生理があまりに重い、痛い…。その症状、病気のサインかも
「生理だから」という理由だけで我慢しているその症状には、もしかしたら隠れた病気が潜んでいるかもしれません。産婦人科医でイーク表参道副院長の高尾美穂医師にお聞きしました。
取材・文/黒澤祐美 撮影/山城健朗 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/大谷亮治 <br /> イラストレーション/平野瑞恵 取材協力/高尾美穂(産婦人科医・イーク表参道副院長)
初出『Tarzan』No.782・2020年2月22日発売
いつもの生理と違う、と感じたら。
生理時の経血量が多い、あるいは生理の日数が長い。そんな異常には隠れた病気が潜んでいるかも。
「生理の正常周期は生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの1クールが25〜38日。さらに生理の持続日数が3〜7日で、経血量が多い日の前後に少ない日がある生理は正常です」と言う、高尾先生。
「経血量に関しては、”ナプキンを替えるタイミング(3〜4時間)で夜用がいっぱいになる””タンポン+ナプキンの併用でナプキンがいっぱいになる”ようであれば、経血量に異常があると判断してください」
生理時の症状チェックリスト
次の6つのチェック項目のうち、ひとつでも当てはまるものがあれば、次に挙げる病気が潜んでいる可能性が高い。一度婦人科で血液検査や超音波などの検査を受けて、カラダの中の状態を把握しておきましょう。
- 生理痛がひどい
- 下腹部が張る、痛む
- 経血の量が多い、 または期間が長い
- 頭痛、めまい、 吐き気がする
- 寒け、発熱を伴う
- 乳房が痛む
・月経困難症(過多月経・貧血)
身体的な原因がないにもかかわらず、過剰な収縮痛が出る「機能性月経困難症」と、子宮や卵巣の病気が原因で起こる「器質性月経困難症」の2タイプがある。30代半ばから起こりやすいのは後者。
・PMS
月経前の3〜10日間に腹痛、頭痛、肩こり・腰痛といった身体的症状と、イライラ、抑うつ、集中力低下といった精神的症状が出る。ただしこれはきちんと排卵があり、プロゲステロンが出ている証拠。
・子宮内膜症
本来なら子宮の内膜だけにあるはずの子宮内膜が、卵巣や卵管、腹腔などにできる病気。これらも子宮内膜同様に増殖や出血を繰り返すも、血液は体外に排出されず、生理のたびに炎症が起こる。
・多囊胞性卵巣症候群
卵巣の中に卵胞と呼ばれる卵のもとがたくさん詰まった状態を多囊胞性卵巣という。排卵しにくく、月経不順が認められ、ホルモン値の異常がある場合は多囊胞性卵巣症候群と診断され、不妊のリスクが高まる。