食事で脂肪を落とすなら自炊がベスト! 「食材の小分け保存」に挑戦しよう
食事をコントロールして脂肪を落とすなら、確実に結果を出せるのはやはり自炊。一人暮らしでも、何かと忙しくても実践できる自炊のテクニック「小分け保存」に挑戦してみよう。肉、魚、野菜、それぞれの保存方法をチェックして自宅に常備。ストックした食材を活用したヘルシーレシピも紹介!
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 監修/貴堂明世(管理栄養士) 料理・栄養計算/美才治真澄(管理栄養士)
(初出『Tarzan』No.756・2019年1月4日発売)
食材を小分け保存して計画的に調理しよう。
内臓脂肪撃退のカギはなんといっても食生活。特に一刻も早く内臓脂肪を落としたいという人は、自炊を実践しない手はない。なぜなら調味料も油の量も自分で裁量できるので、カロリーセーブしながら満足感のある食事ができる。これ最大のメリット。
でも、イチから作るのはどうにも面倒。そんな人におすすめしたいのがあらかじめ食材を切って冷蔵庫や冷凍庫に保存しておく方法。
「根菜類は冷凍、葉ものは冷蔵と野菜ごとに保存方法を変えてストックしておけば、使いたいときにパッと使えて便利です。肉や魚は下味をつけておくと長く保存できるので、週末などにまとめて下処理をし、保存しておきましょう」(管理栄養士・貴堂明世さん)
これなら、白菜を1個買ってきたはいいけれど、使い切れずに持て余すこともなし。肉や魚を腐らせることもないし、あらかじめ切っておけば適正のポーションを調理していただける。一石三鳥。
小分けするときの3つのポイント。
1. 肉は下味をつけて冷凍
肉は調味料で下味をつけてから冷凍。生のまま冷凍すると食材の細胞の内外の水分が凍って食材を傷つけ、質が落ちてしまうから。
今回は豚のもも薄切り肉に酒、醬油、おろし生姜を揉み込む。ラップに1枚ずつ平らに並べ空気が入らないよう包む。保存袋に入れて空気を抜いて冷凍庫へ。使うときはいったん解凍するか、凍ったまま加熱。
2. 魚は焼いて冷凍
魚は肉より中に含まれている脂質が酸化しやすいので、生ではなく焼いてから冷凍する。今回は鮭をひと口サイズに切り、塩コショウをしてオリーブオイルをひいたフライパンで色よく焼いた。
冷めたら1切れ分ずつラップにぴっちり包み、保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫へ。使うときは解凍するか、凍ったまま加熱する。
3. 野菜は切って冷蔵か冷凍
写真上段は冷蔵組。小松菜、水菜は洗って水気を切り、4〜5cmにカット。ジャガイモはレンジで加熱して皮を剝き、カットして保存袋へ。
下段冷凍組のピーマンは縦半分に切って種とヘタを取り、白菜は5cmのざく切りに。ブロッコリーは小房にしてレンジで加熱し冷ましてから保存袋に。ストローで空気を吸い出し密閉で冷蔵か冷凍。
小分け食材を使ったヘルシーレシピ。
1. 鮭とキャベツのチーズ焼き(360kcal)
材料(1人分)
- 冷凍焼き鮭1切れ分(120g)
- キャベツ2枚(180g)
- ミックスチーズ40g
- バター小さじ1/2
- カレー粉小さじ1
- 塩小さじ1/8
作り方
- キャベツはざく切りにして耐熱容器に入れ、カレー粉、塩を振る。
- (1)に凍ったままの焼き鮭、ちぎったバター、チーズを乗せる。ホイルで包み、予熱したトースターで鮭が温まるまで15〜20分ほど焼く。
- ホイルを取って軽く焼き色がつくまでさらに焼く。
2. つぶしブロッコリー入りポテサラ(144kcal)
材料(1人分)
- 冷凍ブロッコリー4房(60g)
- 加熱後冷蔵したジャガイモ1個(100g)
- キュウリの漬物5cm(30g)
- カロリーハーフマヨネーズ大さじ1
- レモン汁小さじ1
作り方
- 冷凍ブロッコリーは凍ったまま600Wの電子レンジで1分半ほど加熱する。ジャガイモは丸ごとラップで包み、電子レンジで3分ほど温め直す。
- ボウルに(1)を入れてフォークなどでつぶす。薄切りしたキュウリの漬物、カロリーハーフマヨネーズ、レモン汁を入れ全体を混ぜる。
3. 蒸し豚サラダ仕立て(305kcal)
材料(1人分)
- 冷凍味付け豚肉150g
- 豆苗1パック(100g)
- レモン(くし切り)1切れ
- 七味唐辛子適量
作り方
- 冷凍味付け豚肉はボウルに水を張った中に袋ごと入れ流水解凍するか(15分くらい)、冷蔵庫で一晩解凍する。
- 皿に豆苗を平たく敷き、その上に(1)を広げて並べる。ラップをかけ、600Wの電子レンジで3分半ほど加熱。
- 七味唐辛子をかけ、レモンを添える。
4. 豚の花椒カリカリ焼き(396kcal)
材料(1人分)
- 冷凍味付け豚肉150g
- トマト(くし切り)1個(200g)
- 片栗粉小さじ2
- オリーブオイル小さじ2
- 花椒粉(粉山椒でも可)小さじ1/4
作り方
- 冷凍味付け豚肉はボウルに水を張った中に袋ごと入れ流水解凍するか(15分くらい)、冷蔵庫に移して一晩程度解凍する。
- (1)に片栗粉を揉み込む。フライパンにオリーブオイルを熱して中火にかけ、豚肉を並べ両面を色よくカリカリになるまで焼く。
- (2)をフライパンの端によけ、空いたスペースにトマトを加えて炒める。全体に花椒粉を振り、器に盛る。
5. 白菜とバジル、生ハムのサラダ(87kcal)
材料(1人分)
- 冷凍白菜1枚分(100g)
- 生ハム4枚(10g)、バジル2枚(ドライでも可)
- A[オリーブオイル小さじ1、レモン汁小さじ1/2、黒胡椒適量]
作り方
- 冷凍白菜はボウルに水を張った中に袋ごと入れ流水解凍するか(15分くらい)、冷蔵庫に移して解凍する。
- 白い部分は縦に棒状に切り、全体の水気を軽く絞る。
- ボウルに(2)、ちぎった生ハムとバジル、Aを加えてざっくり和える。
6. 鮭と水菜のサラダ仕立て(305kcal)
材料(1人分)
- 冷凍焼き鮭1切れ分(120g)
- 保存済み水菜2株(80g)
- 紫玉ネギ(玉ネギでも可)1/4個(50g)
- A[刻んだ塩昆布小さじ1、おろし生姜小さじ1、酢小さじ1、ゴマ油小さじ1]
作り方
- 冷凍焼き鮭はラップをしたまま600Wの電子レンジで1分半ほど加熱する。
- 紫玉ネギは千切りにして水にさっと晒す。
- (1)と(2)と水菜をざっくり合わせて器に盛り、合わせたAを回しかける。
7. 鮭、小松菜、ジャガイモの粒マスタードソテー(288kcal)
材料(1人分)
- 冷凍焼き鮭1切れ分(120g)
- 保存済み小松菜2株(80g)
- 保存済みジャガイモ1/2個(50g)
- 酒大さじ1
- オリーブオイル小さじ1
- A[酒大さじ1、粒マスタード小さじ1、ナンプラー小さじ1/4、おろしニンニク小さじ1/4]
作り方
- フライパンに凍ったままの焼き鮭、酒を入れて蓋をし、3分ほど弱火にかけて解凍する。
- (1)の鮭を箸で触って弾力が戻っていたらフライパンの端に寄せ、空いたスペースにオリーブオイルを入れ、ジャガイモ、小松菜を入れて炒める。
- 合わせたAを加え、全体を炒め合わせる。
8. 豚と大根の甘辛煮(398kcal)
材料(1人分)
- 冷凍味付け豚肉150g
- 大根4.5cm(150g)
- ゴマ油小さじ1/2
- A[酒大さじ3、水大さじ3、はちみつ小さじ2、豆板醬小さじ1]
作り方
- 大根は皮を剝いて1.5cm幅の半月切りにし、ラップで包んで600Wのレンジで2分ほど加熱する。
- フライパンにゴマ油をひいて、(1)を並べて焼き色をつける。凍ったままの豚肉、Aを加えて蓋をし、途中で豚肉をほぐしながら弱めの中火で5分ほど煮る。
9. ピーマンとじゃこのアーモンド炒め(101kcal)
材料(1人分)
- 冷凍ピーマン3個分(90g)
- じゃこ大さじ2(8g)
- アーモンド(ざく切り)6粒
- オリーブオイル小さじ1/2、醬油小さじ1/2
作り方
- フライパンにオリーブオイルを熱し、凍ったままのピーマンを一口大にちぎって入れ、1分ほど炒める。
- じゃこ、アーモンドを入れてさらに1分ほど炒め、醬油を回しかける。
教えてくれた人
貴堂明世さん(きどう・あきよ)/1962年、東京都生まれ。セミナー、雑誌、書籍で栄養・健康情報を提供。東京証券業健康保険組合で特定保健指導、生活習慣病の食事療法指導を専任で担当しているエキスパート。
坂詰真二さん(さかづめ・しんじ)/1966年、新潟県生まれ。フィジカルトレーナー。NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供や運動指導を行う。