形状カーボンプレートが生む推進力。さらには足首を安定させ、ふくらはぎの筋活動を軽減して走力を温存できる。〈ブルックス〉のクラフトマンシップを注ぎ込んだトップランナーのための一足です。ぜひ実際に足を入れて、体感してみてください」と《HYPERION ELITE》を紹介。
開発者と選手。それぞれの視点で語られる魅力。
さらに、《HYPERION ELITE》を手掛けた〈ブルックス〉の開発チーム「BLUELINE」のシニアマネジャー、ニキル・ジェインさんと、本来登壇予定だったものの新型コロナウイルスの影響で来日できなかった2018年ボストンマラソンで優勝を果たしたデジレ・リンデン選手がそれぞれビデオメッセージを寄せた。
「〈ブルックス〉のポリシーである“ラン シグネチャー”に根差し、トップランナーと共に開発したこのシューズは、すべてのランナーをより速く、より長く走れるようサポートしてくれるはずです」(ジェインさん)
「私はプロとしてのキャリアの10年間、ブルックスを信頼し続けてきました。ボストンマラソンでは《HYPERION ELITE》のプロトタイプを履いて走り、その42.195kmの途中でこのシューズが優れていることは明らかだと気づきました。最後まで足取りは軽く、誰よりも速く走って一番最初にゴールテープを切った。皆さんもぜひ試してみてください」(リンデン選手)
走りやすく、消耗が少ないフォームに導くシューズ。
イベントに登壇したのは、藤原新選手、下門美春選手、戸田雅稀選手。そしてランニングクラブ〈トップギア〉代表を務め、ヘッドコーチとして指導を行う傍ら、自身も多くのレースで好成績を挙げている白方健一さんの4名である。
最初に登壇した藤原さんは、このシューズについて「過去に履いてきたシューズの進化系。と言っても違和感はなく、全体のフォルムはオーソドックスなのだけど、自分がずっと馴染んできた中に新しいものが散りばめられている。そんな感じですね」とファーストインプレッションを述べた。
続けて藤原さんは「長距離をスムーズに走るには、着地の瞬間から蹴り出しまで足首やカラダの使い方にテクニックが求められる。いくら体力や筋力があっても、これができないとバタバタした力任せの走り方になってしまい、足を痛めたりレースの後半でバテてしまうのですが、《HYPERION ELITE》は着地してからスッと足が出てくれる。足のバネを無駄なく使って走れますし、その分エネルギーを温存できる。自分の調子がいい時の走りを引き出してくれるシューズです」と高く評価。
さらには、サブ3.5やサブ3を目指すような市民ランナーにとっても「無駄に力を消耗しない、走りやすいフォームに導いてくれるシューズになるでしょう」とも。これは期待が持てる。
2019年日本選手権1,500mで優勝した戸田選手は、「まずカラーリングがいいなと思いました。履いてみると踵にホールド感があって、全体的に安定感があるのが気に入っています。あとは硬さもいい感じですね。地面をはじく感覚で走れるので、推進力をしっかりと得られるんです」と、中距離走者ならではの感想を語ってくれた。
下門選手は「40km走、50km走でも最後まで疲れないし、長く走った後の回復も早い。ランニング中は着地時によく弾んで、足が戻ってくる感覚がありましたね。マラソンはふくらはぎの小さな筋肉よりも太腿やお尻の大きな筋肉を使った方が省エネで走れると言われますが、それを意識しやすいシューズです。あと、私は着地時に踵をつかない走りなのですが、これは爪先でしっかり芯を踏めるシューズですね」とコメントした。
白方さんは、「最近、市民ランナーの皆さんは全体的にタイムが上がっています。《HYPERION ELITE》を履くことで、市民ランナーにありがちな“こねて走る”のを防ぎやすくなり、さらにスムーズに前方へ体重移動しやすくなると考えられます。内蔵されたカーボンプレートがそれを実現していると感じました」とコーチ目線でコメント。
そのうえで「市民ランナーはシューズの特徴を最大限に引き出せるよう、カラダの準備をしてから履くといいでしょう」とアドバイスも忘れなかった。なお、ここで語られている市民ランナーとは、タイム向上を目指すランナーのこと。《HYPERION ELITE》は初心者が履きこなすのは難しく、怪我をする可能性もあるそうなので、くれぐれも無理はしないように。
〈ブルックス〉のイノベーションを加速させる、特別チーム。
イベントレポートは以上となるが、この《HYPERION ELITE》は4年もの歳月をかけて開発され、かつ社内で特別に結成されたチーム「BLUELINE」が深くかかわっているという。
そこで同社のニキル・ジェインさんに《HYPERION ELITE》の特徴や今後の展開、「BLUELINE」についてもコメントしてもらった。
Q1. 《HYPERION ELITE》は近年流行のカーボンプレートを採用した厚底シューズだが、このシューズならではの特徴とは?
我々の哲学である“ラン シグネチャー”に基づき、特に疲労が始まりフォームが崩れ始める、長時間のトレーニングランやマラソンの後半でも、安定したライドを提供できるよう設計しました。これが他社との大きな違いです。
フォーム材「DNA ZERO」は〈ブルックス〉史上最軽量でありながら、優れたクッション性を提供します。また、この軽量フォームにより、機能性に妥協することなく片足の重量が200g未満になるよう靴を設計することが可能になりました。
さらにミッドソールに組み込まれたカーボンファイバープレートの中央部分には、背骨のような0.5mmの太芯が搭載してあり、走行時に強力なスナップを提供します。
Q2. 《HYPERION ELITE》はエリート向けという印象を受けるが、ファンランナーや中級レベルでも履きこすことは可能か。
《HYPERION ELITE》は、2018年ボストンマラソン女子優勝者のデジレー・リンデンらと協力し、世界のトップランナー向けのシューズとして開発しました。
ファンランナー向けの靴ではありませんが、ランの楽しさを広げてくれるシューズなので、タイム向上を目指すランナーにもぜひ試してほしいですね。
ただ、走りがかなりアグレッシブになってしまうため、オーバーペースにならないよう徐々に慣らしていくようにすることが不可欠です。
Q3. 今後のシューズ開発について、どのような展開を考えているか。
軽量で反発力が高く、クッション性に優れたフォームが開発されたおかげで、現代のランニングシューズは今まで以上に多くの利点をランナーに提供しています。
よりハードにトレーニングでき、より早く回復し、より速くレースを走れる。良いシューズはランナーに素晴らしい体験を提供します。このトレンドは今後も続くでしょうし、ロードレーシングシューズに搭載されるカーボンファイバープレートなどの新素材やテクノロジーによって、ランナーの可能性は最大限に引き出されることでしょう。
我々は常に数年後のランニング競技やランナーのインサイトを見据えて、プロダクトを開発しています。我々の開発のベースにある“ラン シグネチャー”に基づき、皆さんに驚きのランニング体験を提供出来るシューズの開発はすでに進んでいます。
Q4. 開発チーム「BLUELINE」とはどういった存在なのか。
「BLUELINE」は、言うなればGame Changer(ゲームチェンジャー)的存在です。〈ブルックス〉のイノベーションをさらに加速させて、すべてのランナーを鼓舞するべく、最先端技術や生体力学的研究を活用します。そうして、“ゲームチェンジ”できる革新的なプロダクトをランナーに提供することを目指しています。
《HYPERION ELITE》は、小田急百貨店新宿店ハルクスポーツをはじめとする10店舗のほか、〈ブルックス〉公式サイトで限定発売中。また、「DNA FLASH」をミッドソールに塔載した《HYPERION TEMPO》も同タイミングで発売されている。こちらも、ぜひチェックしてみてほしい。