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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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「甲子園のテーマソングを聴くと、今でも試合に負けたときの悔しさを思い出します」。話題の芸人が振り返る高校球児時代のメモリアルソング。
身長180cm以上もある巨大なカラダ、全身オレンジ色のスポーツウェア、そして丁寧になりすぎるあまり独特のテンポになってしまう話し方。
突っ込みどころの多さからテレビで話題になる機会も増えているお笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行さんは、高校野球の強豪・済美高校で投手として活躍した野球児として知られています。
惜しくも県大会の決勝で敗れて甲子園出場は叶いませんでしたが、その後もトレーニングを重ねた結果、2018年には自身初となるをマーク。さらに2019年には、その優れた身体能力を活かしてファウストボールの日本代表にも選出されるなど、芸人としては規格外な才能を発揮しています。
そんな高岸さんのプレイリストは、野球部の仲間たちと過ごした頃の思い出で彩られていました。もし可能なら、どこかで高岸さんの話し方を頭にインプットしてからご一読ください!
トレーニングは僕の日課です。仕事がなければ、朝7時にはグランドに足を運んで3~4時間ほど汗を流すようにしています。
まず取り組むのがダッシュです。30m、20m、10mと距離を短くしながら10本ずつ走ります。それが終わったら、四足歩行で20mを両手と両足で大地のパワーをしっかりと感じながら5回走ります。
この四足歩行は、大学生の頃にコーチから教えてもらったのですが、全身運動になるうえに体幹も使うし、さらには柔軟性も必要と万能なトレーニングなんです。しかも四肢のタイミングがうまく噛み合わないとうまく前に進みません。野球のピッチングと同じですね。上半身と下半身の動きがバラバラだと球速が出ないんですよ。
次に取り組むのが野球のボールを使った練習です。壁当てのほかに、ピッチングや遠投を週に2~3回ずつ行います。また、ファウストボール(ドイツ発祥のスポーツ。バレーボールの原型と言われている。拳や腕を使ってボールを敵陣に入れれば得点になる。1セット11点マッチで3セット先取したチームの勝利となる)を河川敷で週に1度の頻度でチームのみんなと一緒にプレイしたり、スポールブール(世界最古の球技ひとつと言われている。発祥はフランス発祥。全部で6種目あり、そのうちのひとつはオリンピック種目に採用される可能性があるという)を週に2回ほど先生に教わりながら練習したりしています。
とはいえ、実はノルマのようなものは設定していません。ダッシュの本数や壁打ちの球数はだいたい決めていますが、その日の体調やコンディションを重視することの方が大切だからです。人間、健康でいること、ケガをしないことが第一!
僕のプレイリストは、ほとんどが中学から大学まで野球を励んでいたときに聴いていた曲です。
たとえば、ファンキーモンキーベイビーズさんの「あとひとつ」は、僕らの代の甲子園のテーマソングでした。聴くたびに悔しい思い出が蘇ってくるのですが、それ以上に心を奮い立たせてくれます。今でも挫けそうになる瞬間があります。そんなときは、たくさんの仲間と切磋琢磨した日々のことを、曲を通じて思い出して自分を奮い立たせるようにしています。
DREAMS COME TRUEさんの「うれしい楽しい大好き」は、高校の寮で先輩が爆音で流して、みんなでノリノリになって歌ったことがあって、それ以来大好きな曲になりました。やれ! 行け!という気持ちになれるので、それで次の日も頑張れるんです。
それに僕は「夢」という単語が大好きで。別に大きなものじゃなくてもいいんです。お茶を飲もうと思うのも、今日の夜にハンバーグを食べたいと思うのも夢ですから。それが原動力になって、人は動くわけです。ハンバーグを食べたいと思うから、びっくりドンキーに行くわけです。
ジャパハリネットさんは、済美高校がある愛媛出身のバンドで、先輩から教えていただきました。なかでも「哀愁交差点」は地元を離れて挑戦する曲なんですが、僕自身、地元の滋賀県を離れて愛媛県に来たこともあり、自分と重なり合う部分が多くてすごく胸を打たれました。
ほかにも、爆風スランプさん、ZARDさん、HOME MADE家族さん、サンボマスターさんなども歌詞が本当に良くて。できっこない、無理だと思った瞬間に踏ん張れる。そして、失敗してもいいからとにかくやることが大切なんだと気づかされます。
もしかしたら僕のことをストイックな奴だと思うかもしれません。でも、それは違います。僕がトレーニングを続けているのは、世界中のみなさんのためなんです。
野球ひと筋だった頃は、自分のことばかり考えていました。でも、そうした生活を終えてから、多くの人に支えられてきたことに気づきました。だから次は、みんなを応援したい。正直な話、僕のことなんてどうでもいい! 何歳からでも挑戦できること、成長が約束されていることを伝えたいだけなんです。
僕は「やればできる」といろんなところで言っているのですが、僕が考える「やればできる」は「やれば成功する」ではなく、「やればベストを尽くせる」という意味なんです。成長は誰にでも約束されているんです。
たとえば、僕は野球のプロを諦めた後も練習を続けた結果、2018年に人生ではじめて球速150km/hを投げることができました。でも、これは特別なことではありません。やればできる! それだけなんです。
人生は何事もチャレンジです。食べるのもチャレンジ! 旅行もチャレンジ! 出会いもチャレンジ! スポーツもチャレンジ!
そうやって僕がチャレンジを続けることで、世界中の人に勇気を与えられる存在になりたいです。
※ 記事冒頭のSpotifyプレイリストには、配信に対応している楽曲のみ登録しています。
高岸宏行(たかぎし・ひろゆき)/1992年生まれ。お笑いコンビ・ティモンディのボケ担当。現在の相方である前田裕太とともに私立済美高校の硬式野球部に所属。高校3年次には夏の甲子園愛媛県大会に投手として出場し、準優勝を飾る。大学でも野球部に所属し、球速147km/hを記録。故障でプロを断念するも、2018年には自身初の球速150km/hをマークした。2019年4月からはファウストボールの日本代表としても活躍。それ以外にもスポールブール、キンボールなどの種目にも挑戦中。
取材・文/村上広大、石川優太 撮影/玉村敬太