脳波をモニタリングして睡眠導入! 最新の睡眠テクノロジー3選|ターザン的「CES 2020」現地レポート(8)
フィットネスやヘルスケア分野の最先端も集まる「CES 2020」を、ターザン的目線でレポート。睡眠テクノロジーアイテムのなかでも選りすぐりの3点を、毎年現地を訪れているトレーナー中野ひろゆきさんが体験してきました。
取材・文・撮影/中野ひろゆき
近年の健康テクノロジーの中でも、最も注目されているカテゴリーの1つが「SLEEPテクノロジー」。一般的な睡眠の質を向上させるテクノロジーと言えば、「ベット・枕・布団」と「硬さ・重さ・肌触り」と直感的にも“わかりやすいもの”でしたが、「CES 2020」で紹介された「SLEEPテクノロジー」は非常に近未来的でした。
最新SLEEPテクノロジー3選
- 好みの音楽の周波数を変える《A1》
- 脳波をモニタリングして睡眠導入《KANG》
- AIが睡眠環境を整えるベッド《Clime 360》
1. 通勤中のうたた寝のお供に!
初めに紹介するのは、好みの音楽を「リラックスミュージック」に変えてくれるSLEEPテクノロジーです。2019年に発売が開始されたNEUROGIX社の《A1》 は、一見するとごく一般的なワイアレスイヤフォン。しかし、これには視聴中の音楽の周波数を微妙に変化させるテクノロジーが内蔵されているんです。
そのテクノロジーの鍵は、1839年に発見された第3の周波数「バイノーラルビート」という、音を聞いた際に生じる、左右の耳で感知する周波数の「左右差」。この左右からの周波数の違いがポイントで、脳内で音を合成させるときに発生する「シータ波」が脳をリラックス状態に誘導すると言われています。
世界初RBSテクノロジー(国際特許)を採用した《A1》は、好みの音楽の音質を下げずに、“周波数の変化”で睡眠を助けるアイテムです。 販売価格39,600円。
2. パワーナップをスムーズに!
2つ目は、脳波をモニタリングして睡眠導入を行う「SLEEPテクノロジー」。2019年に発売が開始されたBrain Up社の《KANG》は、最近話題の“パワーナップ”に特化した製品です。
ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大、清華大学(中国)出身の“天才”たちが紹介するこのテクノロジーは、BCI(ブレイン・コンピュータ・ インターフェース)を活用したもので、《KANG》はパワーナップに特化してサポートする製品です。
パワーナップとは、言ってみれば「お昼寝」のこと。正しいパワーナップのやり方は、30分以内で仮眠を取ると良いと言われています。しかし、実際にパワーナップを行おうと思っても、昼間の騒音や忙しい時間帯にすぐに睡眠に入ることは至難の技。
そこで《KANG》は、より効率的に30分以内の睡眠を確保できるよう、デバイスからの超音波を用いて直接「バイノーラルビート」に働きかけるそうです。パワーナップに特化したこの睡眠テクノロジーは、多忙なサラリーマンの生活を激変させるかも! 販売価格$400(約44,000円)。
3. AI搭載のベットが登場!
自分に合ったベットを探す時代は終わるかも? これからはベットが自分に合わしてくれます! 2021年販売予定のSleep Number社のベット《Climate 360》は、まさにハイテクベッド。
AI機能が搭載されており、(1)ベットの温度を変化させ体温をコントロールする機能、 (2)好みの硬さを常に(寝返りをうっても)キープする機能が搭載されており、全てを「ご主人様のお好み通りに」保ち続けてくれるスーパーコンシェルジュベット。販売予定価格はクイーンサイズで$7,999(約880,000円)。