• 重要なのは常に新鮮な気持ちでいること。大坂なおみ、コンディショニングの秘密
CONDITIONING
2019.11.06

重要なのは常に新鮮な気持ちでいること。大坂なおみ、コンディショニングの秘密

大坂なおみ

『ターザン』だけに語る、普段のコンディショニング、ランニングの取り入れ方、パフォーマンスの維持の方法。

WTAランキング1位への返り咲きを狙う大坂なおみ選手。東レ パン パシフィック オープンテニストーナメント出場のため日本を訪れた際に、『ターザン』だけに、普段のコンディショニング、ランニングの取り入れ方、パフォーマンスの維持の方法について、アスリートな側面を語ってもらった。

ベストコンディションじゃないときこそ楽しい。

——日々のランニングの内容を教えてもらえますか?

いつも実践しているのは、30分走ること。筋肉に負担をかけたくないので、そんなに速くは走らないように意識しています。リリース目的のランニングなので、それ以上は私のカラダにはやりすぎですね。

大坂なおみ

——体調がベストじゃない時、どう試合に臨みますか?

実際、体調がベストじゃない状況は何度もありますよ。でもそんな時こそ挑戦しがいがあって楽しいんです。どうやって今の状況を打開しようと、闘争本能にスイッチを入れて勝てる方法を探すんです。その日がいい日だなと思えなくても、チャンピオンになるような人は、アゲインストな状況に勝てる人たちですね。

現地に着いたら、まずワークアウト。

大坂なおみ

——世界中を転戦していても崩さない回復のルーティーンは?

試合のある現地に着いたらまず、ワークアウトをするようにしています。例えばランニングと筋トレですが、目的は、血流を巡らすようにしているんです。フライト中は動けないので。私も含め、プロテニス選手は隔週ごとにトーナメントに出ていますから、まずはリカバリーが一番重要で、必ず走ってお風呂にも入るようにしています。

——冷蔵庫にはいつも何をストックしている?

水! えへへ。うん。水だね。

——トレーニングはオフシーズンとオンシーズンでは変えますか?

オフシーズンとシーズン中のトレーニングは全く違いますね。オフシーズンはフィジカルに特化したトレーニングに取り組みます。相当量のウェイトとかなりの走り込みもします。一方でシーズン中はカラダを痛めたくないので、軽くやる程度です。

重要なのは、常に新鮮な気持ちでいること。

——試合やトレーニングの前後はどんなものを食べますか?

サーモンがとにかく好きでよく食べます。もちろん野菜も食べますけど炭水化物は控えめかな。日本は寿司もあるし、美味しいご飯ものもあるし、こんなこと言うのはすっごく悲しいんですよ。でも試合前は炭水化物を食べます! テニスの試合は走り回るし、ハードなボールを打ち返すのにエネルギーとして必要なので。

大坂なおみ

——体調を見極めるポイントは?

朝起きた時の感覚が基準かもしれません。集中できないなという状態は、一番危険な状況ですね。全豪は最高に気分も調子も良かったんです。気分が高揚しているかどうかは重要で、ウィンブルドンでも体調は良かったけど、プレーはイマイチでした。もちろん、試合が待ち遠しいと思える時は勝てる自信が溢れてきますし、常に新鮮な気持ちでいることは重要ですね。

——試合前、どう調子を整えていますか?

いつもはハイパーアイスを使って筋肉をとにかく緩めてリラックスするようにします。もちろんウォームアップや練習中でも使っています。十分に筋肉の硬さが取れたら試合に臨む。それが私のルーティーンですね。

最低8時間は寝ます。

大坂なおみ

——最適な睡眠環境はいったいどんなもの?

最低8時間は寝ますよ。これが私にとって健康的でいられる睡眠時間かなと思っています。もちろん寝られないこともあります。特に試合前はちゃんと寝ようとするんですけど、いい睡眠のためのルーティーンとして、まず水をたくさん飲みます。とにかく乾燥は筋肉にも良くないので。時々ですけど癒やし系な音楽を聴いて、エアコンの設定を低くしすぎない。ホテルではテレビをつけながら寝たり。私、光がある方が好きなんです。

——トレーニングや試合で痛みが出た時は、どう対処していますか?

痛みが出た時は、まずアイシングのハイパーアイスを使って筋肉の炎症を抑えるようにしています。それと、私のチームのナナ(茂木奈津子さん)がカラダのメンテナンスをしてくれます。違和感が取れるまでマッサージやストレッチをしてくれて、私にはとても大切な存在です。

トレーナーが知る、大坂なおみの、ハイポテンシャル。

大坂選手を世界チャンピオンにしたアブドゥル・シラー・ストレングス&コンディショニングコーチは、鬼軍曹としても有名だ。そんな彼に大坂選手のフィジカルの凄さを問うとこんな答えが返ってきた。

「彼女のカラダは生まれ持って強い。例えば10km走をやらせても全く息が上がらずに走り切るし、レッグスプレスは約400kgを持ち上げる」

200km/h近くのサーブを打ち、3時間近くも全力で走り、戦略も巡らす。彼女の愛らしい笑顔の裏には想像を超える鍛錬とその数値が隠れていた。

アブドゥル・シラー 1976年生まれ。セリーナ・ウィリアムズのトレーナーを3年務め、2018年3月から大坂なおみを担当。彼女を「男子TOP3の選手と同じフィジカル」に作り上げるのが彼のミッション。

取材・文/渡部忠 撮影/下屋敷和文

(初出『Tarzan』No.775・2019年10月24日発売)

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