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目指せ、骨量キープ! 今日から始める骨トレ【実践編】

何もしなければ骨は減り続ける。骨を鍛える運動と食事で、強靱な骨を蘇らせよう。骨から若返るために、運動と食事で押さえたいポイント。「骨トレ・理論編」に続く「実践編」です。

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1. いつでもどこでも、骨トレを日々の習慣にする。

骨太への第一歩は運動での骨への刺激。それがピエゾ効果でカルシウムを円滑に骨に定着させて骨量を保ち、骨密度をアップさせる。

そのための運動には、日常生活で行える工夫と、トレーニングとして取り組みたい種目がある。

日常生活での骨トレは、“ながら”で手軽にできる。通勤途中で吊り革をギュッと握ったり、デスクワーク中に踵落としをしたり、階段を上ったりして、骨にシグナルを送る。ちなみに階段は1段飛ばしよりも、1段ずつ踏みしめながら上がった方が骨トレ効果は高い。

「高負荷低回数より低負荷高回数が骨には効きます」(骨代謝に詳しい内科医の藤澤孝志郎医師)

食事でひと口30回嚙むのも低負荷高回数で下顎の骨を強くする。

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吊り革グリップ

通勤中は坐るよりも吊り革を握って立った方が骨への刺激になる
通勤中は坐るよりも立った方が骨への刺激になる。さらに吊り革上部の外側を指でしっかり摑み、5秒ほどギュッと力を入れると骨トレにもなる。力を込めている間、呼吸を止めない。

セルフ踵落とし

仕事中は坐っている時間が長いので、踵を床に落下させる踵落としで骨に刺激を入れる
仕事中はじっと坐っている時間が長く、骨に刺激が入りにくい。そこで、デスクワークの合間に足を軽く持ち上げ、踵を床に落下させる踵落としを行う。これでも脚の骨の鍛錬になる。

階段アップ&ダウン

駅やオフィスの階段は骨を鍛える絶好の場所
駅やオフィスの階段は、骨を鍛える絶好の場所。1段ずつ体重をかけて踏みしめるように上り下りしよう。オフィスは2アップ3ダウンで2階以内は階段で上り、3階以内は下る。

ひと口30回

肥満につながる早食いを防ぐためにひと口30回嚙む
肥満につながる早食いを防ぐために、ひと口30回嚙むことが推奨されるが、よく嚙むことは下顎の骨の老化防止にも有効。嚙み応えのある食事を選ぼう。ガムを嚙むのもいい。

それ以外に取り入れたい骨トレビッグ3は、「スクワット」「アイソメトリクス」「手足グリグリ」。

スクワットは下半身、アイソメトリクスは上半身をまとめて活性化。それより負荷は低めだが、手足グリグリはどこでも手軽にトライできて上半身と下半身がまとめてケアできるメリットがある。

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手足グリグリ(左右各10秒×3セット)

手足グリグリは左右各10秒×3セット
リラックスした姿勢で立ち。両手の指を組む。手首のスナップを利かせながら、両手をグリグリと回す。続いて爪先を床に付けた状態で足首をグリグリ回す。慣れたら同時に行っても。

スクワット(10回×3セット)

スクワットは10回×3セット
両足を腰幅に開いて立つ。両腕を胸でクロスさせる。背すじを伸ばして胸を張ったまま、後ろの椅子に坐るようにゆっくりしゃがむ。膝が90度曲がったら、床を踏んで立ち上がる。

アイソメトリクス(5秒×3セット)

アイソメトリクスは5秒×3セット
胸の前で両手のひらを合わせる。肘を開いて前腕を床と平行にする。5秒間、全力で両手を強く押し合う。呼吸を止めないように注意する。立ったままでも、坐ったままでもOK。

2. 食事で骨の健康度を高めるために摂りたい栄養素を学ぶ。

運動と栄養はすべての基本。骨トレとともに、食事への配慮も骨の健康には欠かせない。何より摂りたいのは、骨の屋台骨を支えるタンパク質とカルシウムだ。

タンパク質は体重1kg当たり1gが基準。70kgなら1日70gだ。ダイエットで食事を制限すると不足しやすいから要注意。タンパク質が豊富なのは肉類、魚介類、卵、大豆食品、牛乳・乳製品。なかでも意識して摂りたいのが、牛乳・乳製品、魚類、大豆食品。

牛乳・乳製品はタンパク質とカルシウムが一緒に摂れて便利。

魚介類には、カルシウムを骨に取り込む作用があるカルシトニンというホルモンが多く、タンパク質もカルシウムもリッチ。なかでもしらすや小エビのように、カルシウムの固まりである骨や殻ごと食べられるものがベストである。

大豆食品でことにお薦めなのは、木綿豆腐と納豆。どちらもタンパク質とカルシウムに加え、イソフラボンという成分が含まれる。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあり、カルシウムが骨から溶け出すのを防いでくれる。とくに閉経で女性ホルモンが大幅ダウンする女性に!

・まずはタンパク質とカルシウムを摂る

肉類、魚介類、卵、大豆食品、牛乳・乳製品
肉類、魚介類、卵、大豆食品、牛乳・乳製品という5大タンパク源を1日で網羅するように意識する。骨や殻ごと食べられる小魚や小エビ、牛乳・乳製品、大豆食品はカルシウムも豊富。

骨の代謝にはビタミンも秘かに一役買う。ことに役立つのはビタミンC、D、Kのトリオ。サプリよりもやはり食事から摂ろう。

ビタミンCは、骨のタンパク質合成に欠かせない。骨を作るタンパク質の多くはコラーゲン。タンパク質はアミノ酸からなり、コラーゲンを構成するヒドロキシプロリンというアミノ酸はCがないと作られないのだ。Cはパプリカなどの緑黄色野菜や果物に多い。

食品中のカルシウムの吸収率はそう高くないのが難点。それを解決してくれるのがビタミンD。Dは日光の紫外線を浴びると皮膚で合成されるが、シミやシワを避ける現代人が自ら必要量を作るのは難しい。ならばDを多く含むイワシや鮭などの魚介類、舞茸などのきのこ類を積極的に摂りたい。

「天日で乾燥させた干し椎茸にもDは多いのですが、天日を当てずに乾燥加工された製品も少なくない。生椎茸を買って、自分で15分ほど日なたで干す方が確実です」

ビタミンKは骨へのカルシウムの定着を促し、骨のコラーゲン合成を助ける善玉。Kは小松菜などの緑黄色野菜や納豆などに多い。

・忘れずに摂りたいビタミンC・D・K

ビタミンCを摂取できる食材

パプリカやパセリなどの緑黄色野菜、イチゴやレモンやアセロラなどの果物にビタミンCは多い。ニガウリは淡色野菜だが、Cの宝庫。Cは水溶性で貯蔵できないから日々コツコツ摂ろう。

ビタミンDを摂取できる食材

ビタミンDは鮭、イワシ、アジといった魚介類に多い。タンパク質も摂れて一挙両得。舞茸、干し椎茸、キクラゲといったきのこ類からもDは摂れる。Dは脂溶性で貯められるのが特徴。

ビタミンKを摂取できる食材

ビタミンKは体内の腸内細菌でも作られるが必要量は満たせない。小松菜、ホウレンソウ、モロヘイヤ、ブロッコリーといった緑黄色野菜、納豆などに含まれる。Kも脂溶性で貯められる。

取材・文/井上健二 イラストレーション/加納徳博 取材協力/藤澤孝志郎(Dr.孝志郎のクリニック院長) 参考文献/『世界一効率よく若返る! 1日5秒骨トレーニング!』(藤澤孝志郎著、ビジネス社刊)

(初出『Tarzan』No.760・2019年3月7日発売)

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