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「人力車を引いてたら、下半身が育ちました」浅草の車夫が、お客に褒められる筋肉とは?|筋肉図鑑 vol.3
トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。「Tarzan Web」の『筋肉図鑑』では、本誌掲載時に紹介しきれなかった筋肉を追記して、さまざまなトレーニーの筋肉の裏側に迫ります。第3回は人力車を引く車夫として浅草を日々駆け巡る、金大熙さん。
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【今回の筋肉】
人力車車夫・金大熙さん

筋肉の企画に出るなんて20代の頃の自分が知ったらびっくりしますよ。車夫になるまで運動には縁がなく、むしろ音楽や読書が好きな文系の人間でした。ある日“真逆のことに挑戦したい”と思って車夫の道へ進むことに。
この仕事に必要な走力や持久力は働くうちにつきましたし、同時に下半身の筋肉も育ちました。お客さんは我々の筋肉をめちゃくちゃ見てはるんですよ〜。僕は上腕三頭筋やふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋)、大臀筋を褒めていただくことが多いかな。光栄です!

「長身ゆえ細く見える腕は毎日鍛えます」。特にバリエーションをつけやすいケーブルマシン系のプッシュダウンが好き。

「人力車でも鍛えられますが筋トレで理想の形に!」。バーベルスクワットやレッグプレス、ランジなどでくまなく。
筋トレ歴は3年目。失恋してメンタルを強くしたいと思い、ベンチやダンベルなどを自宅に購入。2年目からはジムに通い始めました。最近は仕事終わりに3時間、週6で鍛えてます。
一人黙々とやるのもいいけれど、筋トレ仲間ができるとめっちゃ楽しい。去年初めてボディコンテストに出ると決めたのも、仲間から刺激を受けたことが大きいです。

「胸筋上部の筋肉は人力車で発達しにくいので念入りに」。インクラインダンベルプレスやバーベルベンチプレスなど。
人力車を引くこと自体がいい運動になるのでは?とよく聞かれますけど、僕としては鍛えてる感覚は一切ないですね。先ほどお話しした通り下半身は鍛えられるけど、カラダづくりはまた別物。

「もう少し横の広がりをつけたいので外側広筋と内転筋強化に励んでいます」。スクワットやレッグエクステンションなど。
僕が今強化したいのは背中です。身長が高くて胸張ってるとエラそうに見えるので、つい猫背になりがち。その癖を直して背中の筋肉を強化し、バランスのいい上半身をつくりたいです。

「背が高く猫背になりやすいので腹に比べて背中は弱め」。自重やマシンでみっちり。懸垂はゆっくり行うことを意識。
食事では体重の2〜3倍量(g)のタンパク質を摂ることと、魚や卵、オリーブオイル以外からは脂質を摂らないよう意識。糖質は特に制限しません。食べないとすぐ痩せる体質ですし、人力車を引くにはたくさんのエネルギーが必要ですから!

「体幹の強化と逆三角形になるべく腹筋は毎日!」。腹筋ローラーやハンギングレッグレイズ、アプドミナルなどが基本。
今年の大会では優勝して自分の中で達成感を味わいたい。でも僕が日々筋トレに励むのは大会のためじゃなく、少しでも自分が描く理想に近づきたいからなんですよね。
取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗
(初出『Tarzan』No.766・2019年6月13日発売)