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「フルなんて無理!」と思っていた『ターザン』編集部員が、東京マラソンで頼ったシューズ

3月3日に開催された「東京マラソン2019」。普段はダイエット目的でゆるくランニングをしている『ターザン』編集部員ムラタが、この大会でフルマラソンに初挑戦。正直、「フルは長すぎて無理!」と思っていたが、新シューズ《アシックス メタライド》でレースに臨んだ。練習不足が不安でも42.195kmを完走できたのは、信じられるシューズがあればこそ!

ランニングは好きだけど、苦手でした

突然で恐縮ですが、我ながら、煮え切らないランニング人生を送ってきました。初めて10km以上のランニングをしたのは、陸上部に所属していた高校時代。人並みには走っていたかと思います。

ただ才能に乏しかったようで、さしたる記録も残さず、ジミ〜に引退。

高校卒業以降は、体脂肪蓄積の道を歩みました。大学、社会人となるにつれ、徐々に落ちる運動量、一方で増える酒量、止まらない脂肪の増量。

時たま、思い出したように体重計に乗っては「これは、本当にマズい…」と猛省。そのとき(大抵、走りやすい春や秋)だけは真面目にランニングをするわけですが、走れるのは頑張って1kmを6分ペース。7〜8kmも走れば足が止まり、意地になって走っては膝を痛めておりました。

走ること自体は嫌いじゃないし、一生に一度はフルマラソンに挑戦したいと思うけど、…実際に走ることはないかなぁ、というのが昨年9月24日までのムラタ。

そして、今年3月3日、午前8時15分ごろのムラタがこちらです。

東京マラソン2019、出走前の『ターザン』編集部員ムラタの様子
今年の東京マラソン(3月3日)は最高気温6.8℃、最低気温4.4℃、天気は雨。気温の低さと走っているときの暑さを勘案して、上半身はTシャツ+ウィンドブレーカー、下半身はショートパンツ+レギンスタイツ、そして手袋、で参戦。出走前は防寒と防雨のため、ランニング用のビニールポンチョを着用。ポンチョはレース途中で捨てられます。

もう、走る気マンマンですね。東京マラソン出走ゲート前にて、走る気マンマンのムラタでございます。

「フルマラソンなんて無理!」と思いつつ、やっぱり一度は走ってみたいかも、という矛盾した気持ちで東京マラソンに応募し続けて4年目。もはや当選したいのか、したくないのかも分からなくなってきた昨年9月25日、結果発表で出走のチャンスが巡ってきたことを知ったのでした。

練習量が不安なまま時間は過ぎ…

「これは、本当にマズい…」。体重計に乗ったとき以上の焦りを感じます。なにせ仕事の忙しさを言い訳にして、9月の月間走行距離は0km。潔く0kmです。ですが東京マラソン2019の倍率は、およそ12倍。その責任を感じると、練習をしないわけにもいきません。

いきなり練習を増やしたり、走るペースを上げても怪我のリスクがあるかも。ということで、仕事の合間を見つつ、1km6分ペースを守りながら走った10月〜2019年2月までのムラタの練習内容が下記の通り。

月間走行距離
10月 40km
11月 60km
12月 40km
2019年1月 80km
2月 70km

フルマラソンに出るのに、練習量が物足りない? 自分でもそう思います…。たしかに9月以前よりは走るようになったけれど、 いっぱしのランナーを名乗ってフルに挑戦するには、ちょっと不安な練習量。

そこで不安を解消するためにも、専属のランコーチがアドバイスをくれる〈アシックス〉主催の東京マラソンランナーに向けた練習会に参加しました。

自分が伺ったのはメディア向けの練習会で(個人ランナー向けの練習会もあります)、1月と2月に参加。

2月に行われた〈アシックス〉主催の、浅草での練習会の様子
2月に行われた15kmランの練習会の様子。会話ができるゆっくりペースで浅草を15kmラン(写真中央の白Tがムラタです)。走りながら、マラソン経験豊富な先輩たちからも、レースでの走り方のコツなどを聞きました。

練習会では〈アシックス〉のコーチから、練習プランの立て方や、当日の走り方など具体的なアドバイスも聞くことができ、「2月の初旬までには30km走を行う」や「1週間前くらいから3〜5km程度に距離を抑えて、足を休ませる」など、特に直前の調整に活かすことができました。焦って直前に走り込むところだったので、よかった〜。

《メタライド》を履き、いざ出走!

〈アシックス〉の練習会で教えてもらった情報がもう一つ、大会本番の装備について。三寒四温で天気が予想しづらい時期なので、低めの気温や雨にも対応するには、どんな装備が必要か(こちらは冒頭の写真をご参照ください)。そして最重要装備、シューズについてもアドバイスをもらいました。

なにせ初めて体験する42.195km。胸中は「不安」のひと言。少しばかり練習不足の感がある自分でも、5時間30分くらいでフィニッシュまで連れてってくれるシューズ、教えてくれませんか(泣)。そんな都合のいい相談で、〈アシックス〉のコーチがオススメしてくれたのが、2月27日に公式発表されたばかりの最新シューズ《メタライド》でした。

2月27日に発表された〈アシックス〉の新作シューズ《メタライド》
2月27日に発表された〈アシックス〉の新作シューズ《メタライド》。一般的なシューズよりも厚底な印象だが、横に開いた穴により、クッション性と軽量化を両立させている。ランニングを愛するすべてのランナーのためのシューズということで、レース以外にも、ジョギングやLSDトレーニングなど、さまざまな用途に適している。価格27,000円(税別)。

揺り籠のように反り返ったソール構造が特徴的な、あまり見ない形状の一足。アシックススポーツ工学研究所が約2年の期間をかけて研究開発を行ったシューズなんだとか。

走力に不安がある自分が「《メタライド》で走ろう!」と決めた一番のポイントは、ランニング時のエネルギーロスを抑えてくれるところ。

屈曲剛性を高めたミッドソール(つまりソールが走行時に曲がったりねじれたりしづらい)と、高く上を向いたトウ(足先)によって、路面を強く蹴らなくても、自然な体重移動だけで前進できるようサポートしてくれるそう。

《メタライド》は踵にもミッドソールを縦方向にはしる穴が。この穴の正体は“3Dガイダンスライン”。
踵にもミッドソールを縦方向に走る穴が。この穴の正体は “3Dガイダンスライン”、着地から蹴り出しまでの自然な足の動きを促してくれる機能だ。アウトソールはメッシュシートの基部に、樹脂製の突起をつけた新構造。軽量化と耐久性を実現しつつ、高いグリップ力も備えている。

さらに、このソール構造によって足首の過度な曲げ伸ばしが抑えられ、走行時の足にかかるエネルギー消費が約5分の1削減されるという。ご、…5分の1も!

それが科学的に実証されているとなると、さっきまでの不安も2割減になったような…? よし、もうジタバタするのはやめて、このシューズを信じて、フルマラソンに挑戦します!

東京マラソン2019、出走前の『ターザン』編集部員ムラタの様子
タイム計測用のチップをシューズに付け、これで出走の準備は万全。気持ちはドキドキです。ちなみに《メタライド》のアッパーはニット素材。独自のヒールカウンターのホールド力と相まり、フィット性もバッチリです!

初のフルマラソン完走。タイムは…?

3月3日、午前9時10分の新宿都庁前。あいにく天気は雨だったものの、震えるほどの低気温にもならず、無事に大会がスタート。

練習で何度か試した《メタライド》の履き心地もよく、ソールの曲面が、コロコロと転がるような感覚で、自然と足が前に出ます。

4km地点を過ぎると、集団もばらけ始め、自分のペースで走れるように。周囲の様子を眺める余裕も出てきて、気持ちよく走れてきました。

なるほど、さすが東京マラソン。普段見知った大通りを、大手を振って走れる爽快感。コース上には、どの沿道にも応援してくれる人たちがいて、私設エイドもちらほら。ちょっとしたお祭りのような雰囲気の応援が途切れることがなく、パワーをもらえます!

東京マラソン2019、26km地点過ぎの『ターザン』編集部員ムラタの様子
写真は26km過ぎの浅草橋あたりの様子。まだ楽しく走れているものの、少しずつ疲労の兆しが…。

雲行きが怪しくなってきたのは25kmを過ぎてから…。事前の30km走では、25km地点でヘロヘロでしたが、そのときに比べ、ずいぶんしっかりと走れています。しかし…。しかしながら、見て見ぬ振りはできない、溜まり始めた全身疲労。

34km地点。なんとか、ここまでは足を進めたものの、34kmを過ぎたあたりでパタリと足が止まってしまいます。

「これが俗に言う35kmの壁かあ」と思いつつ(まだ1km足りてませんけど)、もー無理!ギブ、ギブ!と全身が叫びます。

わりと本気で “リタイア” の4字が頭をよぎりましたが、少しストレッチをして、なんとか足を一歩前に出すと、ちょっとずつ、ちょっとずつ、自然とカラダが前進します。

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最後の8kmでより実力を実感した《メタライド》の反り返ったソール構造。

「おお、まだ…動ける!」。完全に止まった足が再び動き出したのは、精神論的な気合でもなく、超自然的なエネルギーでもなく、おそらくは少しのストレッチと、そして《メタライド》のソール構造のおかげ。

ほとんど力なく路面を蹴ったのですが、反り返ったソールがそのエネルギーを効率よく使ってくれて、カラダを運んでくれたのではないか、と推察しました。

「ほんと、ありがとう《メタライド》! 俺とお前は戦友だ!」

人生で初めて体験する疲労で謎のハイテンションになりつつ、その後、なんとか無事にゴールができました。

初フルのタイムはネットタイムで「5時間17分18秒」。

決して胸を張れるタイムではないかもしれませんが、やりきりました。ランニング人生、ようやく初めて “煮え切れた” かもしれません。

完走後にゴール付近で記念撮影する『ターザン』編集部員ムラタの様子
ゴール後、完走メダルを掛けて “戦友” と共に記念撮影。

「フルなんて無理!」と思いつつ挑戦した東京マラソンでしたが、フィニッシュ後は、人生最大の充実感(と筋肉疲労)。カラダが痛いのは確かなのですが、不思議と「もう一度、走ってみたいかも」と思えました。

せっかく42.195kmを走れるようになったので、ファンランもレースも、ダイエット目的のランも、引き続き《メタライド》と続けていこうと思います。

読者の方は、どこかのコースで見かけたら、声を掛けてください。

一緒に、走りませんか!?

問い合わせ先

アシックスジャパン(TEL)0120-068-806

https://www.asics.com/jp/

ランニング・文/村田竜平 撮影/大内香織

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