鍛錬の誓いを胸に! 「筋トレおせち」15品で新年を寿ぐ
伝統おせちもいいけれど、鍛える者にふさわしい、タンパクリッチなおせちで新年をスタートだ。
取材・文/黒澤祐美 撮影/大嶋千尋 料理製作・栄養監修・スタイリング/美才治真澄(管理栄養士)
初出『Tarzan』No.732・2017年12月14日発売
目次
脂質は少なく、タンパク質はたっぷり。
正月といえば一年の健康と幸せを願う大切な行事。トレーニーにおいては目標を再確認し、気合を入れ直す絶好のタイミング。
そこで、皆さまが日々健康にトレーニングに励めるよう願いを込めて、『ターザン』では簡単に作れる「筋トレおせち」をご用意しました。作っていただいたのは、本誌でもお馴染み、管理栄養士の美才治真澄さん。
「おせちはしょう油、みりん、酒、出汁を使った甘辛い味付けや、甘さをしっかりつけたものがほとんどで、全体の味が平板になりがち。栄養的にも砂糖、みりん由来の糖質が多く、ビタミンやミネラルが少ないのが特徴です。そこをトレーニーに向けて改良、味付けにもバリエーションを出しました」
脂質は少なく、タンパク質はたっぷり。そこに米、根菜、果物等で適量の糖質を加えて筋肉のさらなる成長を狙ったスペシャルおせち。“腰が曲がるまで長生きできるよう”、海老もどーんと入っていますよ。
1. 小さい丸おむすび
筋トレ後の筋肉の回復と成長にとっては、タンパク質と糖質を一緒に摂ることが大切。糖質源であるおにぎりは、お重に合わせて小さめに握るのがポイント。
材料(2人分)
- 胚芽ご飯…300ℊ
- A(シイタケ…2個、マッシュルーム…2個、ターメリックパウダー…小さじ1、顆粒コンソメ…小さじ1、オリーブオイル…小さじ1/2)
- B(ドライトマト〈刻む〉…大さじ1、オリーブ〈刻む〉…大さじ1、粗挽き黒胡椒…適量)
作り方
- Aのシイタケ、マッシュルームは4つ割りにする。フライパンに入れてじっくり焼く。
- きのこ類から水分が抜けたらフライパンの端によけて、空いたスペースにオリーブオイルを入れてターメリックパウダー、顆粒コンソメを炒める。ご飯半量を加えてよく炒め合わせる。
- ボウルに残りのご飯を入れ、Bを入れて混ぜる。
- 2、3をそれぞれ丸く握る。
2. スチーム野菜&トンノソース
煮しめは下準備が大変で、丁寧に作ると時間がかかるもの。そこで今回はレンジによる蒸し野菜&ディップに変更。手軽に数種類の野菜が摂れるうえに華やか。
材料(2人分)
- ロマネスコ、紅芯大根、赤カブ、金時ニンジン、黄ニンジン、ミニトマト、レンコン、ヤングコーン、芽キャベツ、スナップエンドウ、里芋、百合根…各適量
- トンノソース(ツナ…100g、卵黄…1個分、アンチョビ…2枚、ケッパー…小さじ2、レモン汁…小さじ2)
- ピンクペッパー…適量
作り方
- 野菜は食べやすく切ってレンジで蒸す。
- ソースの材料をブレンダーでなめらかになるまで攪拌し、ピンクペッパーを乗せる(すり鉢でもOK)。
3. 殻付き海老のエスニックグリル
おせちの定番「海老の黄金焼き」の代わりにこちらを。高タンパク&低脂質で優秀な海老を、下味にさっと絡めて焼くだけと簡単。エスニックなお味が新鮮!
材料(2人分)
- 有頭海老…6尾
- A(ナンプラー…小さじ2、トムヤムクンの素…大さじ2、ライム果汁…小さじ2、白ゴマ…小さじ1)
作り方
- 有頭海老は髭を切り、殻の隙間から楊枝を刺して背ワタを取る。
- ボウルにA、1を入れてよく混ぜ、10分ほど置く。
- 中火に予熱したグリルに2を並べ、こんがり焼いて白ゴマを散らす。
4. フライパンローストビーフ
おせちの花形。寝かせる時間は必要だがオーブンを使わずにフライパンで作れるので、トライしやすい。赤身で脂質の少ない牛ももまたはヒレを使うこと。
材料(3〜4人分)
- 牛もも肉(ブロック)…400g
- オリーブオイル…大さじ1/2
- 塩 小さじ…1
- 胡椒…適量
作り方
- 牛肉は焼く1時間ほど前に冷蔵庫から出し、室温に戻す。塩、胡椒を全体にまぶす。
- フライパンにオリーブオイルをひき、強めの中火にかける。1を入れ、焼き色がつくまで1面につき90秒ずつ焼く。蓋をして火を止め余熱で火を通す。4分置いたら裏返し、また蓋をして4分置く。
- フライパンから取り出してアルミホイルで包み、1時間休ませてから、薄くスライスする。
5. オイルサーディンのサルサソース
砂糖の甘さが強いいりこの田作りは、食べやすいオイルサーディンにチェンジ。筋肉にエネルギーを補給する際に必要なビタミンEも摂れる。
材料(2人分)
- オイルサーディン…小10尾
- 黒胡椒…適量
- サルサソース(ミニトマト〈ざく切り〉…4個分、紫玉ネギ〈みじん切り〉1/10個分、万能ネギ〈小口切り〉…4本分、レモン果汁…大さじ1、チリソース…小さじ1/3、塩…小さじ1/8)
作り方
- オイルサーディンは油を切って胡椒を振り、缶のまま予熱したトースターかグリルで焼き色がつくまで焼く。
- サルサソースの材料を合わせて1と和える。
6. 鮭とブロッコリーのレンジ焼売
鮭単品の焼き物よりも、抗酸化力が高くビタミンCも多いブロッコリーを組み合わせることで、トレーニー向きの栄養価に。レンジで手間なし、冷めても美味。
材料(2人分)
- タネ(紅鮭or白鮭…1切れ、長ネギ〈みじん切り〉…3cm分、卵白…1/2個分、片栗粉…小さじ2、塩…小さじ1/8)
- ブロッコリー…6房
- 生姜あん(生姜〈すりおろし〉…小さじ1、出汁1/3カップ、塩…小さじ1/10、水溶き片栗粉〈片栗粉…小さじ1+水…小さじ2〉)
作り方
- 鮭は皮と小骨を除いて、包丁で身を叩く。
- ボウルに1、それ以外のタネの材料を入れて粘りが出るまでよく混ぜる。
- ブロッコリーを裏返し、凹みにスプーンで2をこんもりするように詰める。
- 平皿に3を並べ、ラップを一部開けてふんわりかける。電子レンジで3分半〜4分半加熱する 。
- 小鍋にあんの材料を入れて火にかけ、煮立ったら火を弱めて水溶き片栗粉を回し入れる。とろみがついたら4を入れあんを絡める。
7. 黒大豆とカリフラワーの浅漬け
筋肉の形成・回復を助けるカリウム、貧血を予防する鉄が豊富な黒豆を、カリフラワーとともにさっぱり浅漬けに。一度にたくさん作っても5日は保存が利く。
材料(2人分)
- 黒大豆〈蒸し煮〉…1/3カップ(70g)
- カリフラワー…1/6個
- A(赤ワインビネガー…大さじ2、ニンニク〈みじん切り〉…小さじ1/3、塩…小さじ1/6、オリーブオイル…小さじ1)
- 金箔 適宜
作り方
- カリフラワーは薄切りにする。ボウルに黒大豆、カリフラワー、Aを入れて混ぜ、味が馴染むまで15分ほど置く。金箔を飾れば正月気分アップ。
8. 鶏肉のクイック燻製
鍋に茶葉と砂糖を入れて火にかけ、そこから出る煙で鶏を燻すクイック燻製。燻す間に鶏皮から脂肪が落ち、仕上がりはおせちの定番、八幡巻きよりヘルシー。
材料(2人分)
- 鶏胸肉orもも肉…200g
- しょう油…大さじ2
- みりん…大さじ2
- 酒…大さじ1
- ほうじ茶(茶葉)…大さじ3
- 砂糖…大さじ3
作り方
- しょう油、みりん、酒をボウルに入れ、鶏肉を漬けて30分ほど置く。
- 1の鶏肉の水気をキッチンペーパーで拭き取り、くるくると巻いてタコ糸で縛る。鶏肉の大きさに切ったオーブンシートに乗せる。
- フライパンの底全面にオーブンシートを敷き、その上にほうじ茶と砂糖を入れて薄く平らにする。
- 3を強火にかけ、煙がもくもく立ってきたら2を乗せる。フライパンと同じ直径のボウルを裏返してかぶせ、中火にして45分ほど加熱する。タコ糸を取り、食べやすい大きさに切る。
9. スモークサーモンの大根バジル巻き
スライス大根でスモークサーモンとバジルを巻いたもの。サーモンには糖質の代謝に必要なビタミンB1とタンパク質の代謝に必要なビタミンB6が豊富。
材料(2人分)
- スモークサーモン…8枚
- 大根…3cm
- バジル…8枚
- とろろ昆布…適量
- 塩…適量
作り方
- 大根はスライスして、塩を振る。しんなりしたら流水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭く。
- 1にバジル、スモークサーモンを乗せ、くるくる巻いて、さらにとろろ昆布で巻く。
10. 数の子入りおからポテサラ
きんとんの黄色はお重に映えるけれど、甘すぎるのがちと難点。そこでサツマイモからおからに替えてポテサラ風にアレンジ。数の子からはビタミンEが摂れる。
材料(1人分)
- おから…50g
- 塩抜きした数の子…1/2本
- 黄ミニトマト…2個
- 黄パプリカ…1/4個
- 塩…ひとつまみ
- A(ヨーグルト…大さじ3、カロリーハーフマヨネーズ…大さじ1/2、レモン汁…小さじ2、おろし生姜…小さじ1、昆布茶…小さじ1)
作り方
- おからは耐熱ボウルに入れ、電子レンジで1分ほど加熱する。Aを加えて混ぜ、冷ます。
- 数の子は一口大、ミニトマトは4つ割りにする。パプリカは薄切りにして塩で揉み、しんなりしたら水気を絞る。
- 1に2を加えて全体を和える。
11. 半熟卵の珍味のせ
砂糖がたっぷり使われている伊達巻きは避け、あえてシンプルな半熟卵を。粒ウニとイクラをトッピングすれば豪華になるし、ビタミンA、Eも摂取できる。
材料(2人分)
- 卵…2個
- イクラ…小さじ2
- 粒ウニ…小さじ2
- 黒ゴマ…適量
作り方
- 卵は半熟状に茹でる(沸騰した湯に卵を入れ、強火で7〜8分煮て、すぐに氷水に取って冷ます)。
- 半分に切り、イクラと粒ウニ、黒ゴマをトッピングする。
12. タコとカブ、香菜の粒マスタードマリネ
そのまま食べられる茹でダコを使い、材料を和えただけのお手軽マリネ。火を使わないので、カブと香菜に含まれるビタミンCを壊さず摂取できる。
材料(2人分)
- 茹でダコ…1本
- カブ…1個
- 香菜…6本
- A(粒マスタード…小さじ2、オリーブオイル…小さじ1、胡椒…適量)
作り方
- タコはぶつ切りに、カブは皮付きのまま乱切りにする。香菜はざく切りにする。
- ボウルにAを入れて合わせ、1を加えて和える。
13. ゴボウの赤ワイン煮
叩きゴボウは食材の下処理や下煮に手間がかかるけれど、切って煮るだけの赤ワイン煮ならスピーディに作れる。食物繊維たっぷりの、ワインに合うおつまみ。
材料(2人分)
- ゴボウ…20cm分
- タイム…3本
- A(赤ワイン…1/2カップ、醬油…小さじ2、はちみつ…小さじ2)
作り方
- ゴボウはたわしで軽くこすって泥を落とし、5cm長さに切ってさらに縦半分に切る。
- 鍋にA、1、タイムを入れて中火にかける。煮立ったら弱火にしてオーブンシートなどで落とし蓋をし、煮汁がなくなるまで20分ほど煮詰める。
14. かまぼこのカッテージチーズ&タラコ挟み
縁起の良い紅白かまぼこには、低脂質なタンパク源であるカッテージチーズと、タンパク質の合成に関与する亜鉛を含むタラコを挟んで栄養価アップ。
材料(2人分)
- 紅かまぼこ…4cm
- 白かまぼこ…2cm
- カッテージチーズ…大さじ2
- わさび漬け…小さじ1
- タラコ(ほぐし身)…大さじ1
- 青ジソ…6枚
作り方
- カッテージチーズとわさび漬けを混ぜる。
- 1cm幅に切って真ん中に切れ目を入れたかまぼこに青ジソを挟み、紅かまぼこには1を、白かまぼこにはタラコを挟む。
15. 切り干し大根とドライマンゴーのなますサラダ
食物繊維やカリウムが豊富な切り干し大根で作ったなます。ニンジンのβ-カロテン、ドライマンゴーのビタミンE、柚子のビタミンCで抗酸化力もアップ。
材料(2人分)
- 切り干し大根…20g
- 金時ニンジン…4cm
- ドライマンゴー…20g
- 柚子果汁…小さじ4
- ナンプラー…小さじ1
- 柚子…1個
作り方
- 切り干し大根は1分ほど水に漬けて硬めに水戻しし、水気をしっかり絞る。ニンジンは千切り、ドライマンゴーは2mm幅の細切りにする。
- ボウルに切り干し大根、ニンジン、ドライマンゴーを入れ、柚子果汁、ナンプラーを加えて混ぜる。ドライマンゴーがふっくら戻るまで30分ほど冷蔵庫で冷やす。中をくりぬいた柚子に盛る。