• 公開:

男性用スキンケアブランドが開発。“孟宗竹のカミソリ”に創設者が込めた想い

男性用スキンケアブランド〈BULLDOG SKINCARE〉が、孟宗竹(もうそうちく)を使用した《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》を発表。ブランド創設者のサイモン・ダフィー氏にその実力と想いを聞いた。

肌にも環境にも優しい〈ブルドッグ〉とは?

男性諸氏なら毎日お世話になっているシェービングアイテム。

スーパーやドラッグストアの棚には多種多様な商品が並んでいるが、大抵の人は「昔から使っているから」とか「リーズナブルだから」といった理由でカミソリやシェービング剤を選ぶのが一般的だろう。

そんな中で注目したいのが、2018年から日本に上陸した〈BULLDOG〉。2007年にイギリスで誕生した男性向けのスキンケアブランドだ。

〈BULLDOG〉にはさまざまなスキンケアアイテムがあるが、代表的なのがシェーブジェルとモイスチャライザー(保湿クリーム)。下の写真を見ていただくと一目瞭然だが、シンプルでスタイリッシュ、かつナチュラルな雰囲気を醸し出すパッケージになっている。なかでも《モイスチャライザー》は、世界で15秒に1個売れているという。

男性用スキンケアブランド〈BULL DOG〉の製品
肌質によって選べるシェーブジェル(175ml、750円)とモイスチャライザー(100ml、1,250円)。価格(税別)は編集部調べ。

その製品は主に天然由来成分で作られる。普通肌向けの《ブルドッグ オリジナル シェーブジェル》および《ブルドッグ オリジナル モイスチャライザー》には、天然由来の保湿成分のアロエベラ、うるおいを保つためのカメリナ油、肌のひきしめ効果が期待できる緑茶成分などが含まれている。人工成分は厳選されており、人工着色料や合成香料、動物由来の成分は一切使用していない。

そしてもうひとつのポイントが、環境問題にも配慮したハンサムなスキンケア製品であること。

スキンケアのチューブ容器の原材料はすべてブラジル産のサトウキビから抽出されたプラスチックで、再生可能資源であるのはもちろん、二酸化炭素削減にも役立っている(サトウキビ製プラスチック100トンにつき309トンの二酸化炭素が削減される)。

なぜ“ブルドッグ”なのか。

スキンケアブランドとしては珍しく男性向けで、しかも天然由来成分にこだわっている〈BULLDOG〉。その成り立ちを少し掘り下げてみよう。

ブランドの発祥は2007年。イギリス・オックスフォード大卒のサイモン・ダフィー氏によって創設された。

ブランド創設者のサイモン・ダフィー氏。
ブランド創設者のサイモン・ダフィー氏(ブランド名でもあるブルドッグと共に)。

サイモン氏はスキンケアアイテムに男性向け商品が少なく、スキンケアに気を遣う男性自体が少ないことから、シンプルかつ環境に配慮した男性用スキンケア商品を開発。世界中のビーガンやベジタリアンをはじめ幅広い支持を集め、イギリスでは男性スキンケアブランドとして国内トップ3に、スウェーデンではトップシェアを誇るまでに成長した。

ちなみに〈BULLDOG〉というネーミングは、男性にとっていつもそばにいる、忠実で優しい愛犬のような存在でありたいという意味が込められている。

孟宗竹の高性能カミソリが登場。

そんな男性向けスキンケアブランド〈BULLDOG〉から、新しいカミソリ商品《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》が登場した。

先に挙げたジェルやモイスチャライザーと同じく、高性能かつ環境問題に配慮したアイテムだ。

2018年に発売されたイギリスでは、限定発売された小売店において発売開始13週でウェットシェービングカテゴリーの販売金額トップに躍り出たという(※)。一体、どんなスペックを持つのだろうか。

まずはスキンケア製品と同様、シンプルな見た目のパッケージ。すべてリサイクル素材が使われていて、環境にやさしいインクで印刷されている。

※ IRI AdCard and Non Card transactions (£ sales) Manual razors 01 Aug- 14 Nov, 2018.

《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》は替刃2個付き。右は《ブルドッグ オリジナル 替刃》4個入り。
《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》は替刃2個付き(うち1個は本体に装着済み)。右は《ブルドッグ オリジナル 替刃》4個入り。共に1,500円(税別、編集部調べ)。AmazonやLOHACO、全国の東急ハンズ、ロフト主要店舗、首都圏の一部ドラッグストアなどで展開中だ。

ハンドル部分にはプラスチックの代わりに水に強い竹が使われている。ヘッド部分は顔の凹凸に対応する首振り仕様、快適な深剃りを提供する。

環境負荷を抑えるべく、ヘッド部分にはあえてクロム加工が施されていない。
環境負荷を抑えるべく、ヘッド部分にはクロム加工が施されていない。

本体はヘッドとハンドルがスクリューロックで固定されており、取り外すことも可能。それぞれを水洗いして乾かせば常に清潔に使えるし、竹製のハンドルのリサイクルもできる。

20191010rm_bulldog_10
竹を使用した柄の部分と、先端に付いた留め具をそれぞれクルクルと回せば、簡単に解体することができる。

カミソリ刃には、アロエ配合スムーザーの付いた首振り式5枚刃を採用。1枚の刃にかかる圧力が分散されることで、より少ないストローク数で髭を剃ることができ、刃自体への負担も少なくなるため長持ちしやすい。

刃の上部はキワ剃り用トリマーとなっており、デリケートな額や頬の産毛も安全かつきれいに剃り上げることが可能だ。
刃の上部はキワ剃り用トリマーとなっており、デリケートな額や頬の産毛も安全かつきれいに剃り上げることが可能だ。

そして何と言っても一番に目を引くのが、天然の竹が使用されたハンドル部分だ。

孟宗竹が使用された柄は、同じ形状のものが二つとない。そのため《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》には愛着が湧くのである。
孟宗竹が使用された柄は、同じ形状のものが二つとない。そのため《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》には愛着が湧くのである。

使われている竹は中国・福建省で育つ孟宗竹。数ある素材の中からあえてこれを採用した理由を、サイモン氏はこう語る。

「カミソリのハンドルはその多くがプラスチック製ですが、アメリカでは年間20億本のハンドルが廃棄され、そのまま埋め立てられているというショッキングなデータがあります。

私たちは環境に配慮するスキンケアブランドとして、カミソリも持続可能な未来のために考え抜いた製品にしたい。その想いからまずはハンドルを自然由来の竹素材にしようと考えたのです。

孟宗竹は竹の中でも成長が早く、硬度や強度においても優れた特性を持つ素材で、一度伐採しても再生する利点があります。また一本一本微妙に異なる外見でもあり、この大量生産を中心とした現代社会において、非常にクールな素材だと思っています」

性能と環境問題を矛盾させない。

「男性用スキンケア商品というカテゴリーには、あまりにも天然由来のものが少なかった」と〈BULLDOG〉立ち上げの動機を語るサイモン氏。
「男性用スキンケア商品というカテゴリーには、あまりにも天然由来のものが少なかった」と〈BULLDOG〉立ち上げの動機を語るサイモン氏。

「環境問題への懸念はもちろんですが、他と見分けのつかない没個性なパッケージや、ユーザーにわかりにくい商品説明など、従来の業界の常識に対して小さな一歩からでも一石を投じられないかとの思いがありました。

特に環境問題に関しては、世界中の多くのユーザーが環境への配慮を求めているという側面もあり、少しでもゴミを減らすという努力は立ち止まることなく続けていきたいと考えています。

もちろん、カミソリは男性にとって毎日使うものですから、美しく、使いやすく、機能的である必要があります。まずパッケージはリサイクル素材で開けやすく、同じくリサイクル可能な孟宗竹は手触りが抜群です。

そしてシックの技術を活用した5枚刃は力を入れなくてもしっかり剃れますし、分解して洗い、乾かすことのできる構造にもこだわりました」

スキンケアブランド発のカミソリ、その実力を体感。

最後に《ブルドッグ オリジナル バンブーホルダー》の剃り心地を味わってみたい。

濃いめのヒゲを持つライター・クロダが剃り心地を体験
プロの理容師も登壇した製品体験会で、濃いめのヒゲを持つライター・クロダが体験した。

感じたのが5枚刃の肌への当たりの良さ。普段使っているのが4枚刃なのでその差は歴然。スーッと肌を滑っていく感覚で、無理に逆剃りをしなくても一度の順剃りだけで濃い毛もある程度剃ることができる。刃にはアロエ配合のスムーザー付きなので、肌への負担はかなり少ないというのが正直なところ。天然由来成分を使ったブルドッグのシェーブジェルとの相性は抜群である。

また、実際に孟宗竹素材のハンドルを握ってみると、竹の独特の手触りが何とも心地よい。言うなれば“自分だけのギア感”に溢れており、使い込むほどに馴染んでくる予感。これで毎日ヒゲを剃るのは肌も、気持ちもシャキッと引き締まるだろうなあ…。

アフターはもちろんモイスチャライザーでしっかりケアを。敏感肌のクロダは《ブルドッグ センシティブ モイスチャライザー》を勧められた。

そのブランドコンセプト通り、まさしく世の多くの男性に愛犬のように寄り添ってくれる〈BULL DOG〉。とかく適当に済ませがちな男性の肌のケアだけど、機能面でも環境面でもこだわり抜いたアイテムが揃っているから、末永くつきあえる大事な“相棒”になってくれるに違いない。

カラダ作りやファッションと同じく、肌のケアも大切にしようと改めて思わされた。


『HISTORY CHANNEL』による〈BULLDOG〉スペシャルムービーも公開中。

取材・文/黒田創 撮影/石原敦志

Share
Share