性欲も相性もホルモン次第。知っておきたい、テストステロンのこと
性欲も相性もすべてホルモン次第。セックスの神髄はホルモンにあり。だからこそ、ちゃんと知りたいテストステロンのこと。
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 ヘア&メイク/天野誠吾 スタイリスト/高島聖子 取材協力/関口由紀(女性医療クリニックLUNAネクストステージ)、久末伸一(千葉西総合病院泌尿器科部長)、菅原順二(アランチャ)
初出『Tarzan』No.782・2020年2月22日発売
性欲は何が司るのか?
男性らしさを作るのは男性ホルモン、女性らしさを作るのは女性ホルモン。ならば、性欲も各々のホルモンが司るのでは? と思ったらさにあらず。実は男女の性欲はともにテストステロンという男性ホルモンが司る。
男性の場合、テストステロンは主に精巣から分泌されて性欲の元になるが、女性も副腎や卵巣から微量ながらテストステロンを分泌している。
女性は排卵日直前にテストステロンの分泌量が増えて性欲が増すのが一般的。妊娠の確率が高まるタイミングで性欲が同調するのは生物学的に見ても合理的なシステムだが、興味深いのが閉経とともに女性ホルモンのエストロゲン値が下がるのに、テストステロン値はほぼ変わらない点。
年齢を経て急に男性タレントに熱狂したり、ボディビルに勤しむなど元気な女性が増えだすのは、実はこのあたりに理由があるのかもしれない。
愛情の継続もホルモンが関係する?
「愛情の継続って、要はお互いの気持ちひとつでしょ?」なんて思われがちだが、実はそんな人間の情動にもホルモンは密接に関わっている。その名もバソプレッシンとオキシトシンというホルモンだが、女性ホルモンのエストロゲンと深く関わっているオキシトシンに特に注目。
このオキシトシン&エストロゲンのタッグは母性に強く働きかけるのが最大の持ち味で、自らと社会とのつながりを重視し、パートナーへの愛情はもちろん、周囲の人間にも手を差し伸べる自己犠牲の精神を持つ傾向が強くなる。
一方でバソプレッシンはテストステロンと相性が良く、無鉄砲でやりたいようにやるぜって、大きな障害も克服できる力強いタイプ。人間のタイプを形作るのもホルモンの仕事ってわけ。
テストステロン&バソプレッシン
- 向こう見ず、無鉄砲になる
- 怒られることを恐れない
- 困難を克服しようとする
- 周囲の空気を読めない
- 私欲でギラギラする
オキシトシン&エストロゲン
- 自己を犠牲に人を守る
- 体内バランスを維持する
- 仲間意識が上がる
- 周囲の空気に敏感になる
- 仲間に手を差し伸べる
オキシトシン&エストロゲンのコンビは仲間意識の高まりや空気を読むといった傾向が見られる一方、テストステロン&バソプレッシンはわがままで状況判断ができない傾向が強くなる。