• ナニワの病理学教授・仲野先生だからこそわかる、糖質との賢い付き合い方
FOOD
2019.03.20

ナニワの病理学教授・仲野先生だからこそわかる、糖質との賢い付き合い方

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エネルギー源となる糖質は、生きるために重要な栄養素。だが、賢く摂らなければカラダにとってはマイナス要素にもなってしまう。自らを「ダイエットフェチ」と呼ぶ大阪大学大学院・病理学教授の仲野徹先生も、30代後半から40代まで今より10kg太っていたという。「意図的にまずいものを食べて舌のレベルを落とす」や「きっちきち〜ダイエット」など、仲野先生が考案したユーモラスなダイエット法と糖質との賢い付き合い方を教えてもらった。

糖質を好むのは人類の進化の結果です。

糖質は美味しい。それ当然です。

人類がそこそこ満足に食べられるようになったのは農耕が始まってからのことです。先進国ですらたかだかこの1世紀程度の話。それよりもはるかに長い数百万年の人類の歴史のほとんどは飢餓状態だったので、生きるために必要な栄養素を喜んで食べる選択をしました。

栄養になりそうなものを美味しいと感じて、たくさん食べるよう進化したわけです。そこへもってきて、エネルギー効率がいい米と小麦を育てるようになってしまったんですわ。だから糖質を美味しいと感じるのは進化の結果。

でも今はデバイスとか薬とかでだらっとしていても生きていける。糖質を摂り過ぎてカラダに悪くても、淘汰圧がかからないのでもう進化しないんじゃないかという説も。ご先祖さまの飢餓に思いを馳せ、食べ過ぎないよう自己管理しましょう。

「やめる」のではなく「減らす」ことが大事。

ダイエットのために、革命的なクリップを買う。

僕は30代後半から40代まで今より10kg太っていて、85kgくらいありました。その頃は食事もですがお菓子もたくさん食べていたんです。ポテトチップ開けてしもたら湿ったらあかんから最後まで食べてしまおうと。でも、菓子袋を留めるクリップをたくさん買って使うことで我慢できるようになりましたね。「湿ったらあかん」という言い訳ができなくなったので。まったく食べないようにするのはものすごく難しいんですけど、量を減らすのは何とかなる。今、家にはクリップが20個くらいあっていろんなお菓子を食べてます。

毎日体重のグラフをつけて、76kgに近づいたら自分に甘くなって贅沢します。78kgに近づいたらまた節制する。身長181cmですけど1kgくらいだったら1週間で減らせるようになりました。体重の増減をグラフにして観察すると面白いですよ。

糖質調節にはお弁当が最適。毎日の楽しみです。

ランチにはお弁当を持参。

糖質オールカットのダイエットをしたことがあります。でもダメでした。体重は減りましたが、なにせだるくて体調が悪い。長期間続けるのは無理やろなと思いました。それ以来、糖質オールカットではなくごはんの量を少なくしました。最近は小ぶりの茶碗に半分くらい。その分、おかずが多いですけど。

お昼はいつもお弁当です。インドでカレー入れるステンレスのお弁当箱にごはんとおかずを詰めて。量も調節できるし野菜も食べられるし、「食べ切った感」もあるし、昼ごはんはお弁当を持っていくのが一番いいです。市販の低カロリー弁当はやたら高かったりしますから。

お弁当は毎日の楽しみ。当たり前のことをいかに楽しんでやるかが痩せるコツです。研究室のホットプレートでごはんを温めて食べるのが、今の小さな喜びです。

痩せようという意識をマークで思い起こす。

爪に「キ」と書き込むきっちきち〜ダイエット法

ダイエットで一番大事なのは、痩せようという意思でしょう。僕はいろんなダイエットを試しましたけど、突き詰めれば食べるときに「あ、ダイエット中なんや」と思い出して食べる量を控えればいいだけのこと、と思うに至りました。

それで利き手の親指の爪にダイエットを思い出させるマークを書くことに。僕が大好きな漫才師の大木こだま師匠のギャグに、親指の腹に「チ」と書いて「チッチキチーやでぇ」というのがあります。でも指と爪では逆側でないの。それで裏返して「キ」という字を爪に書き、「きっちきち〜ダイエット」と命名。

これが何かを食べるときに必ず目に入るので結構な抑止力になり、半年で5kgくらい痩せました。食べる量が減ったのはそれ以来だと思いますわ。「キ」でなくてもシールやネイルでもいいのでお試しを。

普通の食べ物を少量食べて満足する舌を持つ。

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意図的にまずいものを食べて舌のレベルを落とす

味覚は学習やと思いますね。僕はむちゃくちゃ好き嫌い多かったんですけど今はまったくない。以前は嫌いやったものが好きになったりしますからね。食べたことがないものを生まれて初めて食べたときに感じる美味しさ、これも学習です。

でもそれが当たり前になると、人間てどんどん贅沢になります。

だから時々、意図的にまずいものを食べて舌のレベルを落とさなあかんと思ってるんです。こんなんでやっていけるんかというような食堂に入ってみるとか。そしたら普通のものを少量だけ食べて満足できます。

ええもんを高いお金出して食べるより時々まずいもん食べた方が経済的にもいい。舌のレベルを落としながらメンタルを鍛える。そして普通のものを少ない量で満足するようになる。これは、ダイエットですごく大事なことかもしれませんわ。

1日1万歩。日常生活だからご褒美は不要。

とにかく歩くことがダイエットに繋がる

運動してカロリー使うためにジムに行くのはいいんですけど、ジム行ったら必ず食べますね。飲みますね。使うカロリーよりご褒美で食べるカロリーの方が絶対多い。これは自分の経験ですけど特別な運動をしない方が太りにくいと思います。

3年くらい前から1日1万歩歩いてます。僕のオフィスは8階ですけど、階段で上り下りしてます。でも、日常生活ですからご褒美はいらないんです。ようけ歩いたからといってたくさん食べたり飲んだりしようとは思いません。

1万歩いかなそうなときは何駅か前で電車を降りたり、雨の日はショッピングモールの中を歩いたり、電車待ってるときにプラットホームを端まで歩いて不審者かと思われたり(笑)。

続けるコツ? 諦めへんことです。一旦あかんと思っても、もういっぺんやってみることを続けたら何とかなります。

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教えてくれた人

仲野徹さん
仲野徹さん(なかの・とおる)/1957年生まれ。大阪大学大学院・病理学教授。正しい医学情報を平易な大阪弁交じりの文章で提供。近著は『(あまり)病気をしない暮らし』(晶文社)。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/たつみなつこ
(初出『Tarzan』No.761・2019年3月20日発売)

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