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自律神経失調症を予防&改善する7つのヒント

自分の状態と向き合い、追い詰められることを回避し、V字回復を図るには、こう工夫する。

1. 何はともあれ、「カラダを動かす」。

ストレスから過食に走る人は、腹が空いたらカラダを動かそう。空腹時には血糖値が低下しているから、このときに有酸素運動をすれば体脂肪を効率よく消費できて一石二鳥。ひと汗かけば運動自体が爽快感をもたらし、食欲の抑制もしやすくなる。

アメリカではいま、うつ病治療にブートキャンプ(新兵訓練)のような運動療法を取り入れる医療機関もある。日本でも精神疾患の患者に筋トレを勧める医師はいる。大昔の人類は腹が空いてから狩りに出た(はず)。現代人は運動だ。いまこそ、野性の呼び声に耳を傾けるべし。

2. 自分なりのリラックス法を「2つ以上」持っておく。

ココロを緩めたければ、まずはカラダから。どんなに仕事が忙しくても、家庭に一大事が起きたとしても、カラダを緩めるべく、自分に合ったリラクセーションの方法を確立しておこう。

1日に2回、1回につき20分程度のリラックスの時間を設けること。有酸素運動以外にもヨガ、呼吸法や瞑想もいいだろう。ただし、1種目に限定せず、2種目以上を探すこと。屋外で行うジョギングだけだと悪天候の日には実施困難になってしまう。だから、カラダを動かすこと以外でも、読書などに没頭できるならそれも1種目と考えよう。

自律神経失調症を予防する7つのヒント

3. 「デジタル」との付き合い方と、眠りの質を考え直す。

デジタル機器との付き合い方に問題があって、睡眠障害を抱え込む人は多い。会社ではパソコンに向かい、行き帰りの揺れる車内ではスマホの小さな画面を凝視し続け、あろうことかベッドの中でも寝落ち直前までスマホを操作。

画面が小さくても目との距離が近ければ、ほどほどの距離の大画面を見るのと同じようなもの。デジタル機器から多く出るというブルーライトに特別な威力があるかどうかの議論はまだ決着がついていないようだが、就寝直前まで頭を使っていたら、睡眠の質が低下するのは当たり前!

4. 「症状日記」をつけて、自分のストレスを客観視する。

なぜ、自分の行動、発言に変化が起きてしまったか。振り返り、原因を突き止めるために症状日記をつけるのは回復への近道であり王道だ。何が起こったのか、それに対してどんなことを考え、思ったのか。そして、どんな結果に立ち至ったかを書き、自分で読み直し、自分の中の落ち着くところに落ち着かせる。

詳しく書くのが面倒なら、時系列に起きたことだけを列挙しても効果は期待できる。心療内科に通院中なら、次回受診時にその記録を持参し、内容を担当医とシェアすると、精度の高い医療が受けられるはず。

自律神経失調症を予防する7つのヒント

5. 自分の症状に直結する「医療機関」を受診する。

めまいがするなら耳鼻咽喉科を受診することから始めよう。頭が痛ければ脳神経外科でひと通りの検査を受けるべきだ。異常を感じる部位を専門に取り扱う医療機関を受診するのが第一選択肢だ。受診し異常なしとの診断ならば、とりあえずはひと安心。

また、進行性の疾患が見つからなくても、運悪く進行性ならいずれ症状が顕著になるだろうから、再検査を受ければ病態を確定できるはず。だから、最初から心療内科に急ぐ必要はない。複数の部位に症状が出るようになり、かかりつけ医から紹介状をもらってからで十分だ。

6. 不足も過剰も問題、「食生活と栄養」。

特定の食品に過大な効果を期待することを「フードファディズム」と呼び、いまでは似非科学とされる。が、自律神経の乱れの背後に、特定の栄養素の過剰や不足も可能性としては考えられる。

もしトリプトファン、ビタミンB6、糖質が“欠乏症のレベルまで”不足していたら、精神の安定に関わる神経伝達物質、セロトニンの合成に支障をきたしているかも。トリプトファンの不足が疑われるなら大豆(製品)、鶏卵、牛乳、カズノコ、魚類、肉類などを摂ろう。バナナならセロトニン自体が多い。これなら料理も不要でお手軽だ。

7. 「仕事」を休む、転職する、という選択。

人員、納期に無理は明らかなのに、営業が取って、押し付けてきた大仕事で担当部署はオーバーワーク続き。危険なほどの残業を繰り返した挙げ句、何とか間に合わせたばかりに、やればできると営業に勘違いされ、さらなる大仕事を押し付けられる…。

SEの疲弊はかねてより指摘の多い社会現象だったが、この不幸の根底にあるのは自分の裁量で仕事をコントロールできないこと。受注生産型の職種だと仕事のペースが決めにくい。無理が祟れば自律神経を病む。いよいよとなったら転職も選択肢の一つだ。

自律神経失調症を予防する7つのヒント

取材・文/廣松正浩 イラストレーション/岡田丈 取材協力・監修/中尾睦宏(国際医療福祉大学医学部心療内科学教授、医療法人財団順和会山王病院心療内科、医学博士)

(初出『Tarzan』No.769・2019年7月25日発売)

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