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どっちがより燃える? 代謝を活性化させる、日常&運動9番勝負

ダイエットの原風景といえば、銀色のサウナスーツを着て汗だくでランニングをすること。えっ? 今もそれやってるんですか? 二択の代謝力対決9番勝負。少しでもエネルギー消費量の高い方を選ぶ力を磨いて、理想の体型に近づこう!

今もそれ、やってるんですか?

焼き鳥で塩を選ぶか、タレを選ぶかでカロリーは変わる(焼き鳥の塩の方が約8キロカロリー低カロリー)。違いは微々たるものだが、塵も積もれば山となる。

たとえば、1日当たり60キロカロリー(塩約8本分)のマイナスを作ってやるだけで、4か月あれば体脂肪換算で1kg(7,200キロカロリー)痩せるのだ。

代謝力でも話は同じ。エクササイズの種類はもちろん、ウェア、フォーム、タイミング、運動前のドリンクなどにより、カロリーの消費量には差が生じる。

それがスズメの涙ほどの違いにすぎないとしても、より高い方をチョイスするように心がけると、焼き鳥と同じく“塵積も”効果でカラダが一層引き締まる。トレーニング以外でも、食べ物の味や入浴の仕方でも代謝力には差がつく。

1. サウナスーツ VS ランニングウェア

サウナスーツVSランニングウェア
サウナスーツで走ると熱っぽくなって代謝が上がった気になるが、それは誤解。発汗しても蒸発しないので熱が籠もっているだけ。辛くて長く走れないから体脂肪も燃えにくい。吸汗速乾性に優れたランニングウェアなら汗を蒸発させ、熱を発散しながら長時間走れる。

気化熱で筋肉を冷ましながら長時間体脂肪が燃やせる。ランニングウェアの勝ち!

2. バタフライ VS クロール

バタフライ VS クロール
競泳選手を除くと、多くの人にとってクロールよりもバタフライの方がしんどく感じるに違いない。それはバタフライの方が高負荷な証拠だが、しんどい運動は長続きしない。低負荷なクロールでずっと泳ぎ続けることができたら、代謝もそれだけアップするのだ。

「太く短く」ではなく、「細く長く」が正解なのだ。クロールの勝ち!

3. 朝の運動 VS 夜の運動

朝の運動 VS 夜の運動
早起きで朝型なら朝、夜更かしなら夜の方が運動の時間は取りやすい。だが、運動後に続く「EPOC」に注目すると朝の運動は値千金。日中ずっと代謝が上がって体脂肪が燃え続ける。夕方以降は代謝を下げる副交感神経が優位でEPOCが打ち消される。

燃焼スイッチを入れたまま日中ずっと過ごせる。朝の運動の勝ち!

4. スクワット VS ベンチプレス

スクワット VS ベンチプレス
筋トレは運動中にエネルギーを使うし、筋肥大で安静時代謝のレベルを確実に上げる。さらにできるだけ多くの筋肉に高負荷をかける方が運動中のエネルギー消費量はアップする。最強なのは、力持ちの下半身の筋肉に高負荷をかけながら丸ごと刺激するスクワットだ。

できるだけ多くの筋肉に、できるだけ強い負荷をかける。スクワットの勝ち!

5. ヨガ VS 床の磨き掃除

ヨガ VS 床の磨き掃除
運動するヒマがないなら家事を頑張ろう。安静時を1として酸素消費量が何倍になるかで代謝量を示す「メッツ(METs)」では、四つん這いで行う床の磨き掃除は3.5メッツ。つまり安静時の3.5倍も代謝が高いのだ。これはハタヨガ(2.5メッツ)を余裕で上回る。

運動よりも強度の高い家事だってあるのだ。床の磨き掃除の勝ち!

6. 甘いもの VS 辛いもの

甘いもの VS 辛いもの
キムチ、麻婆豆腐などのピリ辛味を演出するのが唐辛子。その辛味成分であるカプサイシンは血行を促進するほか、口や消化管の粘膜で交感神経をスイッチオン。熱を作る褐色脂肪細胞を活性化して代謝を上げる。ただし食欲増進作用もあるから、食べすぎに注意。

カプサイシンで褐色脂肪細胞を活性化。辛いものの勝ち!

7. サウナ VS 風呂

サウナ VS 風呂
浴槽入浴もサウナも温熱作用で体温が上がる。汗がタラリと流れたら、深部体温が上がったサイン。それを平熱まで下げる過程でカロリーを消費する。サウナで高温の室内と水風呂を行き来すると血管が伸縮し、体温コントロールにも苦労するから消費量も増える。

体温の上下動を抑えるのにエネルギーを浪費する。サウナの勝ち!

8. スポーツドリンク VS コーヒー

スポーツドリンク VS コーヒー
コーヒーのカフェインは交感神経を刺激して代謝を高める。カフェインは覚醒作用もあり、集中力が高まるから質の高いトレーニングができそう。発汗を伴う運動中はスポドリを飲むのが正解だが、筋トレのように高い集中力が求められる運動前はコーヒーを選ぼう。

カフェインが交感神経に効く。覚醒作用で集中力も高める。コーヒーの勝ち!

9. 坐り筋トレ VS 立ち筋トレ

坐り筋トレ VS 立ち筋トレ
姿勢でもカロリー消費量は変わり、座位より立位の方が高い。同じ筋トレでもシートに坐って行うより、立った方が姿勢維持に使われる筋肉の働きが加わる分だけ、代謝は上がる。電車も座席に坐るより、吊り革を摑まず立って姿勢を保ちながら通勤した方がベター。

フォームを保つために働く筋肉が増えてくる。立ち筋トレの勝ち!

取材・文/井上健二 イラストレーション/加納徳博

(初出『Tarzan』No.727・2017年9月28日発売)

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