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Vol.18 人との会話中、話の着地点を見失うことがしょっちゅうあります【超回復相談室】

他人とは共有できない極私的な悩み。でも、できれば現状を元のレベルに回復させたい。可能であればベターな状態までもっていきたい。その道の第一人者が多種多様なお悩みに答える「超回復相談室」をここに開設!

Q:人との会話中、話の着地点を見失うことがしょっちゅうあります。(事務職・40代女性)

おしゃべり好きは若い頃からですが、最近なんだか話が長くなって止まらなくて、話してるうちに何が言いたかったか忘れてしまうんです。途中で「あれ? 私って何を話そうとしたんだっけ」と相手に聞いても、「知らないよ!」と言われる始末です。当然の反応なんですけどね……。話を要約して伝える力を呼び覚ます方法を教えてください。

A:話していることを大切に。

ワーキングメモリーの力の問題です。これは他のことをしながら記憶や情報を維持する力。

「桜」「猫」「電車」の3つを覚え、100から7を何度か引き算して、「ふじのやま」を逆から読んだ後、さっき覚えた3つの単語を思い出すという認知症のスクリーニングテストがあります。こういう力が落ちると、話そうとしていたことが会話中に消え失せてしまいます。

話すことを手元でメモする方法もありますが、そこまでする必要があるかは疑問。失ったものに対する評価は高くなるのですごく大事なことを忘れた気分になりますが、今話していることの方が価値が高い可能性は大いにあります。(回答・脳科学者 篠原菊紀さん)

教えてくれたひと
篠原菊紀
篠原菊紀(しのはら・きくのり)/諏訪東京理科大学工学部情報工学部教授。専門は応用健康科学、脳神経科学。「学習」「運動」「遊び」など日常的な場面での脳活動を研究。メディア出演も多く、著書多数。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/死後くん

(初出『Tarzan』No.774・2019年10月10日発売)

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