• 「太鼓の腕は筋肉量に比例しない」とは言え、この筋肉美よ!|筋肉図鑑 vol.14
COLUMN
2019.12.05

「太鼓の腕は筋肉量に比例しない」とは言え、この筋肉美よ!|筋肉図鑑 vol.14

筋肉図鑑

トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。『筋肉図鑑』では、さまざまなトレーニーの筋肉の裏側に迫ります。第14回は太鼓歴20年以上、太鼓芸能集団〈鼓童〉の中核を担う中込健太さん。

【今回の筋肉】中込健太
【今回の筋肉】中込健太
身長174.0cm、体重74.5kg、体脂肪率14.0%、骨格筋量36.3kg。1985年生まれ。東京都町田市出身。2007年より〈鼓童〉メンバーとして活動。大太鼓や屋台囃子など力強いパフォーマンスに定評あり。今年5月から12月22日まで開催中のツアー『道』で全国を巡回中。

魅せるカラダになるために鍛えたことは実は一度もありません。ただ、いい音を鳴らすために必要なカラダとは?と考え続けてきました。

〈鼓童〉では一人前の太鼓打ちとして活動する前の2年間、新潟県佐渡市にある研修所で過ごします。当時は体力づくりも兼ねて毎朝10kmラン。また農作業などの肉体労働が日本の芸能のルーツという考えから、日々畑仕事にも励みました。その中で発達した筋肉や身についた低重心の姿勢こそ自分の原点です。

中込健太さんの【広背筋】
中込健太さんの【広背筋】/「腕を大きく動かすには広背筋と肩甲骨の可動域の広さが大切」。チューブを用いて行う肩まわりのストレッチが日課。

舞台デビュー後は年中巡業する日々で、体調不良や故障に悩まされることも。知人のトレーナーに見てもらうと、偏ったカラダの使い方が原因だと指摘されました。

太鼓では特に上半身を酷使しがちなので、今は下半身や体幹部の筋力の強化に注力してます。よくやるのはチューブを踏み、両端を手で摑んだ状態で行うスクワット。演奏中に地面をしっかり踏んでカラダの軸がブレないように姿勢を保つ練習になります。

柔軟にも使えるチューブは常に持参。疲労解消のために走ることもあります。カラダが資本、壊れたら本当に生きていけません(笑)。

中込健太さんの【ハムストリングス】
中込健太さんの【ハムストリングス】/「大太鼓は手先では太刀打ちできない。地面の力をバチに伝えるため足で踏ん張ります」。舞台前に四股を踏むことも。

経験上、太鼓の腕は必ずしも筋肉量に比例しないように思います。20代の頃「筋力で全て解決できる!」と信じて、毎日大量に食べては全力で太鼓を打っていたせいか、体格も異様にデカくて(笑)。

最近は加齢もあり当時から筋肉量も減ったものの、筋肉のつき方が自然になり、音にもヌケが生まれた気がします。あと食事もやはり大切。外食が多いツアー中は小型炊飯器と佐渡産の米を携行し、納豆などと一緒に食べます。

中込健太さんの【三角筋~上腕二頭筋】
中込健太さんの【三角筋~上腕二頭筋】/「太鼓で最も使う部位なので、いかに力を抜くかを意識」。武術の先生に教わった上下左右に振り抜く動作で緩める。

かっこいいなと思うのは肉体労働に従事する方のカラダ。佐渡で漁師やとび職の方々と関わる機会があり、彼らの佇まいには仕事に励むなかで滲み出る美しさがありました。自分もそうありたいです!

取材・文/門上奈央 撮影/角戸菜摘

初出『Tarzan』No.777・2019年11月28日発売

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