メッツ数を稼げば活動量は上がる。「活動量」アゲアゲカルタ
METs(メッツ)とは運動強度の単位のひとつ。安静時を1として、あらゆる動作がその何倍のエネルギーを消費するかを示したもの。1日24時間の中でメッツの稼げる時間を増やすつもりで。チリを集めて山とせよ。今日のあなたは何枚カルタを取れるか?
取材・文/石飛カノ イラストレーション/岡田丈 取材協力/河村玲子(管理栄養士)、澤木一貴(SAWAKI GYM)
初出『Tarzan』No.778・2019年12月19日発売
目次
歯磨きしながらスクワット
圧倒的多数の人にとって毎朝の歯磨きは当たり前のルーティン。誰に強制されずとも必ず行う習慣として根付いている。ならば、その鉄壁の習慣に運動をマッチングさせてしまおう。歯を磨いている間は必ずスクワットを続けること。やがてそれが癖づけばしめたもの。6METs。
トイレは一瞬空気イス
朝の排尿や排便は、習慣というより生物としてやらずにおれない行為。ならばここでも運動をマッチング。洋式トイレの便座によっこらしょと座る前に一瞬空気イスの姿勢をキープしてから座る。用を足した後も一瞬空気イス姿勢になってから立ち上がる。“漏れ”には注意。5METs。
電車の中では立ったまま
座ってじっとしているのが1メッツとしたら、まっすぐ立つだけでもその倍のメッツが稼げる。重力に逆らって直立姿勢を保つための抗重力筋、大臀筋や大腿四頭筋などの大きな筋肉が使われるからだ。なので、空席を見つけたらすかさず周囲の人に譲るべし。カッコよきかな。2METs。
エスカレーター下りだけ
エスカレーターを使うのは下りだけというマイルールを決める。上りは基本、階段を使う。階段の上りは下りに比べて心肺機能が鍛えられ、消費エネルギーも大きい。都内の地下鉄にはホームから地上まで、5階建てビルくらいの高低差がある駅も珍しくないのですごい運動に。7METs。
コアはいつでもドローイン
電車やバスの中、ホームでの電車待ちの時間、ただぼんやり立っているだけではもったいない。下っ腹を手前に凹ませて腹圧を高めるドローイン状態をキープする。これだけでもメッツは若干高くなる。おまけにウェストまわりの引き締め効果も期待できるのだ。2.5METs。
揺れに耐えればインナートレ
頑張れそうなら、電車の中では吊り革に摑まらないことを自分に課す。振動でカラダがよろめかないよう踏ん張って立つことで、体幹部や脚の細かい筋肉が総動員される。これ、立派なインナートレ。そこそこ揺れの激しい電車で行えば普通に立っているより1メッツ増。3METs。
ランチに行くなら遠くの店
ランチはいつも社内の食堂。移動歩数はわずか100歩、なんていう人も多忙なサラリーマンであれば珍しくない。毎日とは言わない。週に1回でも2回でもいいので、歩いて10分くらいかかる店までランチを食べに行く機会を設けよう。往復20分のウォーキングになる。4METs。
一息つくごとに深呼吸
デスクに張り付いてばかりいず、最低でも1時間に1度は立ち上がって丸まった背すじを伸ばし、深呼吸。これ結構、大事なこと。深呼吸で刺激されるのは横隔膜、肋間筋、腹筋群など姿勢保持に関わる筋肉。姿勢改善とともに酸素が体内に入ることで代謝アップにもつながる。1.5METs。
椅子に座るならキャスターレス
たとえオフィスのみんながキャスター付きの椅子に座っていたとしても、自分は総務部に掛け合ってキャスターレスの椅子を支給してもらう。そのくらいの覚悟ある人は、このカルタを取ってほしい。振り向くときにカラダを捻る、移動するときにいちいち立てば活動量が上がる。1.5METs。
ノーストローで姿勢維持
ドリンクを飲むときはストローを使わない。非常に簡単なわりに活動量を増やすには案外効果的。ストローを使ってドリンクを飲むと無意識に猫背になりがち。ストローを使わずにコップを手で持って飲むと、背すじを反らさずにはいられない。活動量アップ&姿勢改善にも。1.5METs。
ソファからの移動はランジ
夜、家でまったりしているとき、トイレに行ったりお風呂を沸かすなどの用足しをするなら移動はすべてランジで。片足を大きく1歩前に出して深く膝を曲げて腰を落とす。このランジ歩きでのしのし目的地へ。短い移動距離でも結構息切れするはずだ。7METs。
フッキンしながら寝姿勢へ
あとはもう寝るだけというタイミングでも、できることはある。ベッドに座った姿勢から、上体をゆっくり後傾させて寝姿勢に。ちょっと下腹部の筋肉に刺激が入る。最後の最後まで活動量を増やす努力を。ちなみに本格的なフッキンは交感神経が興奮して眠れなくなるのでNG。2METs。
シャワーのお湯待ちスクワット
シャワーの栓を開いた後、水が温かいお湯に変わるまでしばらく時間がかかる。ならばその時間も無駄にせず、スクワットしながらしばし待つべし。シャワータイムに限らず、どんなに短い時間でもぼーっと待つタイミングを見つけたら即、スクワット。6METs。