プロロードレーサー新城選手、自転車での脂肪燃焼を諦めた私にアドバイスを!
いつしか乗らなくなった自転車やスルーしがちなバイクマシン、今こそフル活用しよう。「乗らなくなった理由」に対する、プロロードレーサー・新城幸也選手からのアドバイス。
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志
初出『Tarzan』No.779・2020年1月4日発売
ランや水泳に比べて無理なく続けられそうな自転車だが、乗り方次第でいいカラダになれる。そのことはプロロードレーサーの新城幸也選手の肉体が実証済み。
「毎年1か月のオフの間は自転車に一切乗らないので約5kg体重が増えます。でもオフが明けてタイへ合宿に行き、毎日200km走り込むうちに絞れていきます」
カラダづくりは大体2か月。最初の1か月は筋肥大するため体重が増加。2か月目以降はムダな脂肪が落ち、適正な体重になる。
「乗り始めの時期は速度も体型も日ごとに変わって楽しい。18歳で渡仏した時は日夜走り回っていましたが、朝起きるたびに、昨日よりも強く引き締まったカラダになるのを実感しました」
“脂肪を燃やすには長い時間走ること”と断言する新城選手。
「初めから全力で漕がないことも大切です。いきなりペースを上げると後々ペダルを踏めなくなるのは僕も同じ(笑)。軽めのギアでラクに走るのが一番です!」
もう一度自転車に乗ろうか、と家に眠る自転車を思い浮かべた人もいるはず。そこで今回、新城選手に自転車を宝の持ち腐れにしてしまった人たちから聞いた“乗らなくなった理由”に対するアドバイスをもらったので、ご参考に!
Q. 忙しくて走る時間を長く確保できません。
「短時間でも脂肪燃焼は狙えます。スプリントに挑戦するのもアリ!」
走る時間を長く取れないなら、限られた時間でも充実感を得られるようなメニューを組んでみるのはどうでしょう。
例えば、短時間を全力で走る“スプリント”にトライしてみる。僕の練習でも取り入れているメニューでは、20秒間のスプリント→40秒休憩 or 10秒間のスプリント→50秒休憩を5本、計2セットやることも。“そんなに頑張れないよ〜”という人は、回転数110くらいで5分間思いっきり走るのもいいでしょう。
脂肪燃焼には長く走ることと言いましたが、限られた時間でも走り方次第で脂肪燃焼を十分狙えます。運動強度が高い“宿題”を自らに課しましょう!
Q. 走る道がパターン化して最近マンネリ気味です。
「いつも走るコースの信号に注目。面白いゲームができるんです!」
マンネリかぁ…。目的意識を持たず漠然と走っているとどうしても飽きが来るのかも。僕がおすすめしたいのは“青信号のうちにどこまで走れるか”ゲーム!
信号が切り替わるタイミングは時間帯によっても変わりますし、速く走れば全部青信号のうちに渡れるとも限らないので同じ道でもコースにある信号や走り方の研究が必要です。コースで赤信号につかまらないと、達成感もありますし、サイクリスト仲間にちょっとドヤれます(笑)。
僕も日本にいる間は自宅から練習する山までいつも同じ道を走るので、このゲームをやってるんですよ。同じ道でも全く飽きません!
Q. 自転車に乗り始めると脚が太くなる気がする。
「太腿やふくらはぎが張るのはギアが重すぎることが原因かも。」
一生懸命漕ぎすぎているのかもしれません。重すぎるギアで走っていませんか? 脚が太くなるのは脚の筋肉が発達したから。今までよりギアを軽くして回転数を上げてみてください。足首を使って漕ぐ〝アンクリング〟もふくらはぎが肥大しやすいのでご注意を。
僕はジムには通わず自体重トレもしませんが、脚の筋力強化は必要です。自転車はペダルを蹴るスポーツでなく踏み込むスポーツですからね。ギアを重くして少ない回転数で走るSFR(スローフリクエンシーレボリューションズ)は、僕の初期のトレーニングの定番になるくらいですから、ラクに走るのが一番です。
Q. 正直メンテナンスがめんどくさい…。
「自動車のメンテと考え方は同じ。自転車も自分でやる必要ナシ!」
自分でメンテしようなんて思わなくていいんですよ。僕自身、一切自分ではメンテナンスせず、メンテのプロに見てもらいます!
皆さん、自動車のメンテナンスを自分でやりますか? 専門店にまず持っていきますよね。それと同じで自転車もプロにお任せすればいい。月1ペースでいいので見てもらえば“タイヤ消耗してますね”“チェーンの替え時です”などと教えてくれるはず。だから普段は自転車に乗る前にタイヤの空気とブレーキの利き具合を見れば十分です。
あと僕は汚れが気になれば洗車します。といっても、台所用洗剤で洗って水で流してしっかり乾かすだけですが…。