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世界最高齢のアイアンマンは、糖質&タンパク質をどう摂っているのか

稲田弘(いなだ・ひろむ)/1932年生まれ。60歳でNHKを退職し3日後に水泳を開始。70歳でトライアスロン初出場。昨年の『アイアンマン世界選手権』では85~89歳部門で優勝。

カラダづくりに成功している人たちは、どんな割合で糖質とタンパク質を意識して摂取しているのか。本記事では、トライアスロン選手・稲田弘さんの糖質&タンパク質の摂り方を聞きました。

献立は16年間ほぼ一緒。

総距離226km。『アイアンマン』に6年連続出場する、世界でただ一人の80代トライアスリートの稲田弘さん。65歳で出場したアクアスロンの会場で、偶然目にしたロードバイクに一目惚れしてトライアスロンの世界へ飛び込んだ。76歳からはクラブに入り週6で練習に励む。年齢に関係ないバイタリティは、まさしく鉄人!

「食事はトライアスロンを続けるためのコンディショニングの一環。70歳でレースに初出場した頃から、ほぼ毎日同じ献立ですよ。でも自分で考えたわけではなくて、周りの人たちの“いいな”と思う食べ方をいろいろマネしちゃうんです(笑)」

現在一人暮らしの稲田さんは毎食自ら用意。主食については朝はライ麦パン、夜は玄米と決めている。

「小麦や白米よりライ麦や玄米などがいいと知人の管理栄養士に勧められまして。パンに塗るのは蜂蜜。ツール・ド・フランスのある選手がレース前に蜂蜜を大量に摂ると知り、バターをやめました。あと朝一番にフルーツを食べてから味噌汁などの調理にかかるのが日課。血糖値の急上昇を防ぐことを期待してます」

タンパク質は味噌や納豆、めざし、卵から毎日摂取。クラブの練習日にはバイクの途中でお昼時に。そこで“必ず”選ぶのは、コンビニで買える、豚肉の素焼きと麦ご飯の弁当。

稲田さんのトレメシ・タイムテーブル

稲田さんのトレメシ・タイムテーブル
クラブの練習がある日は5時起床。90分のスイム後、おにぎり片手に移動。バイク中は昼食前後に各1回補給食。帰宅後夕食の支度。21時までには就寝。自主練の日の朝食は、14種類の野菜スープ。飲み物は豆乳。ほかにも、旬の野菜やきのこ、大豆類などが豊富な味噌汁。キムチ×納豆と生卵、めざし3尾を玄米といただく。「すった山芋を味噌汁にいつも入れています。また脳にいいと聞き、ハイカカオのチョコを家に常備」。マルトデキストリンのサプリは練習後に摂取。タンパク質は消化にやさしい大豆・豆類が多め。

「クラブ仲間の上田藍選手が豚肉好きで、彼女の弁当は豚肉たっぷりだし家でもよく食べるそうで、それなら僕も、と(笑)。ビタミンB1も豊富なので疲労回復にもよさそう。肉を食べるならもっぱら豚肉です。でも家では肉より魚派。必須脂肪酸はもちろん、めざしならカルシウムも摂れる。量で言えば大豆・豆類が圧倒的に多い。体質に合ってます」

料理上手なのは、働き世代の頃に単身赴任中は自炊をし、退職後に料理教室に通った経験があるからだ。

「歳のせいか、作るのも時間がかかるし練習の日は献立を考える暇もない。練習がある日は常に時間との勝負です。でも必要な栄養素は分かっているのでメニューを決めてしまいました。今『アイアンマン』に毎年出られているのは、この献立のおかげ。これからも足し引きはするでしょうけど、今の自分にとってはこの食事が正解なんだと思います」

取材・文/門上奈央 撮影/角戸菜摘

(初出『Tarzan』No.761・2019年3月20日発売)

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