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山を走る上で、大切なこと。
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ぼくらは普段、体幹を怠けさせている。では、体幹のために何ができるのか? わざわざトレーニングの時間を確保しなくても、日常生活の中でできることはかなりある。“ながら”筋トレはよく聞くけれど、ここに体幹への意識を盛り込むのだ。通勤中の電車でできる、体幹×筋トレを4つ紹介。
あ、今日も電車の中で座れなかった…。
ちっとも残念なことではない。いやむしろ、これは喜ばしきこと。いい感じに振動する電車の中は、「ながらトレ」の絶好のロケーションだからだ。
発進時に揺れたらあっちへグラリ、停止時に揺れたらこっちへグラリ、急停車でもしようものなら隣の人に全体重を思いっきり預けてしまう。よく見かけるこういう人は体幹の筋肉をまるで使っていないということ。
まずは電車の中でバランスをとり、しっかりと踏ん張る。これがパワーハウスを駆使した体幹トレになる。
さらに、プラスアルファの筋トレで鍛えたい部位をしっかり刺激。周囲の邪魔にならないよう、ひと駅分は続けるべし。
足を肩幅程度に開いて立ち、吊り革を握る。ブレージングで腹に力を入れてバランスをとりながら、吊り革を斜め下方向に向かって引き下げるつもりで力を入れる。ひと駅頑張ったら、次のひと駅は逆。
揺れる電車の中で爪先立ちになり、バランスをキープ。もし周囲に人がいなければ、両手を左右に開くとバランスがとりやすい。踵を引き上げることで膝から下の筋肉に刺激が入る。
ドアの近くにさりげなく立つ。足を開いてドアに小指側の足の縁を押し付けて力を入れる。上体をまっすぐに保ちながら中臀筋のアイソメトリック。ドアが開く前に足を閉じるべし。
もし、たまたま席に座れたときには、ひと駅分ドローイン。背もたれから背中を離し、掌で腹を押して腹横筋を意識。思い切り内側に凹ませる。基本、腹はブレージングだがその前段階のドローインの練習。
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一歩外に出たら、いついかなるときも無駄にせず、体幹をしっかり安定させながらプラスαの筋トレを行う。基本的にどの「ながらトレ」も「パワーハウス」(腹直筋・腹斜筋・腹横筋・横隔膜)を使うことは大前提。それぞれの動作でパワーハウス+筋トレターゲットとなる筋肉を刺激していく。
そのためには動作ばかりに気をとられず、姿勢の安定を心がけることが重要。それでこその〝ながら〟体幹×筋トレ。いずれも呼吸を止めず深い呼吸で横隔膜をしっかり使いながら行うことがポイントだ。
思い立ったらいつでもどこでもできるのが、「ながらトレ」の最大のメリット。でも、一瞬やってはすぐやめてという繰り返しでは期待できる効果も薄いし、せっかくのやる気がちょっともったいない。そこで、時間のルールをひとつ決めておこう。
一度スタートさせたら最低でも30秒、もっといければ1分間くらいは続けてほしい。電車の中の「ながらトレ」であればひと駅分は頑張ってみたいもの。
体幹トレの最大の恩恵のひとつは姿勢の改善、すなわち脊椎の本来のS字カーブを取り戻すことだ。というわけで、筋トレのターゲットの筋肉を意識するだけでなく、常に姿勢を正しくキープしつつ動作を行う必要がある。でなければ、単なる“間違った筋トレ”になってしまう。
正しい姿勢とは頭のてっぺんがヒモで引っ張られるイメージ。左右の肩甲骨を内転させ中心に寄せた状態であればなおよし。
体幹トレというと、腹をスプーン状に内側に凹ませるドローインが有名だ。確かにドローインはローカル筋である腹横筋が駆使される。だが、今回の体幹×筋トレでの基本姿勢はドローインではなく、腹をフラットに保って固くするブレージングとしたい。
理由はドローインはアウターの腹直筋がリラックスした状態だから。いってみればこれはブレージングの前段階。腹まわりの筋肉すべてを使ったブレージングをマスターしよう。
腹腔の前面を覆う体幹の要、パワーハウスには胸郭の下側を覆う横隔膜が含まれている。ここはいってみればパワーハウスのフタに当たる部分。つまり深い呼吸で横隔膜を稼働させてなんぼ。
というわけで「ながらトレ」にかかわらず今回の体幹×筋トレでは呼吸もしっかり意識のこと。基本は胸郭が開く動作で息を吸い、閉じる動作で吐く。シットアップならカラダを下げるときに吸い、上げるときに吐く要領。
取材・文/石飛カノ 撮影/千葉 諭 スタイリスト/山口ゆうすけ ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/どいせな エクササイズ監修/齊藤邦秀(ウェルネススポーツ) 取材協力/有賀誠司(東海大学スポーツ医科学研究所教授)